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第三章 再び会うときまで
第34話 〈終〉神様記録
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時間が止まったようにあたし以外のみんなが止まっている。美穂も斗真も回覧車もジェットコースターも。
世界中の人が止まっている世界であたしだけは思考を張り巡ることができる。呼吸も出来るし、動ける。これは、一体何なの。
あたしが座って向かい合う形で座っているのは美穂。その間に、霧のような雲のようなものが現れた。
だんだんと濃ゆくなり、そこから人のような影が浮き出てきた。成人女性で肩が丸くって影でも分かる。ヘベだ。
雲が晴れ、次第に顔を現す。前回、天照と月詠が現れたときのように体が透けていない。
実際にそこにいるんだ。大きな瞳であたしを見下ろすヘベはなんとなく、寂しそう。
頭が混乱して、どこから話せばいいのか検討がつかない。
「あの……ヘベ」
「玲奈の応えはもうとっくに気づいていたのだな。そう、占い師になると」
あたしはカッとなり、立ち上がった。あたしの応えは全然それじゃない。それじゃないのに、どうして否定する言葉が浮かばないの。
口をわなわなしていると、ヘベはあたしから顔をそらし、回覧車の窓際辺りに立った。
「綺麗だな。このかいらんしやという乗り物から見える景色は、遥か彼方まで見えるのか。こうして見るとこの街は案外小さいな」
そんな話ししている場合じゃないでしょ。あたし、確かに美穂の言う通り昔は占い師の道だと自分でも思ってたけど今は……。
「今日、この遊園地で玲奈はなにをモヤモヤした?」
ヘベが訊ねてきた。時間は止まっているけど夕焼けの色は失ってない。窓にたっているため、ヘベの白い肌は赤くなったように夕焼け空に染まっている。その姿は元々才色兼備な他ゲに、見惚れてしまうほど美しい。
「……インチキ占い師のこと? 確かにモヤモヤしたけど」
あたしは言葉を呑んだ。
あの館にいたとき、その占い師のこと全力で否定して母を思い浮かべていた。あたしは知らないうちに母を尊敬していた。
けど、もしこの応えが出たらあたしとヘベの関係はどうなるの? あのとき、消えるだけとヘベが言っていた。消えるの? 嫌だ、ずっとこの関係のままがいい。ヘベをどっかに失うなんて、怖い。
ヘベはあたしの気持ちに気づいたのか、寂しい表情をした。
「もともと、こういう話しから一緒に過ごしてきただろう? 玲奈なら大丈夫だ。私がいなくても一緒にいてくれる友がいるではないか」
いつも優しい美穂、無邪気な奈美、変態な東、チャラい斗真の顔が脳裏によぎった。斗真から引き受けた猫探しの思い出、体育祭の悔しい思い出そんな楽しい思い出が一気に溢れ、溢れだしそう。
確かに、かけがえのない親友たちがいてくれる。楽しかった。でも、この中にヘベがいないなんて寂しい。
すると、ヘベが優しく抱きしめてきた。ひだまりのように温かい。
「ありがとう。玲奈のおかげで私も楽しかった。こんなにも心配してくれたのは玲奈が始めてだ」
優しい温もりに優しい声。この体温を離したくない。ぎゅと力強く服を掴んだ。皺になるくらい。けど、力強く握ってたのにヘベから突き離された。
足がもろつき、二歩くらい下がる。あの優しい温もりがなくなり、急に体温が冷えていく。
あたしはびっくりした。ヘベの足元が透けている。透けて、夕焼け色に染まった床がはっきりと見える。
それはゆっくりと雪のように体が消えていく。足元が膝あたり。
「へ、ヘベ……」
「ありがとう。本当に」
あたしは腕を伸ばした。でも、空振りする。
確かに掴んだ感触は一瞬あったけど、それはほんの人あたりの体温。
