39 / 51
Ⅵ 守人の事実
第39話 西へ
しおりを挟む
ひとりぼっちの彼女を置いて帰るのは心苦しい。見送りをしてもらって船を海に漂流してからも、彼女は砂浜でずっと手を振っている。
「大丈夫かな」
「大丈夫だろ、多分」
嵐はそっけなく言うが顔は切ない。心配してんのは僕と同じ。船の中の室内に太陽が良太を寝かしつけていた。事前に持ってきてた睡眠薬で。
船の中は大量の食料と何泊か必要な道具が置いてある。色々滅茶苦茶なことがあったというのにあれは、たったの一日という事実。
まさか、大量にある食料などが邪魔になってくるとは思わない。
とうとう彼女の姿が見えなくなるまで船が進んだ。本島に戻る。ようやくだ。任務を果たせてしかも生き延びたことだけでも誇れるのに、何故か胸に残った罪悪感が拭えない。
何度目かのため息を溢した。
本島に戻って、先ず初めにやることといえば王様に帰還のことと任務を果たした報告か。僕個人としては明保野さんに会いたい。
守人がこんなにも重いものを背負っていたなんて。知らなかった。知らずに軽々しく僕が救うなんて言ってたのか。なんて浅はかな人間だ。
「まず、本島に戻ってやることといえば――」
太陽が奥からひょっこり顔を出して会話した。
「分かっているさ、王様に報告だろ、ホウレンソウは大事!」
嵐が自信満々に言った。
「いや、守人様に会いに行こう」
太陽がそう言った瞬間、驚いた。まさか、僕と同じ明保野さんに会いに行く人がここにもいるなんて。目を白黒する。
「はぁ⁉ なんで守人のところに?」
嵐が苦言を申す。頭の後ろをかいてホウレンソウだろ、と大声で喚く。それでも守人様だ、と主張する太陽。
「な、なんで守人様のところに?」
僕はあえて訊く。太陽は目を大きく見開かせ、首を小さくかしげた。
「なんで、て知りたいから。あんな色々あって謎のまま不快だろ? だったら守人様に直接訊こう。空、心配しないで別に北の守人様に会いたいとか思ってないから。俺は単なる探究心」
太陽はあっけらかんとした様子で答えた。後半僕の心を見透かされている言葉が聞こえてかぁ、と顔を赤らめる。
太陽はそれを横で見て、すっと視線を海に落とす。
「それに四人で任されたのに1人はあぁ、精神を犯された者はもう元には戻らない。そばにいた俺たちが何故平気だったのかも知りたい」
太陽は真っ直ぐ海を眺めた。
真っ赤な海面がキラキラ光を帯びて顔に反射してくる。眩しい。あんなに荒れていた海なのに全く別人。穏やかに波が進むし、海もようやく僕らを受け入れたのか、はたまたそれを凌ぐ別の恐怖を用意させているのかわからない。時によって海は別人になり変わる。
玉のように反射する光が眩しく、風が吹いたら潮風が心地よい。この穏やかな波を堪能しよう。
「それでさ」
再び太陽が口を開いた。
「西に行こうと思うんだ」
「西?」
北ではなく、西。太陽は大きく頷く。
「西は様々な文献や機械を保管・管理する場所。守人について先住民について詳しく知っているのは西だろう。もしかしたら特効薬も作っているかも。うん。西だ。西に行こう」
太陽がくるりと振り向いた。僕もその提案に乗る。嵐が1人舌打ちした。
「ちっ、行かねぇぞ! 確かに消化不十分だが帰れるんだ! なのにお前らときたら安息するきねぇのか!」
嵐はわっと喚いた。嫌だ嫌だと駄々をこねる。僕と太陽は顔を見合わせた。
「それなら嵐が報告に行ってて、僕と太陽が西に行く。それなら嵐は休めるよ?」
「疲れたもんな? ゆっくりしてて」
僕らは本当に気遣っての配慮なのに嵐はこめかみから血管を浮き出し怒り出した。
「だあぁぁぁぁ‼ 行くよ! 行く行く‼ お前らが心配だからなっ‼ 一人除けもんにすんな‼」
嵐はプンプン怒って子供のように暴れ回った。何だろう。良太と共に嵐も重症なんじゃないか。言動が一致しない。幼児対抗している。
