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二章 侵略者と訪問者
第30話 地球の食べ物
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オービットは、金城生徒会長に謝った。嫉妬で襲ったこと、許してほしいと。金城生徒会長は、すぐに許した。元々穏やかな性格もあって、すぐに許してくれた。そして、こんなことを言う。
「いいお茶がある。君も我が家に来るといい」
と。
オービットは素直に頷いた。
一件落着。
と、その言葉は早い。有ったことはたとえ、宇宙人でも消せない。割れた窓硝子、信号機はダスクの〈情報操作〉でなんとかなった。この事態は臨時ニュースで流れた。何者かのテロ行為だって、大袈裟に言う人も。警察もマスコミもきて学校は、閉鎖。一週間自宅待機。
「ニート暮らし良かったね」
コスモがにんまり笑った。
「そうだな。お前たちも当分は外行くなよ?」
「はぁ!? なんで」
スターがかっとなる。
「お袋たちも家にいるから。あんな事故あったし、心配させたくないだろ」
とそっけなく返すと、コスモは分かったと頷く。ここは相原家。学校は朝のホームルームもなしで帰宅。
ダスクも我が家にいる。真っ直ぐ金城家に帰るのかと思いきや、そのまま相原家に直行。その理由は、オービットの処分の下しだ。
オービットは、ずっと暗い表情していた。触覚がピクリとも動かない。今、サターン様たちと通信している。ダスクの持っているタブレットで。
宮殿みたいな真っ白い室内が最初に見えた。長い階段があり、大きな椅子に、小柄で華奢な女性が座っていた。そばにはギャラクシーが仕えている。
サターン様は厳しい表情していた。第一印象が優しくて、ほんとに女王なのかそれさえ、威厳を感じない気さくな女性だったせいで、厳しい表情しているのは初見だ。怒っているに近い。目をじっと瞑っている。
ダスクが報告する前に、目をすっと開けた。暗い瞳が深く漆黒。何も映っていない。コスモの瞳と似ている。けどこっちは怖い。本当に、その瞳の中に吸い込まれそうだ。
『オービット、わたしはとても失望しています。あなたに襲われた子が可哀想です。人を傷つけたら、その倍になって返ってくる。でも――その顔を見ると、もう十分返ってきたようですね。咎める必要はなかったようです』
サターン様の口調が穏やかに変わった。
オービットの顔を見て、ふっと静かに笑う。オービットの処分は階級取り下げで済まされた。
階級取り下げは、一番下っ端になった。侵略訓練で培ったものが消え、また一からやり直し。でもまた、訓練所に入って頑張ればまたやり直せる。オービットは星三つになるまで六年かかった。また六年費やせばいい。
宇宙人には、まだまだ時間がある。何度転んでも、立ち上がっていける。コスモたちの後釜はオービット以外いない。後輩はいるけど、他皆星二つで、三つの階級はいない。オービットが退けば、激しい後継者争いに巻き込まれるだろう。
オービットは最後に、地球の食べ物を食べてみたいと言った。そういえば、作ったものを食べてくれるところ、見たことないな。最後の晩餐だから、腕によりをかけてやる。
ハムカツを作っていると、横からコスモが涎を垂らしてやってきた。その視線の先は油の中でグツグツ湧いているカツを捉えている。もう食べる気になって。
「これはオービットのだぞ」
「私のは?」
「昼飯さっき食べただろ」
コスモの涎が油の中に入りそうなので、邪魔と押し退けた。でも、コスモの食欲は旺盛で俺の力を持ってしても一歩も動かない。仕方なく、コスモの分も作ってやる。それで満足したのかコスモは、キラキラした瞳で居間に戻っていった。戻っていったコスモを見て、はぁとため息つく。全く。なんであんな食いしん坊なんだ。
ハムカツをオービットの前に出すと、オービットは眉間にシワを寄せた。文句を言いたげな顔だ。文句を押し殺して、オービットは箸を持った。
一口サイズで切って恐る恐るそれを口にした。どう反応するのか、どんな感想言われるのか、俺も内心ヒヤヒヤ。スターもダスクもどんな反応するのか固唾を飲んで見守る。
ゆっくりそれを咀嚼すると、目を見開いた。
「美味しい」
口から漏れた言葉は、ほんのたった一言だった。でもそれでも、わっとなって俺たちは喜んだ。
言った本人は否定しない。無言でハムカツを食べた。その勢いは二日飲み食いもしていなかったような、ガッツのある勢いで、コスモの分まで余裕で食べれそうだ。
「オービット、それ、私の」
オービットが今度箸を進めてきたのはコスモの。コスモは寸前で箸で止めた。
「ごめんなさい。お腹がすいちゃって」
オービットは、苦笑して箸を退ける。コスモは勝った、とドヤ顔でハムカツを口にいれた。
「地球の食べ物も悪くない。見直してあげる」
箸を机に置き、顔を赤らめてそう言った。これは……褒めているのか?
