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追う者と追われる者
1―6 光②
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私とストーカー野郎の死闘が繰り広げた。最初は滅多に出迎ないお高いファション店。そこで下着類のコーナに行く。男性が入ると目立つ場所だ。案の定、やっぱり気配がない。
コーナでひっそりと隠れて裏のドア口に向かった。相手はまだ、私が下着類を選らんでいると思っているだろう。でも残念。私はこうして野郎の目から抜け出しているのです。
私は滅多に使わないタクシーを呼んでその場で家に直行。まだ、昼前だからひろ兄がいないのは分かるけどニートのさと兄はいるでしょ。
しかも、朝食べたあとの食器も洗ってないし。毎日毎日食って寝てるだけの奴がやってないと無性に腹立つ。
まったく仕方がない、やっとくか。ひろ兄が一番困るもんね。食器を洗っていると携帯が突然なった。トイレの一件で携帯の中身を見るのがやたらと怖い。
それでももしかしたら、仕事仲間のメールだったり上司からの連絡かもしれない。仕方なく、中身を確認。
『本当に君は純真だね。ますます可愛いよ。僕を何度も強情に蹴りつけて去るなんか二度目だよ。今からそっちに向かうよ待ってて』
ちょ、待ってててまさか、この家に。隠れてやり過ごすたのに、相手を舐めていた。ストーカー被害なんてあったこともないのだから。戦略が足らなかったわ。
それより、この文面にある僕を何度も強情に蹴りつけて去るなんか二度目だよ、ってなんなの。私そんな暴力ふるわないし。ましてや、男の人を蹴るだなんで見に覚えがない。
あれ、一つだけあった。昨日、社長とお食事の約束で行ってみたら完全に弄ばれてて、嫌で社長のこと蹴ったんだ。
あんな強烈な思い出があるのになぜか、フラッシュバックしたのは今。大丈夫か、と自分で自分をつい慰めてしまう。
問題は今からだ。ストーカー野郎がこの家に来てしまう。相手は確実に社長と考えよう。年下でかつ、下っ端の女に蹴られるなんて大御所の社長はどうおもったでしょうね。
ストーカーするほど怒ってて逆鱗に触れたらしい。
社長となれば私の家なんて容易く分かるだろう。逃げも隠れもできない。そうだ、いいことを思いついた。何事も押されちゃだめ、引いて飛ばすの。
私は高校時代一人暮らししていたことがある。そこは古いアパートで時々、水漏れが激しい場所だったの。でも住めば都だってな。それで住居者は結構複数いたの。
駅から五分歩いた場所。時々、隠れ家として使っているから名前は当然私。その家の住所をストーカー野郎にメールで送った。
返信はないけど、きっとその場所に向かったんだろう。だってそこは都内で端っこの場所。タクシーに乗ってもだいぶかかる場所だ。
見事に家からストーカー野郎をまいた。私って超完璧。あれ、ひろ兄が帰ってきた。まさかのさと兄も一緒。
「あ、おかえり」
何事もなかったかのような表情でそういって顔を見るとひろ兄は見たことない顔面蒼白だった。え、どうしたの。側にさと兄がいるから余計に不安なんだけど。
「お前早いな」
「さと兄とひろ兄のほうが遅いんだよ。疲れた。ご飯は~?」
そう言うと少しドキドキした。今のひろ兄はなにか悩みことがあるみたい。そんな状態の兄を働かせていいのだろうかとてつもない不安がのしかかった。
「おれも疲れた。飯飯」
さと兄がぐったりと横になった。その姿はニートらしい。見ると、あんな白かったのにいつの間にか普段の肌色に戻っている。良かった。さと兄のおかげかな。
珍しく私もいるせいで家事のお手伝いをされた。一番上のさと兄はぐったりと豚のように横になっているけど。ご飯の支度を一緒にするなんて何年ぶりだろう。ちょっと嬉しい。
刹那、追い打ちをかけるようにメールがかかってきた。ビクリと反応したのは私だけ。さと兄もひろ兄も反応しない。そこら辺に置いてあった携帯をさと兄が拾って私に手渡す。
妹の危機すら知らずに。私は恐る恐る中身を確認した。
『酷いよ。嘘の家を教えるなんて。君はそんなに僕のことが嫌いなんだね。でも、僕は君のそんな冷めたところが好きだよ。だから、今すぐ君のいる家に向かうよ』