空振りの勢いで、前乗りになり膝がかくんと折れた。その反射で膝をつく。
「やだよ……消えないで」
不意に涙がこみ上がってきた。涙腺が崩壊したように溢れるその涙は、氷のように大粒だった。
ヘベが膝をまげ、あたしと同じ目線に座ってきた。明るい金色の瞳があたしと同じようにうるうると潤っている。スッと人差し指であたしの涙をすくった。
「私はいつもでも側にいる。いつもでも味方になる。玲奈なら大丈夫だ。さぁ、願いを言ってごらん」
あたしは暫くだんまりした。だんまりしても、ヘベの体が透けていく時間は止まってくれない。それでも、ヘベは温かい笑顔を向けていた。
「あたしは……あたしは占い師になる。もう逃げない」
フッとヘベが笑う。途端、室内の中に嵐のような風が襲った。目も開けられぬ風に思わず、目を瞑ると、すぐそこにいたヘベの体温が急にいなくなった。
『その願い、聞き届けたり……―――』
シャランと鈴の音が微かに聞こえた。風がやみ、ヘベの名前を呼んでみる。
「今さっき食べたのに私お腹……れっちゃん!?」
振り向くと美穂が唇をわなわなさせ、あたしを見下ろしている。びっくりしたような眼差しで。
「あーあ、泣かせた」
といじる斗真。
「わ、私ッ!? 私なの!?」
美穂は盛大にたじろいて、あたしのもとに駆け寄る。忘れてた。
確か美穂があたしを元気づけるために遊園地に誘って、ここは最後に乗った回覧車だ。二人とも、動いている。回覧車もゆっくりとだけど窓の景色の位置が変わっているから動いている。
あたしは室内のなかを厳重にキョロキョロした。ヘベの姿はいない。それよか、あの止まっていた時間で起きたことなど無視するようにこの世界は動いている。
美穂は慌てた様子でポケットからティッシュを取り出す。あたしは美穂に抱きついた。この子は本当に健気だ。優しくって思いやりあってあたしの大好きな親友。
「ありがとう……みっちゃん」
「……どういたしまして?」
§
高天原では太陽がさんさんと絶好調に燃えている。残念ね、久しぶりに高天原に帰ると天照から言われた第一声はそれだった。
「残念……?」
「だってそうでしょ? あんなに仲良かったのに……一生くっついても良かったのよ?」
冗談まじりに天照がクスクス笑う。ヘベはそれに応えるように微笑する。
「最も残念なのは月詠のほうだろう?」
「んふふ。確かに」
天照が頬を上に膨らませ笑った。そして、頬に手を置き首を小さくかしげる。
「さて、あなたこれからどうするの?」
ヘベは考え込む。天照は話しを続けた。
「転生したいなら、人間に……でもいいわよ?」
ヘベは天照の顔を凝視して、参ったというポーズをみせた。
「人間になったらつまらんであろう。神社はないがあそこには祠がある。また、暫くはそこで待つとしよう」
ヘベはニッコリと笑い、高天原を出た。
§
それから、数日。
あんなに嫌いだった母と交流して、今は弟子になっている。母たら、占いに関すると鬼になるよ。
毎日毎日疲れるほどの知力をあたしに教えてくる。けど、そこがいいんだよね。こんな形でもひしひし伝わって来るよ。あたしを思ってくれる母の想いが。
ヘベ、聞いて。あたし、ヘベに出会えて本当に良かった。この出会いがなかったら今ごろ、普通の高校生活を送ってたよ。
陽光が明るく照らす日。ふわふわとした髪の毛を風になびかせた奈美を見つけた。後ろから声をかけると、ひだまりのような笑顔で振り返る。
「おはようですぅ。ちゃんと起きれて良かった」
「起きれるよ」
二人と一緒に学校に向かう。今日も普通に授業があって普通に友達と喋れる、こんな毎日をのどかに過ぎています。
それとね。美穂にお願いしてあの神社、また復興してくれるって。
