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Ⅲ 奪取の魔女
第51話 血祭り
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二度も躱され、攻撃が読まれてるのに気づく。やっぱり神様なんだな。でも神様だからって、人間を傷つけちゃだめでしょ。
『汝、罪深き末裔』
機械じみた声。
嘘でしょ。わたしの耳にもはっきり聞こえてる。その声に気を取られ、一瞬の隙を狙われた。
人間スタイルだったが、突如爪が巨大化し、わたしに襲い掛かってきた。わたしは後ろに退き、心臓を守るように聖剣でガード。
五本の爪は聖剣に当たり、爪でひっかく金切り音が轟く。力が強い。押されてる。ノルンが押し、わたしは後ろに後退していく。
このまま後ろに下がっていくと壁があり、逃げられない。どうにかして、維持しないと。
わたしは渾身の力を聖剣に込めた。
強くにぎりしめ、聖剣もそれに応えるために力が倍増する。
押されていたのが、だんだん押していくほうへ。ノルンは面を被っているので、表情は読み取れない。
『汝、誰か為に戦う』
「決まっている! 守りたい人を守るため!」
わたしの剣の押しに負け、ノルンは爪が折れた。金属を叩き割ったようにみたいに真っ二つ。
爪を負かした剣は、真っ直ぐにノルンの心臓へ。その刃が向かう。
聖剣の奥まで体を貫いた。ノルンは微動だにしない。かわりに、ポツリポツリ消え入りそうな声で、わたしにこう言った。
『汝、救えるものも決まっている。ヒトは犠牲なしして救えない』
分かっているよ。
助けるためには、犠牲がつきものだ。知ってる。一番知っている。
刃が貫かれたところから、サラサラと灰になっていく。風がふき灰が舞、空へ飛んでいった。
全身灰になり、全て風で飛ばされていく。身を隠していたリュウが、駆けつけてくれた。
「大丈夫か?」
「全然大丈夫!」
体力あるし、持久力もあるし、まだまだ大丈夫だよ。でも正直いって危なかった。さっきのが一匹だったからいいけど、あれが二~三匹になるともう太刀筋できない。
それに、これからはきをつけないと。
さっきのノルンはかなりのやり手。この他にもいるはずだ。こいつよりもやり手のやつが。そいつに遭遇したら、余裕ところもない。気を引き締めていかないと。
学校への道のりはまだまだ遠い。それに、最も人が多く集まっている神社ほうが心配だ。学校より先に神社に向かわないと。
シノもそこにいるだろう。
「西側にはいないな」
リュウがボソリと呟いた。
学校から見て、西側の街なみにわたしたちはいる。南西から走ってきたわたしたちは、西側の町並みに驚いた。安全なところなんて、ないのかもしれないと思ったからだ。
確かに。リュウの言う通り、西側にはノルンが集中していない。
建物の崩壊していない。街の人たちは安全な所を求めて、あらゆる場所から西側に集まっている。
「どうして西側にはいないの?」
疑問に訊くと、リュウはユグドラシルの樹を指差した。
「ユグドラシルの樹があるからだろう。ユグドラシルは、この世を支える最も大きな樹」
ユグドラシルの樹は、最も大きな樹。どこまでも根は伸びて、どこまでも支える。
天井を突き破っているように見えるけど、突き破っていたらわたしたちはとっくに、海の底。ユグドラシルの樹が分離して、天井の奥の世界まで支えている。
学校から遠い距離にあるのに、その樹は大きくて、どこでも見れる。世界を代表する大きな樹。
そのユグドラシルの周りにある場所だけは、襲撃していない。ユグドラシルを傷つけるのは、神たちも恐れているもかもしれない。
神社に近づくと、人の群れが他よりも集中している。怪我をしている者、膝を曲げて座り込んでいる者、逃げる人々。みんなパニックになって我よと、一目散に逃げていく。
階段のほうは人が覆い尽くされ、一人が転ぶと雪崩のように崩れてる。
大変だ。街の人たちの安全誘導もしないと。でも、魔女はノルンに集中してその隙はない。マドカ先輩だったら――マドカ先輩だったら、こんなとき、どうするだろうか。
決まっている。街の人々の誘導だ。
わたしとリュウは、パニックになった人々を安全なところへ。ここにくる道中、ノルンは西側はいなかった。西側にはユグドラシル近くにある。世界樹が守ってくれる。
西側に行けば、安全だ。だけど、その道のりが長い。ノルンが多い中、この数を誘導し守りきれるか。ご老体だったり、怪我をしている人が大勢いる。守りきってみせる。
守る価値があるの?