文面と一緒に知っている家の写真が貼ってある。私の家だ。まさか、ここまで嗅ぎつけるなんて思いもしなかった。
もう、本当に逃げも隠れもできない。ストーカー野郎がもうすぐここに来る。目の前が真っ黒になった。
コーナでひっそりと隠れて裏のドア口に向かった。相手はまだ、私が下着類を選らんでいると思っているだろう。でも残念。私はこうして野郎の目から抜け出しているのです。
私は滅多に使わないタクシーを呼んでその場で家に直行。まだ、昼前だからひろ兄がいないのは分かるけどニートのさと兄はいるでしょ。
しかも、朝食べたあとの食器も洗ってないし。毎日毎日食って寝てるだけの奴がやってないと無性に腹立つ。
まったく仕方がない、やっとくか。ひろ兄が一番困るもんね。食器を洗っていると携帯が突然なった。トイレの一件で携帯の中身を見るのがやたらと怖い。
それでももしかしたら、仕事仲間のメールだったり上司からの連絡かもしれない。仕方なく、中身を確認。
『本当に君は純真だね。ますます可愛いよ。僕を何度も強情に蹴りつけて去るなんか二度目だよ。今からそっちに向かうよ待ってて』
ちょ、待ってててまさか、この家に。隠れてやり過ごすたのに、相手を舐めていた。ストーカー被害なんてあったこともないのだから。戦略が足らなかったわ。
それより、この文面にある僕を何度も強情に蹴りつけて去るなんか二度目だよ、ってなんなの。私そんな暴力ふるわないし。ましてや、男の人を蹴るだなんで見に覚えがない。
あれ、一つだけあった。昨日、社長とお食事の約束で行ってみたら完全に弄ばれてて、嫌で社長のこと蹴ったんだ。
あんな強烈な思い出があるのになぜか、フラッシュバックしたのは今。大丈夫か、と自分で自分をつい慰めてしまう。
問題は今からだ。ストーカー野郎がこの家に来てしまう。相手は確実に社長と考えよう。年下でかつ、下っ端の女に蹴られるなんて大御所の社長はどうおもったでしょうね。
ストーカーするほど怒ってて逆鱗に触れたらしい。
社長となれば私の家なんて容易く分かるだろう。逃げも隠れもできない。そうだ、いいことを思いついた。何事も押されちゃだめ、引いて飛ばすの。
私は高校時代一人暮らししていたことがある。そこは古いアパートで時々、水漏れが激しい場所だったの。でも住めば都だってな。それで住居者は結構複数いたの。
駅から五分歩いた場所。時々、隠れ家として使っているから名前は当然私。その家の住所をストーカー野郎にメールで送った。
返信はないけど、きっとその場所に向かったんだろう。だってそこは都内で端っこの場所。タクシーに乗ってもだいぶかかる場所だ。
見事に家からストーカー野郎をまいた。私って超完璧。あれ、ひろ兄が帰ってきた。まさかのさと兄も一緒。
「あ、おかえり」
何事もなかったかのような表情でそういって顔を見るとひろ兄は見たことない顔面蒼白だった。え、どうしたの。側にさと兄がいるから余計に不安なんだけど。
「お前早いな」
「さと兄とひろ兄のほうが遅いんだよ。疲れた。ご飯は~?」
そう言うと少しドキドキした。今のひろ兄はなにか悩みことがあるみたい。そんな状態の兄を働かせていいのだろうかとてつもない不安がのしかかった。
「おれも疲れた。飯飯」
さと兄がぐったりと横になった。その姿はニートらしい。見ると、あんな白かったのにいつの間にか普段の肌色に戻っている。良かった。さと兄のおかげかな。
珍しく私もいるせいで家事のお手伝いをされた。一番上のさと兄はぐったりと豚のように横になっているけど。ご飯の支度を一緒にするなんて何年ぶりだろう。ちょっと嬉しい。
刹那、追い打ちをかけるようにメールがかかってきた。ビクリと反応したのは私だけ。さと兄もひろ兄も反応しない。そこら辺に置いてあった携帯をさと兄が拾って私に手渡す。
妹の危機すら知らずに。私は恐る恐る中身を確認した。
『酷いよ。嘘の家を教えるなんて。君はそんなに僕のことが嫌いなんだね。でも、僕は君のそんな冷めたところが好きだよ。だから、今すぐ君のいる家に向かうよ』
文面と一緒に知っている家の写真が貼ってある。私の家だ。まさか、ここまで嗅ぎつけるなんて思いもしなかった。
もう、本当に逃げも隠れもできない。ストーカー野郎がもうすぐここに来る。目の前が真っ黒になった。
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