1 / 51
Ⅰ 約束
第1話 約束
しおりを挟む
親が寝静まった深夜の時間。街には、お酒に溺れた人たちが祭りのように騒いでいる。ポツンポツンと街に光があれど、遠くの景色は闇に溶け込んでいる。
朝になればそこには色がついているのに、夜になれば景色さえも沈黙する。
「空、太陽、早く来いよっ‼」
「嵐、声がでかい!」
「待って二人とも!」
親が寝静まった時間帯、今日は快晴で星空が見れる日だ。親にバレないように家を出て幼馴染僕含め二人と外の世界に飛び出した。
「今日は絶好調だな。星が見れる」
上を見上げながら太陽が大空に向かって腕を伸ばした。星を掴むように指先を動かす。
「今日は毒素が薄い日だって母ちゃん言ってた」
嵐が望遠鏡をくるくるさせながら言う。
「嵐、それ僕の。絶対壊さないでよね」
僕は嵐に望遠鏡をぶん取られたことを気にしてキツく言った。
「わかってるわかってる」
それでも嵐は軽く流した。
ちょっと口調キツめなのわかっているのに嵐はそんなもの気にも止めない。
望遠鏡を持って僕らは、この街で一番景色を見渡せる高台に登っていた。親の目を盗んで、かつ、治安を守るために警備しているロボットたちの目を盗んでる。
酒屋でお祭り騒ぎのおじちゃんたちの声がだんだんと遠のく。街の光もだんだんと消えて、見渡す景色は闇夜になる。
持っている懐中電灯はたった一つ。
一つだけじゃ足りなくなってきた。もう一つ持ってこようか、と思っても引き返したらロボットに捕まるので無謀なことはしない。
足元は硝子や瓦礫があるので、懐中電灯は常に足元を照らしている。そして常に僕ら三人はくっついて歩いている。
高台に登りきり、望遠鏡をセットする。
僕と太陽がセットして、嵐はそれを待っている。セットするとすぐに我先に嵐が割り込んできて、望遠鏡を覗く。
これは決まっての行動なので太陽も僕も怒らない。幼馴染ゆえに慣れてしまった。
「おー見える見える」
「エデンが?」
「エデンは常に見えるじゃん。それより、火星は見える?」
「おい押すなよ。さっき見た星が綺麗だったのに」
「だったら見せろ」
さっきから嵐ばっかでちっとも見れない。僕だって覗きたいのに。いてもたってもいられず、嵐を蹴って今度は望遠鏡を覗けた。嵐が「バカ」だの「いしゃりょう」だの言われるがこっちは無視だ。さっきの仕返しだ。
太陽は僕らのやり取りをまるで、母親のような眼差しで微笑んでいた。
望遠鏡から覗く闇夜の浮かぶ星は、いつも見る星よりなんだか、とても輝いていた。いつもの空は見渡すばかりなのに、望遠鏡になると、空が狭くなる。でも狭くなった分より数多くの星が見れる。
大昔の人が星と星を繋ぎ合わせれば星座になると語っていた。僕ら幼馴染は性格は不一致なのに星が好きという、趣味嗜好を持っている。だから僕らは、大昔の人がまとめた星座の本をいくつも読んで、読みあさって、ちゃんと勉強してきた。
「あれはアンドロメダ……か?」
「いっぱいあって区別つかん」
「あれは間違いないよ。この風とこの方向性から考えるとあれはアンドロメダ」
僕と嵐が頭を悩ませると、一番秀才な太陽が優しく教えてくれた。星を指さして結びつけるかのような動作をする。ほんとに同い年かて思う知識が頭の中に入っている。
「夏の大三角形見つけようぜ」
嵐がキラキラした眼差しで提案してきた。
「いま夏じゃないよ。見れないよ」
僕がそう言っても、望遠鏡を振り回して見つける、と声を荒らげる。
「季節関係なく見れるよ」
太陽がくすくす苦笑しながら言った。
「地球から見れないけど、星は必ずそこにある。宇宙があって、そこでずっと輝いているんだ。ただ〝隠れてる〟だけさ」
太陽は恍惚とした表情で見上げた。嵐は舌を出す。
「おい太陽、それ、結局は見れないてことじゃん」
「そうとも言うね」
嵐は太陽に「バカ」と愚痴る。
僕らはそれから、地面に横になり肉眼でも見える星を繋ぎ合わせて、星座を形どっていた。
夜空に数え切れないほどの星。これが見れるのは稀で、普段は分厚い雲のせいで月さえも見上げない。工場から吹き荒れるガスと汚染、海から流れ込む毒素の煙のせいで普段は空が見渡せないのだ。
今日は運が良く快晴。
こんな日も生きていたらあるもんだ。