ナノカが涙ながらに問いかけたことの答えを、今ならはっきり言い返せる。守る価値は大いにある。価値なんて、図りきれない。
ノルンが現れて、祭りの会場が血の海に。赤黒い水溜りが大地に。
空き缶、片方しかない下駄、ゴミが会場に。荒れた場所になっている。
屋台はズタズタに崩れ、赤い炎で燃えている屋台もある。
煙と火薬、血と臓物の臭いが充満している。嗅覚がおかしくなって、そろそろ吐きそうだ。
街の人たちを西側へ。怪我をしているものには、応急処置。祭り会場をもっと奥まで進むと、ナズナ先輩たちと合流した。
ナズナ先輩、マナミ先輩が街の人々を守っていた。怪我をしているものには手当てをしてて、運んでいる。魔女は、この二人しかいない。シノの姿はない。スズカ先輩の姿も。
祭り会場では、もっといたのに。他の魔女たちは、ノルンを狩っている。わたしが現れると、二人はすごい剣幕で睨んできた。
「何処にいたの!?」
「こっちも手伝って!」
マナミ先輩の魔女具、一定の範囲の結界で守られているところに、怪我人、大勢の子どもたちが。怪我人はナズナ先輩の魔女具、治癒で何とかしている。
でも、それでも二人が追いつけないほど怪我人が増える一方。猫の手も借りたい状況。結界は楕円形で狭い。それでも、二人は守っていた。
わがままでお嬢様気取りする二人の評判は、学校内でも悪い。だけど、ひどい怪我をしている人にも慈悲を与える、根はいい人だって知っている。二人は切羽詰まった様子で、応急処置していた。
「西側に、ノルンはいなかったです!」
そう言うと、マナミ先輩は眉間にシワを寄せた。美少女の顔にしわが。
「どうして西側が? 見てきたの?」
わたしは、ここにくるまでの経緯を話した。マナミ先輩は暫く考えて、西側に行こうと。すぐにナズナ先輩も受け入れた。
このままじゃ、あたしたちも死ぬ、と。
「民間人の誘導と怪我人は任せて、あんたはノルンを狩って!」
ナズナ先輩が叫んだ。
怒っているに近い、真面目な表情。魔女具で応急処置していても、やはり返り血は飛んでくるようで、真っ白な肌に赤い血がついている。服にも。
「スズカは学校に向かった。白髪ちゃんもノルンを狩っている!」
マナミ先輩が楕円形の結界を拡散させて、叫んだ。二人とも、真剣な表情。
冗談を言えるような空気じゃなかった。そもそも、ノルンが大群攻めてきて、冗談なんか言える状況じゃない。
二人は、これが徹策だと考えてわたしをここに残らせた。
二人は大丈夫と言いきった。それを信じよう。あの二人は、マドカ先輩も信頼しているのだから。
楕円形の結界を一つ、二つ、拡散させてそれを集めて大きな巨大な結界に。この会場内を完全に覆っている。
結界内にノルンは入ってこれない。無理にこじ開けて入ってくるノルンを、わたしが斬る。
「西側で待っている!」
と二人と別れた。
でもわたしは、西側には行かない。これから学校に行くから。でも、二人は待っていると告げた。その言葉は、わたしの心を鼓舞させた。
スズカ先輩は、学校に向かっている。ウルド様を守るために。いや、違う。学校にいるマドカ先輩を守るために。
シノはこの会場の何処かにいるだろう。この会場じゃなくても、近くにいる。そんな気配がする。
あのとき遭遇した巨大ノルンが降ってきた。しかも三体。ダンゴムシのような形態。背中には硬い甲冑があり、前には触手がうねうね動いている。
異様な景色だ。
今更ながらに、宇宙空間で見るノルンが地上にいることに、異質を感じた。最も、このサイズのノルンを見て、一際思った。
けれど、弱点は知っている。首だ。
巨大ノルンが降ってこようが、弱点知っているなら話は早い。首に向かってジャンプをした。
大地を強く蹴って、建物も強く蹴って、背中に回り込んだ。宇宙空間じゃないから、ひとっ飛びはできない。そこにある、建物にも支えてくれないと、飛べない。
背中に回り込んだ直後、リュウが『まずい!』と焦った様子で叫んだ。
何がまずいの。弱点も知っているし、わたしのほうが有利のはず。でも気づいた。あのときはスズカ先輩が触手を氷で防いでいたから、首が斬れたんだ。けど今は一人。余裕綽々としていた。
触手に気づかないで、近づいてしまった
すぐ目の前に触手が。わたしの体を縛り付けた。首、腕、足、しかも服の中にも。
この触手には、嫌な思い出がある。腕を骨折された思い出。
縛りつけられたら、最後、この触手はタコの吸盤のように離さない。
『汝、罪深き末裔』
機械じみた声。
嘘でしょ。わたしの耳にもはっきり聞こえてる。その声に気を取られ、一瞬の隙を狙われた。
人間スタイルだったが、突如爪が巨大化し、わたしに襲い掛かってきた。わたしは後ろに退き、心臓を守るように聖剣でガード。
五本の爪は聖剣に当たり、爪でひっかく金切り音が轟く。力が強い。押されてる。ノルンが押し、わたしは後ろに後退していく。
このまま後ろに下がっていくと壁があり、逃げられない。どうにかして、維持しないと。
わたしは渾身の力を聖剣に込めた。
強くにぎりしめ、聖剣もそれに応えるために力が倍増する。
押されていたのが、だんだん押していくほうへ。ノルンは面を被っているので、表情は読み取れない。
『汝、誰か為に戦う』
「決まっている! 守りたい人を守るため!」
わたしの剣の押しに負け、ノルンは爪が折れた。金属を叩き割ったようにみたいに真っ二つ。
爪を負かした剣は、真っ直ぐにノルンの心臓へ。その刃が向かう。
聖剣の奥まで体を貫いた。ノルンは微動だにしない。かわりに、ポツリポツリ消え入りそうな声で、わたしにこう言った。
『汝、救えるものも決まっている。ヒトは犠牲なしして救えない』
分かっているよ。
助けるためには、犠牲がつきものだ。知ってる。一番知っている。
刃が貫かれたところから、サラサラと灰になっていく。風がふき灰が舞、空へ飛んでいった。
全身灰になり、全て風で飛ばされていく。身を隠していたリュウが、駆けつけてくれた。
「大丈夫か?」
「全然大丈夫!」
体力あるし、持久力もあるし、まだまだ大丈夫だよ。でも正直いって危なかった。さっきのが一匹だったからいいけど、あれが二~三匹になるともう太刀筋できない。
それに、これからはきをつけないと。
さっきのノルンはかなりのやり手。この他にもいるはずだ。こいつよりもやり手のやつが。そいつに遭遇したら、余裕ところもない。気を引き締めていかないと。
学校への道のりはまだまだ遠い。それに、最も人が多く集まっている神社ほうが心配だ。学校より先に神社に向かわないと。
シノもそこにいるだろう。
「西側にはいないな」
リュウがボソリと呟いた。
学校から見て、西側の街なみにわたしたちはいる。南西から走ってきたわたしたちは、西側の町並みに驚いた。安全なところなんて、ないのかもしれないと思ったからだ。
確かに。リュウの言う通り、西側にはノルンが集中していない。
建物の崩壊していない。街の人たちは安全な所を求めて、あらゆる場所から西側に集まっている。
「どうして西側にはいないの?」
疑問に訊くと、リュウはユグドラシルの樹を指差した。
「ユグドラシルの樹があるからだろう。ユグドラシルは、この世を支える最も大きな樹」
ユグドラシルの樹は、最も大きな樹。どこまでも根は伸びて、どこまでも支える。
天井を突き破っているように見えるけど、突き破っていたらわたしたちはとっくに、海の底。ユグドラシルの樹が分離して、天井の奥の世界まで支えている。
学校から遠い距離にあるのに、その樹は大きくて、どこでも見れる。世界を代表する大きな樹。
そのユグドラシルの周りにある場所だけは、襲撃していない。ユグドラシルを傷つけるのは、神たちも恐れているもかもしれない。
神社に近づくと、人の群れが他よりも集中している。怪我をしている者、膝を曲げて座り込んでいる者、逃げる人々。みんなパニックになって我よと、一目散に逃げていく。
階段のほうは人が覆い尽くされ、一人が転ぶと雪崩のように崩れてる。
大変だ。街の人たちの安全誘導もしないと。でも、魔女はノルンに集中してその隙はない。マドカ先輩だったら――マドカ先輩だったら、こんなとき、どうするだろうか。
決まっている。街の人々の誘導だ。
わたしとリュウは、パニックになった人々を安全なところへ。ここにくる道中、ノルンは西側はいなかった。西側にはユグドラシル近くにある。世界樹が守ってくれる。
西側に行けば、安全だ。だけど、その道のりが長い。ノルンが多い中、この数を誘導し守りきれるか。ご老体だったり、怪我をしている人が大勢いる。守りきってみせる。
守る価値があるの?
ナノカが涙ながらに問いかけたことの答えを、今ならはっきり言い返せる。守る価値は大いにある。価値なんて、図りきれない。
ノルンが現れて、祭りの会場が血の海に。赤黒い水溜りが大地に。
空き缶、片方しかない下駄、ゴミが会場に。荒れた場所になっている。
屋台はズタズタに崩れ、赤い炎で燃えている屋台もある。
煙と火薬、血と臓物の臭いが充満している。嗅覚がおかしくなって、そろそろ吐きそうだ。
街の人たちを西側へ。怪我をしているものには、応急処置。祭り会場をもっと奥まで進むと、ナズナ先輩たちと合流した。
ナズナ先輩、マナミ先輩が街の人々を守っていた。怪我をしているものには手当てをしてて、運んでいる。魔女は、この二人しかいない。シノの姿はない。スズカ先輩の姿も。
祭り会場では、もっといたのに。他の魔女たちは、ノルンを狩っている。わたしが現れると、二人はすごい剣幕で睨んできた。
「何処にいたの!?」
「こっちも手伝って!」
マナミ先輩の魔女具、一定の範囲の結界で守られているところに、怪我人、大勢の子どもたちが。怪我人はナズナ先輩の魔女具、治癒で何とかしている。
でも、それでも二人が追いつけないほど怪我人が増える一方。猫の手も借りたい状況。結界は楕円形で狭い。それでも、二人は守っていた。
わがままでお嬢様気取りする二人の評判は、学校内でも悪い。だけど、ひどい怪我をしている人にも慈悲を与える、根はいい人だって知っている。二人は切羽詰まった様子で、応急処置していた。
「西側に、ノルンはいなかったです!」
そう言うと、マナミ先輩は眉間にシワを寄せた。美少女の顔にしわが。
「どうして西側が? 見てきたの?」
わたしは、ここにくるまでの経緯を話した。マナミ先輩は暫く考えて、西側に行こうと。すぐにナズナ先輩も受け入れた。
このままじゃ、あたしたちも死ぬ、と。
「民間人の誘導と怪我人は任せて、あんたはノルンを狩って!」
ナズナ先輩が叫んだ。
怒っているに近い、真面目な表情。魔女具で応急処置していても、やはり返り血は飛んでくるようで、真っ白な肌に赤い血がついている。服にも。
「スズカは学校に向かった。白髪ちゃんもノルンを狩っている!」
マナミ先輩が楕円形の結界を拡散させて、叫んだ。二人とも、真剣な表情。
冗談を言えるような空気じゃなかった。そもそも、ノルンが大群攻めてきて、冗談なんか言える状況じゃない。
二人は、これが徹策だと考えてわたしをここに残らせた。
二人は大丈夫と言いきった。それを信じよう。あの二人は、マドカ先輩も信頼しているのだから。
楕円形の結界を一つ、二つ、拡散させてそれを集めて大きな巨大な結界に。この会場内を完全に覆っている。
結界内にノルンは入ってこれない。無理にこじ開けて入ってくるノルンを、わたしが斬る。
「西側で待っている!」
と二人と別れた。
でもわたしは、西側には行かない。これから学校に行くから。でも、二人は待っていると告げた。その言葉は、わたしの心を鼓舞させた。
スズカ先輩は、学校に向かっている。ウルド様を守るために。いや、違う。学校にいるマドカ先輩を守るために。
シノはこの会場の何処かにいるだろう。この会場じゃなくても、近くにいる。そんな気配がする。
あのとき遭遇した巨大ノルンが降ってきた。しかも三体。ダンゴムシのような形態。背中には硬い甲冑があり、前には触手がうねうね動いている。
異様な景色だ。
今更ながらに、宇宙空間で見るノルンが地上にいることに、異質を感じた。最も、このサイズのノルンを見て、一際思った。
けれど、弱点は知っている。首だ。
巨大ノルンが降ってこようが、弱点知っているなら話は早い。首に向かってジャンプをした。
大地を強く蹴って、建物も強く蹴って、背中に回り込んだ。宇宙空間じゃないから、ひとっ飛びはできない。そこにある、建物にも支えてくれないと、飛べない。
背中に回り込んだ直後、リュウが『まずい!』と焦った様子で叫んだ。
何がまずいの。弱点も知っているし、わたしのほうが有利のはず。でも気づいた。あのときはスズカ先輩が触手を氷で防いでいたから、首が斬れたんだ。けど今は一人。余裕綽々としていた。
触手に気づかないで、近づいてしまった
すぐ目の前に触手が。わたしの体を縛り付けた。首、腕、足、しかも服の中にも。
この触手には、嫌な思い出がある。腕を骨折された思い出。
縛りつけられたら、最後、この触手はタコの吸盤のように離さない。
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