船がガタリと揺れ、波を進んでいく。僕らは代わる代わる舵を取り、本島に帰還。あれほど繋がらなかったのに海に出てみるとあっさりと繋がった。何処も故障していないし、僕らが連絡したコールがない。どうなっている。
きっと本島では僕らを出迎えてくれる。良太のことも話をしているので、きっと弟くんもいるのだろうな。顔を合わせずらい。
僕らが船の中で決めたことはまだ話していない。王様の報告は西に行ってからだ。
本島の姿が見えてきた。ぼんやりと。波が進むに連れ海沿いに立っている人が見えてきた。まず見えたのは……――。
「明保野さん! 明保野さぁぁぁん‼」
僕は大きく手を振った。あちらのほうも気がついたようで、答えるように手を振ってくれた。明保野さんの他にもせいらや王様、良太の弟くんまで。
船を漂着させて、感動の再会。
「ただいま」
「おかえり、良かったぶじで」
下駄をカランコロン鳴らして駆け寄ってきた。僕を見てふっと微笑む。久しぶりに見る明保野さんの顔は太陽に反射した海面の粒よりも眩しくてキラキラしている。あぁ、帰ってきたんだと実感する。
よく考えたら、1日しか離れてない。久しぶりでもなんでもない。それなのにあっていない期間が一週間のように長く感じた。
それぞれ感動の再会を果たした。王様にはその場で「西区に行く」と報告。東の地で一体何があったか、良太が運ばれていっても何も聞かれなかった。それだけで王様との会話は終了。こうなること、まるでわかっていたかのようで不気味だ。
良太が運ばれていき、弟くんも連れ添っていく。小さな背中が強張って懸命に寄り添っている姿を見ると胸が痛む。
「大変だったね」
明保野さんが優しく言った。
「それをいうなら、明保野さんだって」
僕はそっと彼女の腕を取った。よほど驚いたのか、大きく反応した。結界を強固するために守人が頑張っていたとか、その顔には疲労感は感じられないが、今こうしてエデンがあるのは守人のおかげ。
明保野さんは顔を上げ穏やかに笑った。
「守人はこれが務め。エデンを守るのは当然だから」
そっか、これが守人の責務なんだ。
「明保野さん、僕らこれから西に行くんだ」
「西に?」
「うん」
一つ頷く。明保野さんは顔を少し俯いた。心配な表情だ。帰ってきたばかりなのに、少しもゆっくりできない。王様も帰り、その場で残っているのは僕らだけになった。周りがやけに静かだ。風が吹くと潮風がツンと鼻孔がくすぐる。ザザッと波が揺れた。穏やかな風だ。
「急だね」
「西の守人に聞きたいことがあって、その、もっとゆっくりしたかったけど」
僕は大げさなほどにため息ついた。明保野さんは興ざめた顔をしない。
西に行くと伝えたら明保野さんは「頑張って」と言ってくれた。僕が悲しまないように笑顔で送る。太陽と嵐に声をかけられ、僕は西に向かった。
明保野さんは終始何も言わなかったけど、悲しそうな笑み。
西に行く為のバスを明保野さんが用意してくれたと同時に、西の守人に連絡をしたから快く歓迎してくれる。僕たちは再び別々に。
北から西へ。バスはそれ程かからない。三十分程度で西の門へ。南と同じ、高くそびえ立つ門。どうやって開けるのかも門番もいない。前回のように守人が迎えにきてくれるといいのやら。
「おーい」
嵐が柵を掴んで向こう側へ叫んだ。声がこだまする。向こう側は橋になっていて、遠くの景色がぼんやり見える。南のように提灯は浮いていない。比較的北と同じような街構造だ。
「守人様が来るまで待機しとこ。北の守人様が連絡したんでしょ?」
太陽がその場で胡座をかいた。
ふぅ、と短いため息をこぼす。3人とも、旅のあとなのでやはり疲れが残っている。それでも探究心には変えられない。嵐はずっと動物みたいに柵をガンガン振っていた。
僕は太陽の隣で胡座をかく。潮風があたって気持ちいい。前髪をなびかせていく冷たい風は身震いする。目を閉じると波の音がする。それと遠くから鈴の音が。はっ、と目を見開くと柵の奥に白い巫女服を着た女の子が立っていた。
「何動物みたいに荒れてんの、キッショ!」
ぺ、と毒を吐く。
ツインテールをした女の子で目はくりくりしてて可愛らしいのに態度はたじろくほど傲慢。
「西の守人様、ご無沙汰しています」
太陽が起きて深く一礼した。その子はじっと太陽の頭を見て、ツインテールした片方の髪の毛をバッと撫でた。
「あらん、久しぶりね。十二なんとかから解放されたのにまだいるの? んで、あんたらは誰? そこのサルとイヌ」
西の守人は僕と嵐の顔を見合った。嵐をサル。僕がイヌ、になっている。サルと言われた嵐はまるで本物のサルのようにカッと顔を赤くさせた。
「はぁ⁉ サルじゃねぇよ‼ よく見てみろ、このかっこいい男前の顔たちを! どっからとこ見てもイケメンだろ!」
ガシャンと柵を握る。その奥にいた守人は呆れたように鼻を鳴らした。
「どこからどうみてもサルなんですけど、はぁ、やだなぁ。動物を迎え入れるなんて、ここ動物園じゃないのに」
守人が橋の端っこまで行くと、柵がガシャンと大きな音を立てて左右に開いた。
「大丈夫かな」
「大丈夫だろ、多分」
嵐はそっけなく言うが顔は切ない。心配してんのは僕と同じ。船の中の室内に太陽が良太を寝かしつけていた。事前に持ってきてた睡眠薬で。
船の中は大量の食料と何泊か必要な道具が置いてある。色々滅茶苦茶なことがあったというのにあれは、たったの一日という事実。
まさか、大量にある食料などが邪魔になってくるとは思わない。
とうとう彼女の姿が見えなくなるまで船が進んだ。本島に戻る。ようやくだ。任務を果たせてしかも生き延びたことだけでも誇れるのに、何故か胸に残った罪悪感が拭えない。
何度目かのため息を溢した。
本島に戻って、先ず初めにやることといえば王様に帰還のことと任務を果たした報告か。僕個人としては明保野さんに会いたい。
守人がこんなにも重いものを背負っていたなんて。知らなかった。知らずに軽々しく僕が救うなんて言ってたのか。なんて浅はかな人間だ。
「まず、本島に戻ってやることといえば――」
太陽が奥からひょっこり顔を出して会話した。
「分かっているさ、王様に報告だろ、ホウレンソウは大事!」
嵐が自信満々に言った。
「いや、守人様に会いに行こう」
太陽がそう言った瞬間、驚いた。まさか、僕と同じ明保野さんに会いに行く人がここにもいるなんて。目を白黒する。
「はぁ⁉ なんで守人のところに?」
嵐が苦言を申す。頭の後ろをかいてホウレンソウだろ、と大声で喚く。それでも守人様だ、と主張する太陽。
「な、なんで守人様のところに?」
僕はあえて訊く。太陽は目を大きく見開かせ、首を小さくかしげた。
「なんで、て知りたいから。あんな色々あって謎のまま不快だろ? だったら守人様に直接訊こう。空、心配しないで別に北の守人様に会いたいとか思ってないから。俺は単なる探究心」
太陽はあっけらかんとした様子で答えた。後半僕の心を見透かされている言葉が聞こえてかぁ、と顔を赤らめる。
太陽はそれを横で見て、すっと視線を海に落とす。
「それに四人で任されたのに1人はあぁ、精神を犯された者はもう元には戻らない。そばにいた俺たちが何故平気だったのかも知りたい」
太陽は真っ直ぐ海を眺めた。
真っ赤な海面がキラキラ光を帯びて顔に反射してくる。眩しい。あんなに荒れていた海なのに全く別人。穏やかに波が進むし、海もようやく僕らを受け入れたのか、はたまたそれを凌ぐ別の恐怖を用意させているのかわからない。時によって海は別人になり変わる。
玉のように反射する光が眩しく、風が吹いたら潮風が心地よい。この穏やかな波を堪能しよう。
「それでさ」
再び太陽が口を開いた。
「西に行こうと思うんだ」
「西?」
北ではなく、西。太陽は大きく頷く。
「西は様々な文献や機械を保管・管理する場所。守人について先住民について詳しく知っているのは西だろう。もしかしたら特効薬も作っているかも。うん。西だ。西に行こう」
太陽がくるりと振り向いた。僕もその提案に乗る。嵐が1人舌打ちした。
「ちっ、行かねぇぞ! 確かに消化不十分だが帰れるんだ! なのにお前らときたら安息するきねぇのか!」
嵐はわっと喚いた。嫌だ嫌だと駄々をこねる。僕と太陽は顔を見合わせた。
「それなら嵐が報告に行ってて、僕と太陽が西に行く。それなら嵐は休めるよ?」
「疲れたもんな? ゆっくりしてて」
僕らは本当に気遣っての配慮なのに嵐はこめかみから血管を浮き出し怒り出した。
「だあぁぁぁぁ‼ 行くよ! 行く行く‼ お前らが心配だからなっ‼ 一人除けもんにすんな‼」
嵐はプンプン怒って子供のように暴れ回った。何だろう。良太と共に嵐も重症なんじゃないか。言動が一致しない。幼児対抗している。
船がガタリと揺れ、波を進んでいく。僕らは代わる代わる舵を取り、本島に帰還。あれほど繋がらなかったのに海に出てみるとあっさりと繋がった。何処も故障していないし、僕らが連絡したコールがない。どうなっている。
きっと本島では僕らを出迎えてくれる。良太のことも話をしているので、きっと弟くんもいるのだろうな。顔を合わせずらい。
僕らが船の中で決めたことはまだ話していない。王様の報告は西に行ってからだ。
本島の姿が見えてきた。ぼんやりと。波が進むに連れ海沿いに立っている人が見えてきた。まず見えたのは……――。
「明保野さん! 明保野さぁぁぁん‼」
僕は大きく手を振った。あちらのほうも気がついたようで、答えるように手を振ってくれた。明保野さんの他にもせいらや王様、良太の弟くんまで。
船を漂着させて、感動の再会。
「ただいま」
「おかえり、良かったぶじで」
下駄をカランコロン鳴らして駆け寄ってきた。僕を見てふっと微笑む。久しぶりに見る明保野さんの顔は太陽に反射した海面の粒よりも眩しくてキラキラしている。あぁ、帰ってきたんだと実感する。
よく考えたら、1日しか離れてない。久しぶりでもなんでもない。それなのにあっていない期間が一週間のように長く感じた。
それぞれ感動の再会を果たした。王様にはその場で「西区に行く」と報告。東の地で一体何があったか、良太が運ばれていっても何も聞かれなかった。それだけで王様との会話は終了。こうなること、まるでわかっていたかのようで不気味だ。
良太が運ばれていき、弟くんも連れ添っていく。小さな背中が強張って懸命に寄り添っている姿を見ると胸が痛む。
「大変だったね」
明保野さんが優しく言った。
「それをいうなら、明保野さんだって」
僕はそっと彼女の腕を取った。よほど驚いたのか、大きく反応した。結界を強固するために守人が頑張っていたとか、その顔には疲労感は感じられないが、今こうしてエデンがあるのは守人のおかげ。
明保野さんは顔を上げ穏やかに笑った。
「守人はこれが務め。エデンを守るのは当然だから」
そっか、これが守人の責務なんだ。
「明保野さん、僕らこれから西に行くんだ」
「西に?」
「うん」
一つ頷く。明保野さんは顔を少し俯いた。心配な表情だ。帰ってきたばかりなのに、少しもゆっくりできない。王様も帰り、その場で残っているのは僕らだけになった。周りがやけに静かだ。風が吹くと潮風がツンと鼻孔がくすぐる。ザザッと波が揺れた。穏やかな風だ。
「急だね」
「西の守人に聞きたいことがあって、その、もっとゆっくりしたかったけど」
僕は大げさなほどにため息ついた。明保野さんは興ざめた顔をしない。
西に行くと伝えたら明保野さんは「頑張って」と言ってくれた。僕が悲しまないように笑顔で送る。太陽と嵐に声をかけられ、僕は西に向かった。
明保野さんは終始何も言わなかったけど、悲しそうな笑み。
西に行く為のバスを明保野さんが用意してくれたと同時に、西の守人に連絡をしたから快く歓迎してくれる。僕たちは再び別々に。
北から西へ。バスはそれ程かからない。三十分程度で西の門へ。南と同じ、高くそびえ立つ門。どうやって開けるのかも門番もいない。前回のように守人が迎えにきてくれるといいのやら。
「おーい」
嵐が柵を掴んで向こう側へ叫んだ。声がこだまする。向こう側は橋になっていて、遠くの景色がぼんやり見える。南のように提灯は浮いていない。比較的北と同じような街構造だ。
「守人様が来るまで待機しとこ。北の守人様が連絡したんでしょ?」
太陽がその場で胡座をかいた。
ふぅ、と短いため息をこぼす。3人とも、旅のあとなのでやはり疲れが残っている。それでも探究心には変えられない。嵐はずっと動物みたいに柵をガンガン振っていた。
僕は太陽の隣で胡座をかく。潮風があたって気持ちいい。前髪をなびかせていく冷たい風は身震いする。目を閉じると波の音がする。それと遠くから鈴の音が。はっ、と目を見開くと柵の奥に白い巫女服を着た女の子が立っていた。
「何動物みたいに荒れてんの、キッショ!」
ぺ、と毒を吐く。
ツインテールをした女の子で目はくりくりしてて可愛らしいのに態度はたじろくほど傲慢。
「西の守人様、ご無沙汰しています」
太陽が起きて深く一礼した。その子はじっと太陽の頭を見て、ツインテールした片方の髪の毛をバッと撫でた。
「あらん、久しぶりね。十二なんとかから解放されたのにまだいるの? んで、あんたらは誰? そこのサルとイヌ」
西の守人は僕と嵐の顔を見合った。嵐をサル。僕がイヌ、になっている。サルと言われた嵐はまるで本物のサルのようにカッと顔を赤くさせた。
「はぁ⁉ サルじゃねぇよ‼ よく見てみろ、このかっこいい男前の顔たちを! どっからとこ見てもイケメンだろ!」
ガシャンと柵を握る。その奥にいた守人は呆れたように鼻を鳴らした。
「どこからどうみてもサルなんですけど、はぁ、やだなぁ。動物を迎え入れるなんて、ここ動物園じゃないのに」
守人が橋の端っこまで行くと、柵がガシャンと大きな音を立てて左右に開いた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
絶世のディプロマット
一陣茜
SF
惑星連合平和維持局調停課に所属するスペース・ディプロマット(宇宙外交官)レイ・アウダークス。彼女の業務は、惑星同士の衝突を防ぐべく、双方の間に介入し、円満に和解させる。
レイの初仕事は、軍事アンドロイド産業の発展を望む惑星ストリゴイと、墓石が土地を圧迫し、財政難に陥っている惑星レムレスの星間戦争を未然に防ぐーーという任務。
レイは自身の護衛官に任じた凄腕の青年剣士、円城九太郎とともに惑星間の調停に赴く。
※本作はフィクションであり、実際の人物、団体、事件、地名などとは一切関係ありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
鉄錆の女王機兵
荻原数馬
SF
戦車と一体化した四肢無き女王と、荒野に生きる鉄騎士の物語。
荒廃した世界。
暴走したDNA、ミュータントの跳梁跋扈する荒野。
恐るべき異形の化け物の前に、命は無残に散る。
ミュータントに攫われた少女は
闇の中で、赤く光る無数の目に囲まれ
絶望の中で食われ死ぬ定めにあった。
奇跡か、あるいはさらなる絶望の罠か。
死に場所を求めた男によって助け出されたが
美しき四肢は無残に食いちぎられた後である。
慈悲無き世界で二人に迫る、甘美なる死の誘惑。
その先に求めた生、災厄の箱に残ったものは
戦車と一体化し、戦い続ける宿命。
愛だけが、か細い未来を照らし出す。
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる