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Ⅳ 王政復古
第27話 いざ
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黙って身を引けない。こちらは大勢の人質の死が迫ってるんだ。引けるわけがない。
「やり方なんて分かるわけないじゃない」
せいらが強く言い切った。若干胸を突き出してふんぞり返っている。
「誰も彼もそんなの、分かるわけない。それを今から考えても良太たちの処刑に遅すぎる。だったら北区に今すぐに行きましょう!」
せいらは覚悟を決めた表情で立ち上がった。突然の言動に誰もが目を見張る。ただ、守人は「あらら」と笑っているのみ。
「ちょ、ちょっとまってせいら! 落ち着いて」
僕はせいらの服にしがみついて座らせようとするも、せいらはゴミを見るような眼差しで足蹴した。
「落ち着いてるつーの。逆に時間が迫ってきているのに落ち着けるかつーの」
「そうなればすぐに北区の守人に連絡しますね!」
パン、と手を叩いて陽気に笑った守人。白衣に手を突っ込み懐から白い紙を取り出しそれに何かを書きかけた。それを終えると小さくたたんで立ち上がった。和室の窓のほうへ。窓を開けて小さくたたんだ紙を天へあげた。すると、鳩がバサバサ飛んできてその紙を咥え立ち去る。
「さっ。もう連絡しました。いざ北区へ」
守人がトントン拍子で事を進めたせいで、こちらは何も理解が追いつかない。特に王様は唖然と呆然と愕然とでわなわな体が震えている。
「なっにしてんだ! こっちはまだ〝出来る〟か〝やるか〟の選択肢でこいつらを脅してんのに。それに北区に向かった所でもう遅い! 捕まった奴らはどう足掻いても処刑される」
王様は飛び跳ねるように立ち上がり守人に詰め寄った。守人は動ずることなく飄々としている。王様はギリと奥歯を噛んだ。顔が歪む。
「かつて、あなた様の先代の更に先代の王様が地球の民に物資を届けようと国民に声をかけました。その頃、完全に貴族体制でありながらそのお声はエデン全体まで広がり、エデンの民殆どが肩を持ちました。それまで、物資を届けなかった貴族が折り曲げ物資を届けることになったのです。お分かりですか? 声をかけただけで、数多の民があなたに振り向く。そして新たなルールを徹したのです」
守人は大真面目な顔。睨みつけているのと似ている。王様は「知るかよ」と悪態ついた。執事の男性が廊下からこちらへ顔を上げた。
「坊ちゃん、お客様、車の用意しました」
「オレは行かないぞ!」
王様はふんぞり返って再びソファーの上にドカと座る。けど、執事の男性が強引に引っ張る。
「もう手配しております。行きますよ坊ちゃんっ‼」
「あわわ引っ張るなっ‼」
ズルズルと主を引っ張る。王様はジタバタと藻掻いても廊下まで引っ張られると流石にわかったのか自分の足で立って歩き出した。執事の男性の手を弾きその人より前に歩く。ギロリと睨む。
僕らはその後ろを歩くしか。
そして家を出ると高級そうな車が門の前にスタンバイしていた。僕らは眼球が飛び出、口をあんぐり。だってこの世で見たことないピカピカの新車で無駄に細長くて高級感溢れる車見たことない。
呆然としている僕らの反応を見て気を良くしたのか王様は素直に乗った。僕らも垂直立てしてる場合じゃない。慌てて乗ると車の中を見て、腰を抜かす。
人が余裕で10人ほど入れるほど広くて天井にはダイヤモンドが照明となっている。座席がふかふかで体が沈む。
「うひょー‼」
嵐がふかふかの座席に座ってバタバタ暴れた。
「子供か! おとなしくしなさい!」
せいらが叫んだ。
「お前らうるさい」
自分たちより子供の王様にそう言われるほど。車内は蜂の巣を突いた騒動で王様も呆れるている。下民の僕らからしたらこんな高級な車に見るだけでも興奮するのに乗っているんだから、尚更興奮して夜なのに元気いっぱい。守人は車に乗らない。ここまでだという顔している。
守人は「絶対」に他の区域に行けない。行ったらどうなるのか、もしかしたら他の区域に足を突っ込めば死ぬ呪いでもかかっているのか守人たちだけのそのルールは他の人にはわからない。
守人を置いて車は発進。
運転席から「飛ばします」と言う声が聞こえるや体ががくん、と背もたれにもたれた。車がいきなりスピードをあげたからだ。少し屈んで立っていたせいらが尻もちついたように背もたれにもたれる。
王様は特別な席に座っており、やや静かになった空間で鼻で笑った。下民はこれだから、という嘲笑いも含まれている。
最初こそは揺れに体が響いてたが、数分で慣れ、車内でお喋りできることも。水を売ったように静かだったのがものの数分で騒がしくなり王様は、機嫌が悪くなる。貧乏ゆすりまでして。
「オレが行ってどうすんだよ」
イライラを隠せない表情。
ちっと舌打ち。
「観衆の目の前にお立ちしてください。それだけで空気が変わります」
運転席から優しいアドバイスが。
ケッ、と舌打ちする。
なんでこんな、とぶつぶつと文句を言って首をうなだれる。貧乏ゆすりだと思っていたがよく見てみれば自分で自分の体を抱きしめるように腕を交差している。微かにその体が震えていた。
この子の意見ずっと実は聞いてなかった。〝今更王族が観衆の目の前に現れても何も変わらない〟と。ずっと言い張っていた。
それなのに、こんな無茶振りなこと。
「ごめんね」
ポツリとつぶやくとギロリと睨まれた。蛇のように獲物を狙う目だ。王様は車に入ってから一言も交わさなかった。せいらと嵐は最初こそ騒がしかったものの南区域の門を通過すると徐々に静かになっていき、執事の男性が気を遣って後ろのボイスから音楽を流した。
バイオリンとその他の楽器(よく知らない)が奏でるメロディ。旋律で聞いていて心地いい。
「やめろ」
王様がピシャリと言った。すぐに音楽がストップ。心地良かったのに。
「この音楽何処か心地いいんだ。こぉれだから下民は‼ これは戦争で親愛なる夫妻が別れる切ない音楽だ。どうしてこんなタイミングでこんなの流すんだ、馬鹿じゃないのか⁉」
王様は運転席にいる男性に向かって怒声を浴びせた。失礼、とペコリと頭を下げる。
「よく知ってんね」
僕は感無量になって話しかけた。
「こんなの、教わるだろ。下民にはそんな知識もないが」
鼻で笑ってふんぞり返る。なぜだろう。少しだけ機嫌が良くなった気がする。良くしてからか、王様はぽつりと口を開いた。
「そこに立って何かが変わるならとっくに変わっているさ。それまでのものを壊すことはそれまで抱いていた夢も野望もぶち壊すことになる」
顔は見えなかった。顔をずっとそらしてぽつりと小さく切なく言った。どんな表情しているのか分からない。
南区域の門を通過すると北区に入り、北区の街並みを通っていく。懐かしいような、また戻ってきたんだという複雑な感情。北区の街並みを窓越しで見た王様がすっと目を細めた。
「北区は貴族が中心で回っている。だからここには人を殺める装備や設備がある。あの処刑台だって見たくなかった」
夜の町並み。それでも明かりが灯っていて光が当たるたびにギロチンの刃を鋭く光っていた。南地区の繁華街の光よりここは割と穏やかだ。
賑わう繁華街じゃないから人の数も少ないし、街中にあるのは物騒な処刑台がたくさんある。貴族が中心にある北区はどの地区より物騒だと言う。
「明保野さんは大丈夫かな」
ぽつりと呟いた。
ここに戻ってきたことは、彼女がいる場所へと戻ってきたんだ。明保野さんはここに残って貴族たちを沈めてくれた。明保野さんとすぐに合流したい。
「そういえば、少しだけ穏やかになっているよね。あーちゃんがなんとかしてくれたのかな」
せいらが窓の外を眺めほっと、安堵した表情。
昼間は荒れて銃を持ったロボットや役職が彷徨いてて、いつ殺されるかヒヤヒヤした。昼間のような血の気の香りは微塵もない。
静寂でまるで、嵐が過ぎ去ったような静けさだ。いいや違う。これから始まるパレードの準備中だ。待ちに待った処刑というなの娯楽が明日あり、そのために人々は早くうちに帰って寝ている。だから静かなんだ。
明保野さんはあれからたった1人であの凄惨をどうやって沈めたのか分からない。守人という立場が貴族よりも凄いのはわかった。実感が湧かないだけ。
処刑される人を助けるため、でも深夜に回った時刻であり舞台だけが揃って役者は誰1人いなかった。なので車は人気のない場所へ止める。
「たく、守人め急かしやがって」
王様は呆れて懐からゲーム機を取り出した。スグサマゲームをやりだしてタイピングのように指を動かす仕草を見て、僕らはどうするか悩んだ。何をどうすればいいのか。
すると、コンコンと窓を叩く音が。僕の窓の外からだ。姿形しか分からない。服は白衣で巫女服。窓が幕のように降りてきて、そこから顔を覗かせたのはさっき、噂していた彼女だった。
「やり方なんて分かるわけないじゃない」
せいらが強く言い切った。若干胸を突き出してふんぞり返っている。
「誰も彼もそんなの、分かるわけない。それを今から考えても良太たちの処刑に遅すぎる。だったら北区に今すぐに行きましょう!」
せいらは覚悟を決めた表情で立ち上がった。突然の言動に誰もが目を見張る。ただ、守人は「あらら」と笑っているのみ。
「ちょ、ちょっとまってせいら! 落ち着いて」
僕はせいらの服にしがみついて座らせようとするも、せいらはゴミを見るような眼差しで足蹴した。
「落ち着いてるつーの。逆に時間が迫ってきているのに落ち着けるかつーの」
「そうなればすぐに北区の守人に連絡しますね!」
パン、と手を叩いて陽気に笑った守人。白衣に手を突っ込み懐から白い紙を取り出しそれに何かを書きかけた。それを終えると小さくたたんで立ち上がった。和室の窓のほうへ。窓を開けて小さくたたんだ紙を天へあげた。すると、鳩がバサバサ飛んできてその紙を咥え立ち去る。
「さっ。もう連絡しました。いざ北区へ」
守人がトントン拍子で事を進めたせいで、こちらは何も理解が追いつかない。特に王様は唖然と呆然と愕然とでわなわな体が震えている。
「なっにしてんだ! こっちはまだ〝出来る〟か〝やるか〟の選択肢でこいつらを脅してんのに。それに北区に向かった所でもう遅い! 捕まった奴らはどう足掻いても処刑される」
王様は飛び跳ねるように立ち上がり守人に詰め寄った。守人は動ずることなく飄々としている。王様はギリと奥歯を噛んだ。顔が歪む。
「かつて、あなた様の先代の更に先代の王様が地球の民に物資を届けようと国民に声をかけました。その頃、完全に貴族体制でありながらそのお声はエデン全体まで広がり、エデンの民殆どが肩を持ちました。それまで、物資を届けなかった貴族が折り曲げ物資を届けることになったのです。お分かりですか? 声をかけただけで、数多の民があなたに振り向く。そして新たなルールを徹したのです」
守人は大真面目な顔。睨みつけているのと似ている。王様は「知るかよ」と悪態ついた。執事の男性が廊下からこちらへ顔を上げた。
「坊ちゃん、お客様、車の用意しました」
「オレは行かないぞ!」
王様はふんぞり返って再びソファーの上にドカと座る。けど、執事の男性が強引に引っ張る。
「もう手配しております。行きますよ坊ちゃんっ‼」
「あわわ引っ張るなっ‼」
ズルズルと主を引っ張る。王様はジタバタと藻掻いても廊下まで引っ張られると流石にわかったのか自分の足で立って歩き出した。執事の男性の手を弾きその人より前に歩く。ギロリと睨む。
僕らはその後ろを歩くしか。
そして家を出ると高級そうな車が門の前にスタンバイしていた。僕らは眼球が飛び出、口をあんぐり。だってこの世で見たことないピカピカの新車で無駄に細長くて高級感溢れる車見たことない。
呆然としている僕らの反応を見て気を良くしたのか王様は素直に乗った。僕らも垂直立てしてる場合じゃない。慌てて乗ると車の中を見て、腰を抜かす。
人が余裕で10人ほど入れるほど広くて天井にはダイヤモンドが照明となっている。座席がふかふかで体が沈む。
「うひょー‼」
嵐がふかふかの座席に座ってバタバタ暴れた。
「子供か! おとなしくしなさい!」
せいらが叫んだ。
「お前らうるさい」
自分たちより子供の王様にそう言われるほど。車内は蜂の巣を突いた騒動で王様も呆れるている。下民の僕らからしたらこんな高級な車に見るだけでも興奮するのに乗っているんだから、尚更興奮して夜なのに元気いっぱい。守人は車に乗らない。ここまでだという顔している。
守人は「絶対」に他の区域に行けない。行ったらどうなるのか、もしかしたら他の区域に足を突っ込めば死ぬ呪いでもかかっているのか守人たちだけのそのルールは他の人にはわからない。
守人を置いて車は発進。
運転席から「飛ばします」と言う声が聞こえるや体ががくん、と背もたれにもたれた。車がいきなりスピードをあげたからだ。少し屈んで立っていたせいらが尻もちついたように背もたれにもたれる。
王様は特別な席に座っており、やや静かになった空間で鼻で笑った。下民はこれだから、という嘲笑いも含まれている。
