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Ⅶ 自由
第50話〈終〉自由
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蜜鞘姉妹がいつまで経っても現れないので、こちらから招くことに。家の警備は見た目厚いと思う。慎重にいかないと。蜜鞘家に行ったものの灯りはつけていない。外のくらと同じように門の中も静かで闇夜だ。どうやって門を潜り抜けるか、考えていると屋根の上でこちらに手招きする人物がみえた。苗化ちゃんだ。こんな時間にあんな場所で。
苗化ちゃんは南の方を指差した。脱出経路である入り口があるのだろうか。僕らは苗化ちゃん信じて南の方へ。
しかし、明保野さんが足を止めた。
「無理。行けない」
「どうして」
明保野さんは顔を青くさせぶるぶる震えている。化物でも見たかのような震え方だ。何を見たのか、明保野さんは前方を見つめ、ズルズルと後退した。
何があるのか。
恐る恐る顔を向けると暗闇の夜道に男二人。禿げたオッサンとグラサン1人。いかにも柄が悪い。それを見て明保野さんが怯えている。
「き、来た。ついてきてたんだ」
明保野さんが怯える相手は借金取り。恐らく歌舞伎町辺りからついてきたんだ。そして明保野さんが逃げると男たちが追いかけていく。そんなのさせない。僕は男二人に立ちはだかった。
一人に頬を殴られ、一人に腹に拳を振るわれた。
お腹から絞り出した声が出て胃液がゴバゴバ口から溢れた。倒れた僕をそのまま蹴られ踏みつけられていく。久乃さんは物陰に隠れ、男たちが立ち去っていくまで声を殺す。立ち去ったあと、久乃さんが駆け寄ってきた。
「ちょ、ちょっと大丈夫なの⁉」
「おぇ! ごふ、をぉえっ! それ、より、はやく明保野さんのところ、へ」
「無理しないで!」
僕が立ち上がると久乃さんが背中に手を添える。嘔吐したせいで目眩がする。グワングワン視界が揺れて情景が見えない。頭がズキズキ痛む。一回三途の川が見えた気がした。
明保野さんと男たちの姿はない。
明保野さんは捕まったらどうなるんだ。僕以上に酷い目に合う。そんなの、絶対させない。
調子が少しずつ整ってきたのを見計らい、僕は明保野さんの後を追った。蜜鞘姉妹については久乃さんがなんとかしてくれる、はずだ。
明保野さんの逃げ隠れする場所といえば、分からない! そういや、彼女とはそういった話題出してなかった。くそう。こんなときどうすれば。
「こっちよ!」
驚いて振り向くと久乃さんが僕の後ろから走ってきた。膝を曲げて息を整えていた僕を横目に通り過ぎる。
この時代、一番彼女のことを知っているのは久乃さんだ。久乃さんには明保野さんが逃げ隠れする場所を分かっているぽい。ここは久乃さんを頼る。
久乃さんは迷いもなく走っていく。ストレートな髪の毛を揺らし。久乃さんが向かった場所はあの公園だった。公園の子どもたちが昼間遊ぶ遊具に、明保野さんは膝を抱えて丸くなっていた。
「やっぱり」
暗くって、霜が降っているせいで中のコンクリート製は酷く冷たく息が白い。
「明保野さん、大丈夫?」
僕はホッとして息を吐いた。彼女へ腕を伸ばす。
「てめぇら、こいつに用があんのか?」
いつの間にか男二人が背後に立っていた。ゾッとした。今しがた暴力受けて再びリンチにされるのはごめんだ。背筋に冷たい汗が伝う。伸ばした腕はそのままで引っ込むこともできないほど体が硬直している。
どうする。戦うか逃げるか。
後者はありえない。明保野さんが膝を丸めているのに僕が逃げることになったら男として情けない。
でもどうやって戦うか。さっきコテンパにやられたのに、体に痛みが覚えてて足が震えている。
僕は大きく深呼吸して足裏に力を込めた。
すっと立ち上がる。臨戦態勢の僕を見て男二人は、懐からナイフやら棒を取り出した。
あぁ、これ死ぬな。
状況が最悪なのに冷静な自分がいる。
タイムスリップはあと一回だ。その一回にかけるしかない。刺された瞬間遠のく意識の中、二人が逃げていくのを捉えた。良かった。時間稼ぎになるだろう。あの二人をこの時代で死なせるわけに行かない。
そうして現代に帰った。
何度目の死。慣れるには無理そうだ。
「おかえり! 今日は最短だったね」
少年が僕の顔を覗き込む。
誰だ。
「誰?」
「え? 何いってんの太陽だよ」
太陽と自称する少年は起き上がらない僕の背に手を添えニコリと笑う。なんだか病人みたいな扱いに僕はカッとなって彼を殴った。