あたしとヘベが出会えたあの場所に、もう一度人が寄ってくる。
今は忙しいから行けないけど、もう一度行ってみるよ。あたしとヘベが出会ったあの場所に。
―完―
世界中の人が止まっている世界であたしだけは思考を張り巡ることができる。呼吸も出来るし、動ける。これは、一体何なの。
あたしが座って向かい合う形で座っているのは美穂。その間に、霧のような雲のようなものが現れた。
だんだんと濃ゆくなり、そこから人のような影が浮き出てきた。成人女性で肩が丸くって影でも分かる。ヘベだ。
雲が晴れ、次第に顔を現す。前回、天照と月詠が現れたときのように体が透けていない。
実際にそこにいるんだ。大きな瞳であたしを見下ろすヘベはなんとなく、寂しそう。
頭が混乱して、どこから話せばいいのか検討がつかない。
「あの……ヘベ」
「玲奈の応えはもうとっくに気づいていたのだな。そう、占い師になると」
あたしはカッとなり、立ち上がった。あたしの応えは全然それじゃない。それじゃないのに、どうして否定する言葉が浮かばないの。
口をわなわなしていると、ヘベはあたしから顔をそらし、回覧車の窓際辺りに立った。
「綺麗だな。このかいらんしやという乗り物から見える景色は、遥か彼方まで見えるのか。こうして見るとこの街は案外小さいな」
そんな話ししている場合じゃないでしょ。あたし、確かに美穂の言う通り昔は占い師の道だと自分でも思ってたけど今は……。
「今日、この遊園地で玲奈はなにをモヤモヤした?」
ヘベが訊ねてきた。時間は止まっているけど夕焼けの色は失ってない。窓にたっているため、ヘベの白い肌は赤くなったように夕焼け空に染まっている。その姿は元々才色兼備な他ゲに、見惚れてしまうほど美しい。
「……インチキ占い師のこと? 確かにモヤモヤしたけど」
あたしは言葉を呑んだ。
あの館にいたとき、その占い師のこと全力で否定して母を思い浮かべていた。あたしは知らないうちに母を尊敬していた。
けど、もしこの応えが出たらあたしとヘベの関係はどうなるの? あのとき、消えるだけとヘベが言っていた。消えるの? 嫌だ、ずっとこの関係のままがいい。ヘベをどっかに失うなんて、怖い。
ヘベはあたしの気持ちに気づいたのか、寂しい表情をした。
「もともと、こういう話しから一緒に過ごしてきただろう? 玲奈なら大丈夫だ。私がいなくても一緒にいてくれる友がいるではないか」
いつも優しい美穂、無邪気な奈美、変態な東、チャラい斗真の顔が脳裏によぎった。斗真から引き受けた猫探しの思い出、体育祭の悔しい思い出そんな楽しい思い出が一気に溢れ、溢れだしそう。
確かに、かけがえのない親友たちがいてくれる。楽しかった。でも、この中にヘベがいないなんて寂しい。
すると、ヘベが優しく抱きしめてきた。ひだまりのように温かい。
「ありがとう。玲奈のおかげで私も楽しかった。こんなにも心配してくれたのは玲奈が始めてだ」
優しい温もりに優しい声。この体温を離したくない。ぎゅと力強く服を掴んだ。皺になるくらい。けど、力強く握ってたのにヘベから突き離された。
足がもろつき、二歩くらい下がる。あの優しい温もりがなくなり、急に体温が冷えていく。
あたしはびっくりした。ヘベの足元が透けている。透けて、夕焼け色に染まった床がはっきりと見える。
それはゆっくりと雪のように体が消えていく。足元が膝あたり。
「へ、ヘベ……」
「ありがとう。本当に」
あたしは腕を伸ばした。でも、空振りする。
確かに掴んだ感触は一瞬あったけど、それはほんの人あたりの体温。
空振りの勢いで、前乗りになり膝がかくんと折れた。その反射で膝をつく。
「やだよ……消えないで」
不意に涙がこみ上がってきた。涙腺が崩壊したように溢れるその涙は、氷のように大粒だった。