そして、こんな日はもっと凄いものが見える。星と月、それからエデンという惑星。月よりも大きな、月の背後にある惑星。
地球から見ればその惑星は青か白に見える。その惑星はこの汚染物質から逃げた高級貴族たちが住んでいる。選ばれた人間しか住めない場所。
噂によると、空気は綺麗で食べ物は腐っていない。家電製品は使えるし、毎日美味しいものを食べれる場所だと。
「行きてぇなぁ~」
嵐がため息混じりに大きく言った。
「嵐、さっきから声が大きい。ロボットがきたらどうすんだ」
僕がしっ、と人差し指を唇に翳して注意する。嵐はツーンとしている。
「俺もだ。行こう。あの星に三人で」
太陽が見たことないほどキラキラした眼差しで告げた。太陽が自分から「何かをしたい」なんて口に出さない。だからこそ、この発言は僕と嵐にとって初めて太陽が見せた「やりたいこと」そして、それを成し遂げようと誓った。
「あぁ、行こう。あの場所に」
僕らは指切りを交わした。
何よりも大事な幼馴染と交わした約束が、これが最初で最後になるなんて誰も知る由もない。
§
それから数日後、エデンから配給が来た。時々降りてくるエデンからの恵み。月一しかない。食べ物だったり、文具だったり、家庭用品だったり、色々助かっている。
もちろん、人は祭りのように群がる。あっという間に押されて物はなくなることも。だからこれは早い者勝ち。諦めたら負け、これも生きるための力だ。
人の波に押されながらもなんとか、取ったものは星座図鑑だ。また親から「せめて家庭用品にしろ」とこっぴどく叱られるかもしれないが、僕にとってこれは人生で一番必要なのだ。
星座図鑑を手に抱えて太陽と嵐と合流した。
「二人とも、何を……――」
「しっ‼」
二人は物陰に隠れてコソコソしていた。険しい表情を向けてくる。何をしているのかと思いきや、配給する宇宙船をじっと見ていた。エデンの住民は降りてこない。いつもそう。
だからロボットが監視役。僕らと同じ身長のロボットが数台周りをうろちょろしている。目元がパンダみたいに黒で怪しい人間を見つけると途端に赤ラインが入って、ブザーがなる。仲間を呼ぶ音。この音は頭が割れるくらいけたましいから嫌いだ。
「乗り組むぞ」
「は⁉」
「タイミングを見張るから」
「うぇ⁉」
嵐と太陽は本気の顔していた。文句言っても引き下がらない。でも僕も少しだけ興味があったんだ。あの船に。
あれに乗れば、エデンにたどり着く。
三人の交わしたあの約束を果たすチャンスだ。太陽がロボットがいないかタイミングを見て合図を送る。僕らは全速力で船に乗り込んだ。
船の中は思ったより狭かった。コンテナが敷き詰められてて、空になったゴミもある。あの量を配給して助かってるのに、事実は、半分はゴミと一緒に持ってきてて一気に悔しい感情がめばえた。
「うぉー‼」
嵐がガッツポーズを送った。
「早く奥に入ろう」
太陽が指差す。コンテナが天井まであって隠れるのに最適だ。太陽が真っ先にそこを見つけたので、太陽から先に入る。
その時だった。
金切り音が響きわたった。
頭が割れるほどの強烈さ。宇宙船の中は音が反響してこだましている。恐る恐る振り向くと出口先にロボットが数台集まっていた。赤いラインが入っている。
「げっ! 早速見つかっちまった!」
「奥へ行こうっ‼」
僕が嵐の腕を引っ張っても嵐はすぐに捕まってしまい、同時に僕も捕まった。外に放り投げられる。ロボットは拳銃を持っている。赤いラインがずっと続いていると攻撃態勢に入って、その拳銃を使う。子供、女関係なく撃つ。
僕らは必死に謝った。命乞いするかのように。
ロボットは顔を見合わせて銃を降ろした。それは、船がふわりと宙に浮いたからだ。開いた出口はゆっくり閉めガタン、と閉じていく。
「太陽は」
「しっ‼ いま名前出すと太陽が殺される」
船がエデンに戻っていく。ロボットたちはそれを見送る儀式がある。短い手で白旗をパタパタ降る。
「どうすんだ⁉ 太陽乗せたまま!」
嵐が血相を変える。太陽が乗っていることを知らせるために立ち上がる。引き止めなかった。
もう遅い。地上から離れ、もう見えなくなっている。船はスピードをあげてエデンに帰還しているんだ。太陽乗せたまま。
「太陽……」
その時、太陽を乗せた船と2隻の配給船がいきなり爆発した。
空にオレンジ色の光が見えて、唖然とした。
「た、太陽……太陽ぉぉぉぉぉぉ‼」
2隻の船は次々と空で爆発し、その破片が地上に落ちていく。
太陽を乗せた船は丸ごと爆破された。それは何故か、地球の民を受け付けないエデンの住民が地球の民が乗っていることに気づいて、船もろとも爆破した。乗っているのは小さな子供だということ知らない。知ろうともしない。
この出来事は、僕ら幼馴染の暗黙の触れてはいけない過去になった。あの日乗ろうと言ったのは嵐。約束を果たそうと結託したのは僕。重い十字架を背負っている。
朝になればそこには色がついているのに、夜になれば景色さえも沈黙する。
「空、太陽、早く来いよっ‼」
「嵐、声がでかい!」
「待って二人とも!」
親が寝静まった時間帯、今日は快晴で星空が見れる日だ。親にバレないように家を出て幼馴染僕含め二人と外の世界に飛び出した。
「今日は絶好調だな。星が見れる」
上を見上げながら太陽が大空に向かって腕を伸ばした。星を掴むように指先を動かす。
「今日は毒素が薄い日だって母ちゃん言ってた」
嵐が望遠鏡をくるくるさせながら言う。
「嵐、それ僕の。絶対壊さないでよね」
僕は嵐に望遠鏡をぶん取られたことを気にしてキツく言った。
「わかってるわかってる」
それでも嵐は軽く流した。
ちょっと口調キツめなのわかっているのに嵐はそんなもの気にも止めない。
望遠鏡を持って僕らは、この街で一番景色を見渡せる高台に登っていた。親の目を盗んで、かつ、治安を守るために警備しているロボットたちの目を盗んでる。
酒屋でお祭り騒ぎのおじちゃんたちの声がだんだんと遠のく。街の光もだんだんと消えて、見渡す景色は闇夜になる。
持っている懐中電灯はたった一つ。
一つだけじゃ足りなくなってきた。もう一つ持ってこようか、と思っても引き返したらロボットに捕まるので無謀なことはしない。
足元は硝子や瓦礫があるので、懐中電灯は常に足元を照らしている。そして常に僕ら三人はくっついて歩いている。
高台に登りきり、望遠鏡をセットする。
僕と太陽がセットして、嵐はそれを待っている。セットするとすぐに我先に嵐が割り込んできて、望遠鏡を覗く。
これは決まっての行動なので太陽も僕も怒らない。幼馴染ゆえに慣れてしまった。
「おー見える見える」
「エデンが?」
「エデンは常に見えるじゃん。それより、火星は見える?」
「おい押すなよ。さっき見た星が綺麗だったのに」
「だったら見せろ」
さっきから嵐ばっかでちっとも見れない。僕だって覗きたいのに。いてもたってもいられず、嵐を蹴って今度は望遠鏡を覗けた。嵐が「バカ」だの「いしゃりょう」だの言われるがこっちは無視だ。さっきの仕返しだ。
太陽は僕らのやり取りをまるで、母親のような眼差しで微笑んでいた。
望遠鏡から覗く闇夜の浮かぶ星は、いつも見る星よりなんだか、とても輝いていた。いつもの空は見渡すばかりなのに、望遠鏡になると、空が狭くなる。でも狭くなった分より数多くの星が見れる。
大昔の人が星と星を繋ぎ合わせれば星座になると語っていた。僕ら幼馴染は性格は不一致なのに星が好きという、趣味嗜好を持っている。だから僕らは、大昔の人がまとめた星座の本をいくつも読んで、読みあさって、ちゃんと勉強してきた。
「あれはアンドロメダ……か?」
「いっぱいあって区別つかん」
「あれは間違いないよ。この風とこの方向性から考えるとあれはアンドロメダ」
僕と嵐が頭を悩ませると、一番秀才な太陽が優しく教えてくれた。星を指さして結びつけるかのような動作をする。ほんとに同い年かて思う知識が頭の中に入っている。
「夏の大三角形見つけようぜ」
嵐がキラキラした眼差しで提案してきた。
「いま夏じゃないよ。見れないよ」
僕がそう言っても、望遠鏡を振り回して見つける、と声を荒らげる。
「季節関係なく見れるよ」
太陽がくすくす苦笑しながら言った。
「地球から見れないけど、星は必ずそこにある。宇宙があって、そこでずっと輝いているんだ。ただ〝隠れてる〟だけさ」
太陽は恍惚とした表情で見上げた。嵐は舌を出す。
「おい太陽、それ、結局は見れないてことじゃん」
「そうとも言うね」
嵐は太陽に「バカ」と愚痴る。
僕らはそれから、地面に横になり肉眼でも見える星を繋ぎ合わせて、星座を形どっていた。