最後の晩餐も済ませて、オービットは宇宙船に乗った。
「先輩方、迷惑をかけました。先輩方が地球を侵略しているとき、そのときは隣にいます! 絶対追いつきます! 見ててください!」
オービットは敬礼をしてニッと笑った。今日一番のいい顔で宣言。落第しても、オービットはそこから這い上がる、その活きを持っている。
それを聞いて、コスモたちは微笑んだ。涙ながらの別れじゃなくて、こんな、アットホームな感じの別れだからこそ良いのかもしれない。
「これから大変かもしれないけど、頑張って」
ダスクが言った。
オービットは敬礼したまま「はい!」と大きく返事する。ダスクが「ゆっくりして」と敬礼を解くと、オービットは従う。
スターとコスモも別れの挨拶を言って、だんだん、オービットの目はうるうるしだして涙が溢れそう。
「元気でな」
俺が言うと、ひゅと涙が引っ込んだ。やっぱり反応は変わっていない。
「てめぇこそ、今度合うときは奴隷だけどな。せいぜい生きているこった」
相変わらず悪口。全部いきなり変わることなんて出来るはずがない。オービットは少し考えてから、また口を開いた。
「今度は、いっぱい食べさせてよ。地球のもの」
ボソリとつぶやいた。
宇宙人は、地球のものを好んでくれてよかった。オービットは宇宙船に潜り、宇宙船がふわふわと宙に浮いた。
俺たちはいなくなるまで手を振る。宇宙船の蛍光のような、赤と青のランプがあってそれを交互に入れ替えている。まるで、さようならを言っているような。
宇宙船は、遥か遠い空の向こうへと消えていった。快晴の空だから遠くに飛んでもよく見える。でも小さくなっていき、ついには見えなくなった。
手を降っていた腕を戻す。
「わたしたち、簡単に地球侵略できそうにないから、早く追いつきそうね」
スターが微笑混じりに言った。
「確かに」
ダスクも否定しない。
きっと、宣言したとおりオービットは必ず地球に来るだろう。新たな侵略者として。それはいつか、もしかしたら近い未来かもしれない。オービットの成長に、俺も期待をした。
いやいや、なんで侵略される側が侵略する宇宙人の成長を期待してるんだ。オービットの場合、こいつらよりも手際良いぞ。ほんとに侵略されたらたまったもんじゃない。
オービットも帰ったし、俺たちはそれぞれゆっくりした。オービットが帰ったのを見計らったかのようにガーディアンも来て、相原家でまた、テレビゲームをする。騒がしいのがすっかり日常になった。
ガーディアンの三人は、オービットと遊ぶために来たと。でもさっき帰ったからな。帰ったことを告げると、アポロはしくしく泣いた。
宇宙人一匹が帰っていったからなのか、家にいる犬猫たちも安寧に過ごしている。居間にコスモたちがいても、気にしない猫が増えてきた。十五年いる老犬も、すっかり懐いてコスモたちが座っている横で横になっている。
一ヶ月待たずして、ダスクの家はすでに金城家と決まった。ダスクは昼間ここで遊びに来てるけど、決まった時間になると帰る。門限は特に決まっていない。なのに、決まった時間に帰る理由は、あの大型のテレビで好きな情報番組を見たいがため。
生徒会長とも割と話せるようになった。人間話してみないと分からないもんだな。割と話しが通じて、お互いの共通点が言い合える。そのお互いの共通点とは、宇宙人のことだ。
本来は、住む場所が違うんだよな。その共通点さえなければ、話すことも目も合わさない。生徒会長はずっと、明るい場所にいて俺は暗い場所にいた。
こうして話せるのは宇宙人がいるから。少し、宇宙人たちがいてほっとする。
オービットがいたころは、侵略活動を途中まで頑張っていたせいか、脱力するようにこの頃しない。相原家に集まってゲームしての食べての繰り返し。
侵略するなとは言わない。でも、いい加減俺の部屋で寝て食べてをやめてほしい。オービットが帰って二日。
「着いたかな?」
コスモが空を見上げた。小さな雲が転々と青い空に広がっている青空。穏やかな空気が窓から入ってくる。
「今頃、頑張ってるだろ」
俺はそっけなく返した。
「いいお茶がある。君も我が家に来るといい」
と。
オービットは素直に頷いた。
一件落着。