ヘベが膝をまげ、あたしと同じ目線に座ってきた。明るい金色の瞳があたしと同じようにうるうると潤っている。スッと人差し指であたしの涙をすくった。
「私はいつもでも側にいる。いつもでも味方になる。玲奈なら大丈夫だ。さぁ、願いを言ってごらん」
あたしは暫くだんまりした。だんまりしても、ヘベの体が透けていく時間は止まってくれない。それでも、ヘベは温かい笑顔を向けていた。
「あたしは……あたしは占い師になる。もう逃げない」
フッとヘベが笑う。途端、室内の中に嵐のような風が襲った。目も開けられぬ風に思わず、目を瞑ると、すぐそこにいたヘベの体温が急にいなくなった。
『その願い、聞き届けたり……―――』
シャランと鈴の音が微かに聞こえた。風がやみ、ヘベの名前を呼んでみる。
「今さっき食べたのに私お腹……れっちゃん!?」
振り向くと美穂が唇をわなわなさせ、あたしを見下ろしている。びっくりしたような眼差しで。
「あーあ、泣かせた」
といじる斗真。
「わ、私ッ!? 私なの!?」
美穂は盛大にたじろいて、あたしのもとに駆け寄る。忘れてた。
確か美穂があたしを元気づけるために遊園地に誘って、ここは最後に乗った回覧車だ。二人とも、動いている。回覧車もゆっくりとだけど窓の景色の位置が変わっているから動いている。
あたしは室内のなかを厳重にキョロキョロした。ヘベの姿はいない。それよか、あの止まっていた時間で起きたことなど無視するようにこの世界は動いている。
美穂は慌てた様子でポケットからティッシュを取り出す。あたしは美穂に抱きついた。この子は本当に健気だ。優しくって思いやりあってあたしの大好きな親友。
「ありがとう……みっちゃん」
「……どういたしまして?」
§
高天原では太陽がさんさんと絶好調に燃えている。残念ね、久しぶりに高天原に帰ると天照から言われた第一声はそれだった。
「残念……?」
「だってそうでしょ? あんなに仲良かったのに……一生くっついても良かったのよ?」
冗談まじりに天照がクスクス笑う。ヘベはそれに応えるように微笑する。
「最も残念なのは月詠のほうだろう?」
「んふふ。確かに」
天照が頬を上に膨らませ笑った。そして、頬に手を置き首を小さくかしげる。
「さて、あなたこれからどうするの?」
ヘベは考え込む。天照は話しを続けた。
「転生したいなら、人間に……でもいいわよ?」
ヘベは天照の顔を凝視して、参ったというポーズをみせた。
「人間になったらつまらんであろう。神社はないがあそこには祠がある。また、暫くはそこで待つとしよう」
ヘベはニッコリと笑い、高天原を出た。
§
それから、数日。
あんなに嫌いだった母と交流して、今は弟子になっている。母たら、占いに関すると鬼になるよ。
毎日毎日疲れるほどの知力をあたしに教えてくる。けど、そこがいいんだよね。こんな形でもひしひし伝わって来るよ。あたしを思ってくれる母の想いが。
ヘベ、聞いて。あたし、ヘベに出会えて本当に良かった。この出会いがなかったら今ごろ、普通の高校生活を送ってたよ。
陽光が明るく照らす日。ふわふわとした髪の毛を風になびかせた奈美を見つけた。後ろから声をかけると、ひだまりのような笑顔で振り返る。
「おはようですぅ。ちゃんと起きれて良かった」
「起きれるよ」
二人と一緒に学校に向かう。今日も普通に授業があって普通に友達と喋れる、こんな毎日をのどかに過ぎています。
それとね。美穂にお願いしてあの神社、また復興してくれるって。
あたしとヘベが出会えたあの場所に、もう一度人が寄ってくる。
今は忙しいから行けないけど、もう一度行ってみるよ。あたしとヘベが出会ったあの場所に。
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