夜空に数え切れないほどの星。これが見れるのは稀で、普段は分厚い雲のせいで月さえも見上げない。工場から吹き荒れるガスと汚染、海から流れ込む毒素の煙のせいで普段は空が見渡せないのだ。
今日は運が良く快晴。
こんな日も生きていたらあるもんだ。
そして、こんな日はもっと凄いものが見える。星と月、それからエデンという惑星。月よりも大きな、月の背後にある惑星。
地球から見ればその惑星は青か白に見える。その惑星はこの汚染物質から逃げた高級貴族たちが住んでいる。選ばれた人間しか住めない場所。
噂によると、空気は綺麗で食べ物は腐っていない。家電製品は使えるし、毎日美味しいものを食べれる場所だと。
「行きてぇなぁ~」
嵐がため息混じりに大きく言った。
「嵐、さっきから声が大きい。ロボットがきたらどうすんだ」
僕がしっ、と人差し指を唇に翳して注意する。嵐はツーンとしている。
「俺もだ。行こう。あの星に三人で」
太陽が見たことないほどキラキラした眼差しで告げた。太陽が自分から「何かをしたい」なんて口に出さない。だからこそ、この発言は僕と嵐にとって初めて太陽が見せた「やりたいこと」そして、それを成し遂げようと誓った。
「あぁ、行こう。あの場所に」
僕らは指切りを交わした。
何よりも大事な幼馴染と交わした約束が、これが最初で最後になるなんて誰も知る由もない。
§
それから数日後、エデンから配給が来た。時々降りてくるエデンからの恵み。月一しかない。食べ物だったり、文具だったり、家庭用品だったり、色々助かっている。
もちろん、人は祭りのように群がる。あっという間に押されて物はなくなることも。だからこれは早い者勝ち。諦めたら負け、これも生きるための力だ。
人の波に押されながらもなんとか、取ったものは星座図鑑だ。また親から「せめて家庭用品にしろ」とこっぴどく叱られるかもしれないが、僕にとってこれは人生で一番必要なのだ。
星座図鑑を手に抱えて太陽と嵐と合流した。
「二人とも、何を……――」
「しっ‼」
二人は物陰に隠れてコソコソしていた。険しい表情を向けてくる。何をしているのかと思いきや、配給する宇宙船をじっと見ていた。エデンの住民は降りてこない。いつもそう。
だからロボットが監視役。僕らと同じ身長のロボットが数台周りをうろちょろしている。目元がパンダみたいに黒で怪しい人間を見つけると途端に赤ラインが入って、ブザーがなる。仲間を呼ぶ音。この音は頭が割れるくらいけたましいから嫌いだ。
「乗り組むぞ」
「は⁉」
「タイミングを見張るから」
「うぇ⁉」
嵐と太陽は本気の顔していた。文句言っても引き下がらない。でも僕も少しだけ興味があったんだ。あの船に。
あれに乗れば、エデンにたどり着く。
三人の交わしたあの約束を果たすチャンスだ。太陽がロボットがいないかタイミングを見て合図を送る。僕らは全速力で船に乗り込んだ。
船の中は思ったより狭かった。コンテナが敷き詰められてて、空になったゴミもある。あの量を配給して助かってるのに、事実は、半分はゴミと一緒に持ってきてて一気に悔しい感情がめばえた。
「うぉー‼」
嵐がガッツポーズを送った。
「早く奥に入ろう」
太陽が指差す。コンテナが天井まであって隠れるのに最適だ。太陽が真っ先にそこを見つけたので、太陽から先に入る。
その時だった。
金切り音が響きわたった。
頭が割れるほどの強烈さ。宇宙船の中は音が反響してこだましている。恐る恐る振り向くと出口先にロボットが数台集まっていた。赤いラインが入っている。
「げっ! 早速見つかっちまった!」
「奥へ行こうっ‼」
僕が嵐の腕を引っ張っても嵐はすぐに捕まってしまい、同時に僕も捕まった。外に放り投げられる。ロボットは拳銃を持っている。赤いラインがずっと続いていると攻撃態勢に入って、その拳銃を使う。子供、女関係なく撃つ。
僕らは必死に謝った。命乞いするかのように。
ロボットは顔を見合わせて銃を降ろした。それは、船がふわりと宙に浮いたからだ。開いた出口はゆっくり閉めガタン、と閉じていく。
「太陽は」
「しっ‼ いま名前出すと太陽が殺される」
船がエデンに戻っていく。ロボットたちはそれを見送る儀式がある。短い手で白旗をパタパタ降る。
「どうすんだ⁉ 太陽乗せたまま!」
嵐が血相を変える。太陽が乗っていることを知らせるために立ち上がる。引き止めなかった。