「何してんの⁉」
少女が駆け寄ってきた。殴られた少年を心配して顔を覗き込む。殴った己の拳が痛い。ヒリヒリする。何故殴ったのか、知り合いなのか、拳と同時にそれ以上に胸が痛い。
「おい、空!」
赤毛の少年が扉からやってきて、僕の胸グラを掴んだ。鋭い目つきで睨まれる。他の2人もそんな目を僕に向ける。一色触発。今度は彼の拳が振り落とされるのではないか、そんな空気だ。
「記憶障がいだ」
そんな空気で一際冷静な声が。
扉付近に立っていた苗化ちゃんだ。良かった苗化ちゃんだけわかる。それなのに、この人たちのこと知らない。
「記憶障がいて何だよ! 聞いてねぇぞ!」
赤毛の少年が怒鳴る。
「長い間〝未来〟の人間が〝過去〟に行っている間、その間の体は死人と同じ空っぽ。あの機械で死を抑えているだけ。あとは何らかの障がいが発達する」
苗化ちゃんは静かに言った。
タイムマシンに乗る前に人格破壊や何らかの悪影響をもたらすと、そんなこと言っていた。僕は記憶を失った。ただ、分かるのは明保野さんと約束したこと四人の守人だけ。
僕が地球の民でここはエデン。少年少女たちは僕の幼馴染で彼らとも約束をしたことがある。それはこのエデンと呼ばれる惑星に行くこと。その約束は果たされたことも。
彼らは僕が覚えていないことに大きなショックを抱いた。
「それより、あと一回。この一回で帰ってこられなかったら〝過去〟で死ぬ。過去で死んだら今迄のタイムスリップした行いもなくなるからタイムパラドックスとして、歴史は変わらない。この一回、なんとしても果たさないと」
苗化ちゃんはチラリと僕と彼らを見合った。僕の目の前にはタイムマシンの装置が。窓もぱっくり空いて今が今かと待ち焦がれている。
少年らが「だめだ」「もう入るな」と言ってくるがそんな構いやしない。苗化ちゃんはごめんと呟く。
彼女たち守人は千年前も、そしてその後も縛られていた。生きることも死ぬことも自由になんてならない。その千年の時を考えれば、僕なんて……それに、守人四人はどんな残酷だったとしてもあの瞬間、パンドラの箱が開ける時をリセットしたい、変えたいと思っている。その為、非合理的でもやむを得ない。僕も明保野さんとの約束のため、また飛ぶ。周囲の意見なんて聞くものか。
§
そうして僕は再び千年後へ。
胸のバッチの炎はあと一つになっている。ここから気おつけないと。そして、辺りはもう薄暗くなって町並みから見える眩しい光が星のように小さい。そして此処は光が小さき更に闇とかしている。目に慣れるには数分かかった。
ようやく目が慣れた。目覚めた場所は白い像が置いてあるあの公園だ。そうして、そこには四人がいた。手を繋ぎ白い像を中心に輪になっている。
あれは――。
僕は急いで止めに入った。四人とも、僕を凝視する。一週間前に死んだ人がどうしてと。そこは適当にはぐらかし、四人は一体何をしていたのか問い詰めた。
「言わない。相手の素性も知らずにあたしたちだって自分たちこと言わないわ」
鳳華姐さんに睨まれた。
「少なくとも三回、ぐらい死んで平気にノコノコ現れる。ヒーローとか話よりもあんたが一番恐ろしい」
久乃さんが強張る。みんな、僕のこと化物でも見る眼差し。ここはもう正直に答えるしかない。未来からやって来た未来人で僕が来た目的。それ等を赤裸々の告白した。案の定警戒心と不安が強まるばかりでホラ話だと言われる始末に。理解されないのは最初からわかってたしだから告白しなかったのに、この時の僕は優良な判断能力が欠けていた。
どうしても四人にはこれだけは信じてほしい。自分たちを救いに来たんだと。彼女らもようやく僕の素性を知ってか少し安心させた。
彼女らの願いもほんの少し変わっている。明保野さんは1億ほしい。久乃さんは義父を殺してほしい。鳳華姐さんは蜜鞘一家その親戚殺してほしい。苗化ちゃんはイジメの主犯が消えてほしい。でも最近のある出来事によってその願いが一変。
普通に暮らしたいと。
いい方向に向いている。
それぞれ〝気づき〟があった。自分の幸せについて。
「私は私らしく自由に生きたい」
四人の願いが一つになった。
すると、白い像がその願いを聞き受ける。瞬く間に視界が真っ白く光、世界が光に飲み込まれる。温かくも冷たくもない。この光は地球を飲み込み、やがて僕はその光に堪えきれずふっとばされる。
僕は空を飛んでいる。