と、その言葉は早い。有ったことはたとえ、宇宙人でも消せない。割れた窓硝子、信号機はダスクの〈情報操作〉でなんとかなった。この事態は臨時ニュースで流れた。何者かのテロ行為だって、大袈裟に言う人も。警察もマスコミもきて学校は、閉鎖。一週間自宅待機。
「ニート暮らし良かったね」
コスモがにんまり笑った。
「そうだな。お前たちも当分は外行くなよ?」
「はぁ!? なんで」
スターがかっとなる。
「お袋たちも家にいるから。あんな事故あったし、心配させたくないだろ」
とそっけなく返すと、コスモは分かったと頷く。ここは相原家。学校は朝のホームルームもなしで帰宅。
ダスクも我が家にいる。真っ直ぐ金城家に帰るのかと思いきや、そのまま相原家に直行。その理由は、オービットの処分の下しだ。
オービットは、ずっと暗い表情していた。触覚がピクリとも動かない。今、サターン様たちと通信している。ダスクの持っているタブレットで。
宮殿みたいな真っ白い室内が最初に見えた。長い階段があり、大きな椅子に、小柄で華奢な女性が座っていた。そばにはギャラクシーが仕えている。
サターン様は厳しい表情していた。第一印象が優しくて、ほんとに女王なのかそれさえ、威厳を感じない気さくな女性だったせいで、厳しい表情しているのは初見だ。怒っているに近い。目をじっと瞑っている。
ダスクが報告する前に、目をすっと開けた。暗い瞳が深く漆黒。何も映っていない。コスモの瞳と似ている。けどこっちは怖い。本当に、その瞳の中に吸い込まれそうだ。
『オービット、わたしはとても失望しています。あなたに襲われた子が可哀想です。人を傷つけたら、その倍になって返ってくる。でも――その顔を見ると、もう十分返ってきたようですね。咎める必要はなかったようです』
サターン様の口調が穏やかに変わった。
オービットの顔を見て、ふっと静かに笑う。オービットの処分は階級取り下げで済まされた。
階級取り下げは、一番下っ端になった。侵略訓練で培ったものが消え、また一からやり直し。でもまた、訓練所に入って頑張ればまたやり直せる。オービットは星三つになるまで六年かかった。また六年費やせばいい。
宇宙人には、まだまだ時間がある。何度転んでも、立ち上がっていける。コスモたちの後釜はオービット以外いない。後輩はいるけど、他皆星二つで、三つの階級はいない。オービットが退けば、激しい後継者争いに巻き込まれるだろう。
オービットは最後に、地球の食べ物を食べてみたいと言った。そういえば、作ったものを食べてくれるところ、見たことないな。最後の晩餐だから、腕によりをかけてやる。
ハムカツを作っていると、横からコスモが涎を垂らしてやってきた。その視線の先は油の中でグツグツ湧いているカツを捉えている。もう食べる気になって。
「これはオービットのだぞ」
「私のは?」
「昼飯さっき食べただろ」
コスモの涎が油の中に入りそうなので、邪魔と押し退けた。でも、コスモの食欲は旺盛で俺の力を持ってしても一歩も動かない。仕方なく、コスモの分も作ってやる。それで満足したのかコスモは、キラキラした瞳で居間に戻っていった。戻っていったコスモを見て、はぁとため息つく。全く。なんであんな食いしん坊なんだ。
ハムカツをオービットの前に出すと、オービットは眉間にシワを寄せた。文句を言いたげな顔だ。文句を押し殺して、オービットは箸を持った。
一口サイズで切って恐る恐るそれを口にした。どう反応するのか、どんな感想言われるのか、俺も内心ヒヤヒヤ。スターもダスクもどんな反応するのか固唾を飲んで見守る。
ゆっくりそれを咀嚼すると、目を見開いた。
「美味しい」
口から漏れた言葉は、ほんのたった一言だった。でもそれでも、わっとなって俺たちは喜んだ。
言った本人は否定しない。無言でハムカツを食べた。その勢いは二日飲み食いもしていなかったような、ガッツのある勢いで、コスモの分まで余裕で食べれそうだ。
「オービット、それ、私の」
オービットが今度箸を進めてきたのはコスモの。コスモは寸前で箸で止めた。
「ごめんなさい。お腹がすいちゃって」
オービットは、苦笑して箸を退ける。コスモは勝った、とドヤ顔でハムカツを口にいれた。
「地球の食べ物も悪くない。見直してあげる」
箸を机に置き、顔を赤らめてそう言った。これは……褒めているのか?
最後の晩餐も済ませて、オービットは宇宙船に乗った。
「先輩方、迷惑をかけました。先輩方が地球を侵略しているとき、そのときは隣にいます! 絶対追いつきます! 見ててください!」
オービットは敬礼をしてニッと笑った。今日一番のいい顔で宣言。落第しても、オービットはそこから這い上がる、その活きを持っている。
それを聞いて、コスモたちは微笑んだ。涙ながらの別れじゃなくて、こんな、アットホームな感じの別れだからこそ良いのかもしれない。
「これから大変かもしれないけど、頑張って」
ダスクが言った。
オービットは敬礼したまま「はい!」と大きく返事する。ダスクが「ゆっくりして」と敬礼を解くと、オービットは従う。
スターとコスモも別れの挨拶を言って、だんだん、オービットの目はうるうるしだして涙が溢れそう。
「元気でな」
俺が言うと、ひゅと涙が引っ込んだ。やっぱり反応は変わっていない。
「てめぇこそ、今度合うときは奴隷だけどな。せいぜい生きているこった」
相変わらず悪口。全部いきなり変わることなんて出来るはずがない。オービットは少し考えてから、また口を開いた。
「今度は、いっぱい食べさせてよ。地球のもの」
ボソリとつぶやいた。
宇宙人は、地球のものを好んでくれてよかった。オービットは宇宙船に潜り、宇宙船がふわふわと宙に浮いた。
俺たちはいなくなるまで手を振る。宇宙船の蛍光のような、赤と青のランプがあってそれを交互に入れ替えている。まるで、さようならを言っているような。
宇宙船は、遥か遠い空の向こうへと消えていった。快晴の空だから遠くに飛んでもよく見える。でも小さくなっていき、ついには見えなくなった。
手を降っていた腕を戻す。
「わたしたち、簡単に地球侵略できそうにないから、早く追いつきそうね」
スターが微笑混じりに言った。
「確かに」
ダスクも否定しない。
きっと、宣言したとおりオービットは必ず地球に来るだろう。新たな侵略者として。それはいつか、もしかしたら近い未来かもしれない。オービットの成長に、俺も期待をした。
いやいや、なんで侵略される側が侵略する宇宙人の成長を期待してるんだ。オービットの場合、こいつらよりも手際良いぞ。ほんとに侵略されたらたまったもんじゃない。
オービットも帰ったし、俺たちはそれぞれゆっくりした。オービットが帰ったのを見計らったかのようにガーディアンも来て、相原家でまた、テレビゲームをする。騒がしいのがすっかり日常になった。
ガーディアンの三人は、オービットと遊ぶために来たと。でもさっき帰ったからな。帰ったことを告げると、アポロはしくしく泣いた。
宇宙人一匹が帰っていったからなのか、家にいる犬猫たちも安寧に過ごしている。居間にコスモたちがいても、気にしない猫が増えてきた。十五年いる老犬も、すっかり懐いてコスモたちが座っている横で横になっている。
一ヶ月待たずして、ダスクの家はすでに金城家と決まった。ダスクは昼間ここで遊びに来てるけど、決まった時間になると帰る。門限は特に決まっていない。なのに、決まった時間に帰る理由は、あの大型のテレビで好きな情報番組を見たいがため。
生徒会長とも割と話せるようになった。人間話してみないと分からないもんだな。割と話しが通じて、お互いの共通点が言い合える。そのお互いの共通点とは、宇宙人のことだ。
本来は、住む場所が違うんだよな。その共通点さえなければ、話すことも目も合わさない。生徒会長はずっと、明るい場所にいて俺は暗い場所にいた。
こうして話せるのは宇宙人がいるから。少し、宇宙人たちがいてほっとする。
オービットがいたころは、侵略活動を途中まで頑張っていたせいか、脱力するようにこの頃しない。相原家に集まってゲームしての食べての繰り返し。
侵略するなとは言わない。でも、いい加減俺の部屋で寝て食べてをやめてほしい。オービットが帰って二日。
「着いたかな?」
コスモが空を見上げた。小さな雲が転々と青い空に広がっている青空。穏やかな空気が窓から入ってくる。
「今頃、頑張ってるだろ」
俺はそっけなく返した。
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