もう遅い。地上から離れ、もう見えなくなっている。船はスピードをあげてエデンに帰還しているんだ。太陽乗せたまま。
「太陽……」
その時、太陽を乗せた船と2隻の配給船がいきなり爆発した。
空にオレンジ色の光が見えて、唖然とした。
「た、太陽……太陽ぉぉぉぉぉぉ‼」
2隻の船は次々と空で爆発し、その破片が地上に落ちていく。
太陽を乗せた船は丸ごと爆破された。それは何故か、地球の民を受け付けないエデンの住民が地球の民が乗っていることに気づいて、船もろとも爆破した。乗っているのは小さな子供だということ知らない。知ろうともしない。
この出来事は、僕ら幼馴染の暗黙の触れてはいけない過去になった。あの日乗ろうと言ったのは嵐。約束を果たそうと結託したのは僕。重い十字架を背負っている。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
我ら新興文明保護艦隊
ビーデシオン
SF
もしも道行く野良猫が、百戦錬磨の獣戦士だったら?
もしも冴えないサラリーマンが、戦争上がりのアンドロイドだったら?
これは、実際にそんな空想めいた素性をもって、陰ながら地球を守っているエージェントたちのお話。
※表紙絵はひのたけきょー(@HinotakeDaYo)様より頂きました!


虚界生物図録
nekojita
SF
序論
1. 虚界生物
界は、生物学においてドメインに次いで2番目に高い分類階級である。古典的な生物学ではすべての生物が六界(動物界、植物界、菌界、原生生物界、古細菌界、細菌/真正細菌)に分類される。しかしこれらの「界」に当てはまらない生物も、我々の知覚の外縁でひそかに息づいている。彼らは既存の進化の法則や生態系に従わない。あるものは時間を歪め、あるものは空間を弄び、あるものは因果の流れすら変えてしまう。
こうした異質な生物群は、「界」による分類を受け付けない生物として「虚界生物」と名付けられた。
虚界生物の姿は、地球上の動植物に似ていることもあれば、夢の中の幻影のように変幻自在であることもある。彼らの生態は我々の理解を超越し、認識を変容させる。目撃者の証言には概して矛盾が多く、科学的手法による解析が困難な場合も少なくない。これらの生物は太古の伝承や神話、芸術作品、禁断の書物の中に断片的に記され、伝統的な科学的分析の対象とはされてこなかった。しかしながら各地での記録や報告を統合し、一定の体系に基づいて分析を行うことで、現代では虚界生物の特性をある程度明らかにすることが可能となってきた。
本図録は、こうした神秘的な存在に関する情報、観察、諸記録、諸仮説を可能な限り収集、整理することで、未知の領域へと踏み出すための道標となることを目的とする。
2. 研究の意義と目的
本図録は、初学者にも分かりやすく、虚界生物の不思議と謎をひも解くことを目的としている。それぞれの記録には、観察された異常現象や生態、目撃談、さらには学術的仮説までを網羅する。
各項は独立しており、前後の項目と直接の関連性はない。読者は必要な、あるいは興味のある項目だけを読むことができる。
いくつかの虚界生物は、人間社会に直接的、あるいは間接的に影響を及ぼしている。南極上空に黄金の巣を築いた帝天蜂は、巣の内部で異常に発達した知性と生産性を持つ群体を形成している。この巣の研究は人類の生産システムに革新をもたらす可能性がある。
カー・ゾン・コーに代表される、人間社会に密接に関与する虚界生物や、逆に復讐珊瑚のように、接触を避けるべき危険な存在も確認されている。
一方で、一部の虚界生物は時空や因果そのものを真っ向から撹乱する。逆行虫やテンノヒカリは、我々の時間概念に重大な示唆を与える。
これらの異常な生物を研究することは単にその生物への対処方法を確立するのみならず、諸々の根源的な問いに新たな視点を与える。本図録が、虚界生物の研究に携わる者、または未知の存在に興味を持つ者にとっての一助となることを願う。
※※図や文章の一部はAIを用いて作成されている。
※※すべての内容はフィクションであり、実在の生命、科学、人物、出来事、団体、書籍とは関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる