折々再々

ハコニワ

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創造Ⅱ

第11話 理解

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 地上に人間と神様が一緒に暮らしている時代。殆どの神様は自分たちの住まう国を作っていたが、人間の世界がいいと一緒に住まう者もいる。
 ソレは世界を創造したといって、神界の最高神の地位を獲得。神々から崇拝されるが、ソレはすぐにその地位を捨てた。カオスから何も言われるまま自ら。
 ソレはその地位を捨て、地上や神界をプラプラしていた。まるで、広大な宇宙を旅していたときのように何かを探している。

 ソレと反対にヤミとヒカリは神界で共に過ごしていた。ソレと共にこの世界とより、長い間存在していたので最高神の地位。
 ソレと合わせて世界三大柱の数に入っていた。だが、ソレが自ら放棄したため、二大柱になっている。
「けっ。厄介者めが」
 ヤミが大きく舌打ちした。
「きっと事情があるんだよ」
 ヒカリはお茶を淹れている。残った二人は割と神界で満喫している。何もなかった時代より、崇拝され優遇された環境において二人は受け入れ、堪能していた。
「ねぇ、今度地上に行ってみない? 僕はヤミと行きたいな!」
「……そ」
 素っ気ない返事だが、行かないとは言っていない。ヒカリはそれをわかってニコリと笑った。
 二人は最高神でありながら、地上によく顔に出していた。それに対して追求する者もしばしば現れるようになってきた。それでも二人は止まらない。地上の景色を見るのが楽しみだった。
「ヤミ、僕ら、何処でも一緒だよ」
「あぁ。俺らは同じように作られた。対になるもの、一緒にいないとな」

§

 ある日太陽神からお茶会に招かれた。太陽神は朗らかな女性で子供のように無邪気な人。
「このお茶素敵じゃない?」
 トプトプと白いティーカップに紅茶を注ぐ。いい香りがする。心がホカホカするような。ここは太陽神がいつも使用している部屋。
「そうだね。ところで呼ばれたのは僕だけ?」
 いっぱいある椅子に僕しか座っていない。太陽神はニコリと笑って席についた。
「ええ。私、あなたとお話したくなりましたの」
 太陽神はいつも神々からも人間からも慕われている。話し相手なんて探さずともすぐに見つかる。どうして自分なのかを疑う。
「ヤミは?」
 何気なく聞いてみると、太陽神は不快な顔をした。分け隔てない太陽神様がたった一柱のみ不信を抱くなんて。ヒカリは怒りを抱いた。
「ヤミがいないなら、僕は必要ない。僕らは対になるもの。一緒にいなけりゃ意味がない。失礼する!」
 ヒカリはドカドカと足音を立てて出ていった。己自身の半身であるヤミを罵倒されたり、孤立させたりなんてもってのほか。憤怒。

 太陽神とこれから距離をとろう。ヒカリは決心した。
「太陽神とはどうだった?」
 ヤミが聞いてきた。
「別にたいした話じゃなかったよ」
 ヒカリは答えた。
「……もし、俺についてだったら、気にしなくていい」
 ヤミは頭の後ろをかいた。ヒカリはその仕草を見てクスリと笑う。ヤミは言葉足らずでそのせいで誤解されやすい。なんとか言葉を取り繕うと必死になって考えているとき、いつもやる仕草だ。
「平気だよ。ヤミについてだったとしても僕は君のこと裏切らない。信じて」
 穏やかにそう言うと、ヤミは少し照れた顔をした。黒い肌が赤くなっていて可愛い。
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