最初こそは揺れに体が響いてたが、数分で慣れ、車内でお喋りできることも。水を売ったように静かだったのがものの数分で騒がしくなり王様は、機嫌が悪くなる。貧乏ゆすりまでして。
「オレが行ってどうすんだよ」
イライラを隠せない表情。
ちっと舌打ち。
「観衆の目の前にお立ちしてください。それだけで空気が変わります」
運転席から優しいアドバイスが。
ケッ、と舌打ちする。
なんでこんな、とぶつぶつと文句を言って首をうなだれる。貧乏ゆすりだと思っていたがよく見てみれば自分で自分の体を抱きしめるように腕を交差している。微かにその体が震えていた。
この子の意見ずっと実は聞いてなかった。〝今更王族が観衆の目の前に現れても何も変わらない〟と。ずっと言い張っていた。
それなのに、こんな無茶振りなこと。
「ごめんね」
ポツリとつぶやくとギロリと睨まれた。蛇のように獲物を狙う目だ。王様は車に入ってから一言も交わさなかった。せいらと嵐は最初こそ騒がしかったものの南区域の門を通過すると徐々に静かになっていき、執事の男性が気を遣って後ろのボイスから音楽を流した。
バイオリンとその他の楽器(よく知らない)が奏でるメロディ。旋律で聞いていて心地いい。
「やめろ」
王様がピシャリと言った。すぐに音楽がストップ。心地良かったのに。
「この音楽何処か心地いいんだ。こぉれだから下民は‼ これは戦争で親愛なる夫妻が別れる切ない音楽だ。どうしてこんなタイミングでこんなの流すんだ、馬鹿じゃないのか⁉」
王様は運転席にいる男性に向かって怒声を浴びせた。失礼、とペコリと頭を下げる。
「よく知ってんね」
僕は感無量になって話しかけた。
「こんなの、教わるだろ。下民にはそんな知識もないが」
鼻で笑ってふんぞり返る。なぜだろう。少しだけ機嫌が良くなった気がする。良くしてからか、王様はぽつりと口を開いた。
「そこに立って何かが変わるならとっくに変わっているさ。それまでのものを壊すことはそれまで抱いていた夢も野望もぶち壊すことになる」
顔は見えなかった。顔をずっとそらしてぽつりと小さく切なく言った。どんな表情しているのか分からない。
南区域の門を通過すると北区に入り、北区の街並みを通っていく。懐かしいような、また戻ってきたんだという複雑な感情。北区の街並みを窓越しで見た王様がすっと目を細めた。
「北区は貴族が中心で回っている。だからここには人を殺める装備や設備がある。あの処刑台だって見たくなかった」
夜の町並み。それでも明かりが灯っていて光が当たるたびにギロチンの刃を鋭く光っていた。南地区の繁華街の光よりここは割と穏やかだ。
賑わう繁華街じゃないから人の数も少ないし、街中にあるのは物騒な処刑台がたくさんある。貴族が中心にある北区はどの地区より物騒だと言う。
「明保野さんは大丈夫かな」
ぽつりと呟いた。
ここに戻ってきたことは、彼女がいる場所へと戻ってきたんだ。明保野さんはここに残って貴族たちを沈めてくれた。明保野さんとすぐに合流したい。
「そういえば、少しだけ穏やかになっているよね。あーちゃんがなんとかしてくれたのかな」
せいらが窓の外を眺めほっと、安堵した表情。
昼間は荒れて銃を持ったロボットや役職が彷徨いてて、いつ殺されるかヒヤヒヤした。昼間のような血の気の香りは微塵もない。
静寂でまるで、嵐が過ぎ去ったような静けさだ。いいや違う。これから始まるパレードの準備中だ。待ちに待った処刑というなの娯楽が明日あり、そのために人々は早くうちに帰って寝ている。だから静かなんだ。
明保野さんはあれからたった1人であの凄惨をどうやって沈めたのか分からない。守人という立場が貴族よりも凄いのはわかった。実感が湧かないだけ。
処刑される人を助けるため、でも深夜に回った時刻であり舞台だけが揃って役者は誰1人いなかった。なので車は人気のない場所へ止める。
「たく、守人め急かしやがって」
王様は呆れて懐からゲーム機を取り出した。スグサマゲームをやりだしてタイピングのように指を動かす仕草を見て、僕らはどうするか悩んだ。何をどうすればいいのか。
すると、コンコンと窓を叩く音が。僕の窓の外からだ。姿形しか分からない。服は白衣で巫女服。窓が幕のように降りてきて、そこから顔を覗かせたのはさっき、噂していた彼女だった。
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