透明な水が流れる川。緑に広がる茶園。赤い夕日に照らされる紅葉の木。そして人々は変わらず日常を過ごしている。四人の願いは世界を巻き込み永劫となる。
パンドラの箱から次々と出てきた厄災や悪は全て出て、底に小さくあったのは〝希望〟だ。その希望をついに掴んだ。
―完―
苗化ちゃんは南の方を指差した。脱出経路である入り口があるのだろうか。僕らは苗化ちゃん信じて南の方へ。
しかし、明保野さんが足を止めた。
「無理。行けない」
「どうして」
明保野さんは顔を青くさせぶるぶる震えている。化物でも見たかのような震え方だ。何を見たのか、明保野さんは前方を見つめ、ズルズルと後退した。
何があるのか。
恐る恐る顔を向けると暗闇の夜道に男二人。禿げたオッサンとグラサン1人。いかにも柄が悪い。それを見て明保野さんが怯えている。
「き、来た。ついてきてたんだ」
明保野さんが怯える相手は借金取り。恐らく歌舞伎町辺りからついてきたんだ。そして明保野さんが逃げると男たちが追いかけていく。そんなのさせない。僕は男二人に立ちはだかった。
一人に頬を殴られ、一人に腹に拳を振るわれた。
お腹から絞り出した声が出て胃液がゴバゴバ口から溢れた。倒れた僕をそのまま蹴られ踏みつけられていく。久乃さんは物陰に隠れ、男たちが立ち去っていくまで声を殺す。立ち去ったあと、久乃さんが駆け寄ってきた。
「ちょ、ちょっと大丈夫なの⁉」
「おぇ! ごふ、をぉえっ! それ、より、はやく明保野さんのところ、へ」
「無理しないで!」
僕が立ち上がると久乃さんが背中に手を添える。嘔吐したせいで目眩がする。グワングワン視界が揺れて情景が見えない。頭がズキズキ痛む。一回三途の川が見えた気がした。
明保野さんと男たちの姿はない。
明保野さんは捕まったらどうなるんだ。僕以上に酷い目に合う。そんなの、絶対させない。
調子が少しずつ整ってきたのを見計らい、僕は明保野さんの後を追った。蜜鞘姉妹については久乃さんがなんとかしてくれる、はずだ。
明保野さんの逃げ隠れする場所といえば、分からない! そういや、彼女とはそういった話題出してなかった。くそう。こんなときどうすれば。
「こっちよ!」
驚いて振り向くと久乃さんが僕の後ろから走ってきた。膝を曲げて息を整えていた僕を横目に通り過ぎる。
この時代、一番彼女のことを知っているのは久乃さんだ。久乃さんには明保野さんが逃げ隠れする場所を分かっているぽい。ここは久乃さんを頼る。
久乃さんは迷いもなく走っていく。ストレートな髪の毛を揺らし。久乃さんが向かった場所はあの公園だった。公園の子どもたちが昼間遊ぶ遊具に、明保野さんは膝を抱えて丸くなっていた。
「やっぱり」
暗くって、霜が降っているせいで中のコンクリート製は酷く冷たく息が白い。
「明保野さん、大丈夫?」
僕はホッとして息を吐いた。彼女へ腕を伸ばす。
「てめぇら、こいつに用があんのか?」
いつの間にか男二人が背後に立っていた。ゾッとした。今しがた暴力受けて再びリンチにされるのはごめんだ。背筋に冷たい汗が伝う。伸ばした腕はそのままで引っ込むこともできないほど体が硬直している。
どうする。戦うか逃げるか。
後者はありえない。明保野さんが膝を丸めているのに僕が逃げることになったら男として情けない。
でもどうやって戦うか。さっきコテンパにやられたのに、体に痛みが覚えてて足が震えている。
僕は大きく深呼吸して足裏に力を込めた。
すっと立ち上がる。臨戦態勢の僕を見て男二人は、懐からナイフやら棒を取り出した。
あぁ、これ死ぬな。
状況が最悪なのに冷静な自分がいる。
タイムスリップはあと一回だ。その一回にかけるしかない。刺された瞬間遠のく意識の中、二人が逃げていくのを捉えた。良かった。時間稼ぎになるだろう。あの二人をこの時代で死なせるわけに行かない。
そうして現代に帰った。
何度目の死。慣れるには無理そうだ。
「おかえり! 今日は最短だったね」
少年が僕の顔を覗き込む。
誰だ。
「誰?」
「え? 何いってんの太陽だよ」
太陽と自称する少年は起き上がらない僕の背に手を添えニコリと笑う。なんだか病人みたいな扱いに僕はカッとなって彼を殴った。
「何してんの⁉」
少女が駆け寄ってきた。殴られた少年を心配して顔を覗き込む。殴った己の拳が痛い。ヒリヒリする。何故殴ったのか、知り合いなのか、拳と同時にそれ以上に胸が痛い。
「おい、空!」
赤毛の少年が扉からやってきて、僕の胸グラを掴んだ。鋭い目つきで睨まれる。他の2人もそんな目を僕に向ける。一色触発。今度は彼の拳が振り落とされるのではないか、そんな空気だ。
「記憶障がいだ」
そんな空気で一際冷静な声が。
扉付近に立っていた苗化ちゃんだ。良かった苗化ちゃんだけわかる。それなのに、この人たちのこと知らない。
「記憶障がいて何だよ! 聞いてねぇぞ!」
赤毛の少年が怒鳴る。
「長い間〝未来〟の人間が〝過去〟に行っている間、その間の体は死人と同じ空っぽ。あの機械で死を抑えているだけ。あとは何らかの障がいが発達する」
苗化ちゃんは静かに言った。
タイムマシンに乗る前に人格破壊や何らかの悪影響をもたらすと、そんなこと言っていた。僕は記憶を失った。ただ、分かるのは明保野さんと約束したこと四人の守人だけ。
僕が地球の民でここはエデン。少年少女たちは僕の幼馴染で彼らとも約束をしたことがある。それはこのエデンと呼ばれる惑星に行くこと。その約束は果たされたことも。
彼らは僕が覚えていないことに大きなショックを抱いた。
「それより、あと一回。この一回で帰ってこられなかったら〝過去〟で死ぬ。過去で死んだら今迄のタイムスリップした行いもなくなるからタイムパラドックスとして、歴史は変わらない。この一回、なんとしても果たさないと」
苗化ちゃんはチラリと僕と彼らを見合った。僕の目の前にはタイムマシンの装置が。窓もぱっくり空いて今が今かと待ち焦がれている。
少年らが「だめだ」「もう入るな」と言ってくるがそんな構いやしない。苗化ちゃんはごめんと呟く。
彼女たち守人は千年前も、そしてその後も縛られていた。生きることも死ぬことも自由になんてならない。その千年の時を考えれば、僕なんて……それに、守人四人はどんな残酷だったとしてもあの瞬間、パンドラの箱が開ける時をリセットしたい、変えたいと思っている。その為、非合理的でもやむを得ない。僕も明保野さんとの約束のため、また飛ぶ。周囲の意見なんて聞くものか。
§
そうして僕は再び千年後へ。
胸のバッチの炎はあと一つになっている。ここから気おつけないと。そして、辺りはもう薄暗くなって町並みから見える眩しい光が星のように小さい。そして此処は光が小さき更に闇とかしている。目に慣れるには数分かかった。
ようやく目が慣れた。目覚めた場所は白い像が置いてあるあの公園だ。そうして、そこには四人がいた。手を繋ぎ白い像を中心に輪になっている。
あれは――。
僕は急いで止めに入った。四人とも、僕を凝視する。一週間前に死んだ人がどうしてと。そこは適当にはぐらかし、四人は一体何をしていたのか問い詰めた。
「言わない。相手の素性も知らずにあたしたちだって自分たちこと言わないわ」
鳳華姐さんに睨まれた。
「少なくとも三回、ぐらい死んで平気にノコノコ現れる。ヒーローとか話よりもあんたが一番恐ろしい」
久乃さんが強張る。みんな、僕のこと化物でも見る眼差し。ここはもう正直に答えるしかない。未来からやって来た未来人で僕が来た目的。それ等を赤裸々の告白した。案の定警戒心と不安が強まるばかりでホラ話だと言われる始末に。理解されないのは最初からわかってたしだから告白しなかったのに、この時の僕は優良な判断能力が欠けていた。
どうしても四人にはこれだけは信じてほしい。自分たちを救いに来たんだと。彼女らもようやく僕の素性を知ってか少し安心させた。
彼女らの願いもほんの少し変わっている。明保野さんは1億ほしい。久乃さんは義父を殺してほしい。鳳華姐さんは蜜鞘一家その親戚殺してほしい。苗化ちゃんはイジメの主犯が消えてほしい。でも最近のある出来事によってその願いが一変。
普通に暮らしたいと。
いい方向に向いている。
それぞれ〝気づき〟があった。自分の幸せについて。
「私は私らしく自由に生きたい」
四人の願いが一つになった。
すると、白い像がその願いを聞き受ける。瞬く間に視界が真っ白く光、世界が光に飲み込まれる。温かくも冷たくもない。この光は地球を飲み込み、やがて僕はその光に堪えきれずふっとばされる。
僕は空を飛んでいる。
透明な水が流れる川。緑に広がる茶園。赤い夕日に照らされる紅葉の木。そして人々は変わらず日常を過ごしている。四人の願いは世界を巻き込み永劫となる。
パンドラの箱から次々と出てきた厄災や悪は全て出て、底に小さくあったのは〝希望〟だ。その希望をついに掴んだ。
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