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第一章 運命と死と想い
第21話 ナミ登場
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そう喋っていると空からある少女がこの地に降りた。
腰まである白い髪の毛に炎を連想させる赤い瞳。白髪が蛇のように滑らかに揺れている。
小さく結んでいる箇所には金色の簪がつけてあった。動く度に鈴の音がシャランとなる。
「空から幼女が……」
目を丸くし、目の前にいる少女を見上げた。少女がストンと地に足を置いた場所は帝斗の目と鼻のさき。一歩でも動けば道連れに深い底に落ちていきそうな立ち位置。
帝斗は人外な人物と再び再会してしまった。
小顔にかかった白い髪の毛をさらりと後ろにし、少女はニコリと満面の笑みを浮かべた。
「おっは! みなさんみなさん初めまして! ナミだぉ!」
中腰になって可愛げにそう言った少女は周りに誰もいないと知ると急に冷めた顔をした。
「チっ、場所失敗か。まあいい。あいつさえ会えば……―ってあんたいたの?」
やっと足元の帝斗と目があうと、あしらうようにそう言った。ツタにしがみついている帝斗をゴミのような眼差しで見上げる。もっと状況が良かったら射精してたとこだ。少女はキョロキョロと辺りを伺うと、この場の雰囲気を察したようだ。
「ふふん。なるほどなるほど。あんたもキングとかいう面倒な役を引き受けちゃってからにそんな虫の息なのね」
小さいながらにお察しが早い。
「そ、空から幼女が……」
ナミの話しを聞く耳すら困惑している帝斗はしがみつく力が弱まっていた。小学三~四年生に見える幼い顔たちにまだ熟していない体をすみずみまで眺める。
「君は一体……」
訊ねるとナミは細目でニコリと笑った。子どもらしい愛らしい表情だか、その笑みにどこか哀しみがある。
「よぉく聞きな! ナミさ!」
「選択肢に載ってたもう一人の……」
「そう!」
ナミはパチリとウインクした。カイトと同じ赤い瞳。帝斗は臆することなくもう一度聞いてみた。
「もう一人の主催者側がどうしてここに?」
すると、大きな目を細目にし、ニンマリと笑った。暫く、目線を反らさないで黙っているとナミの方から目線をそらした。
「あんたなんかに話しても無駄よ。それより、助けてほしい? キングさん」
楽しげに頬の肉を上下にし、嘲笑うように目を細めた。帝斗は考えるみもなくコクリと頷く。
「フフ。素直ね」
背中に腕を絡ませた腕を離し、真っ白でぷにぷにした腕が目の前に差し伸ばしてきた。血が通っていないように真っ白な腕。
これから男を引き上げるのに、細腕じゃだめでしょと、内心困惑していると差し伸ばした腕が引っ込んだ。
「ナミのこと心配してくれるのはありがたいけど、こっちだって時間ないんだよね。このヤリチン」
可愛い幼い子どもの口から〝ヤリチン〟破壊力半端ない。あどけない顔にまだ熟していない体を思わす見ると、股間に生えてる息子が気流にのったようにムクムクと広がった。それが見えたのか、眉間に皺を寄せ唇をひきつらせた。
「きも。やっぱ落ちろ」
「わーわー! 待って待って!」
しがみつくツタを大きく揺らせるナミ。帝斗は空中ブランコを乗っているみたいで体がブランブラン前後に揺れる。股間に生えた自慢の息子はしょんぼりとなっていた。まるで、今の気分みたいにげんなりと下がっている。
もう一度、試すように白い腕が伸びてきた。見上げると、フンと鼻をならしそっぽを向くナミ。
恐る恐る手を握ると、グンと綱引きのように重心が仰け反りながらも、上に引っ張られた。あの細腕のどこにそんな力が。
「それじゃあ、せいぜい頑張って」
ナミはくるりと踵を返し、小さく手を振る。腰まである白い髪の毛がファサと滑らかな音で捻りをならす。短めのスカートからすべすべした太ももと白いパンティが顔を覗かせた。太ももは日焼けしていないように真っ白で塗料したような光が放ってある。
腰まである白い髪の毛に炎を連想させる赤い瞳。白髪が蛇のように滑らかに揺れている。
小さく結んでいる箇所には金色の簪がつけてあった。動く度に鈴の音がシャランとなる。
「空から幼女が……」
目を丸くし、目の前にいる少女を見上げた。少女がストンと地に足を置いた場所は帝斗の目と鼻のさき。一歩でも動けば道連れに深い底に落ちていきそうな立ち位置。
帝斗は人外な人物と再び再会してしまった。
小顔にかかった白い髪の毛をさらりと後ろにし、少女はニコリと満面の笑みを浮かべた。
「おっは! みなさんみなさん初めまして! ナミだぉ!」
中腰になって可愛げにそう言った少女は周りに誰もいないと知ると急に冷めた顔をした。
「チっ、場所失敗か。まあいい。あいつさえ会えば……―ってあんたいたの?」
やっと足元の帝斗と目があうと、あしらうようにそう言った。ツタにしがみついている帝斗をゴミのような眼差しで見上げる。もっと状況が良かったら射精してたとこだ。少女はキョロキョロと辺りを伺うと、この場の雰囲気を察したようだ。
「ふふん。なるほどなるほど。あんたもキングとかいう面倒な役を引き受けちゃってからにそんな虫の息なのね」
小さいながらにお察しが早い。
「そ、空から幼女が……」
ナミの話しを聞く耳すら困惑している帝斗はしがみつく力が弱まっていた。小学三~四年生に見える幼い顔たちにまだ熟していない体をすみずみまで眺める。
「君は一体……」
訊ねるとナミは細目でニコリと笑った。子どもらしい愛らしい表情だか、その笑みにどこか哀しみがある。
「よぉく聞きな! ナミさ!」
「選択肢に載ってたもう一人の……」
「そう!」
ナミはパチリとウインクした。カイトと同じ赤い瞳。帝斗は臆することなくもう一度聞いてみた。
「もう一人の主催者側がどうしてここに?」
すると、大きな目を細目にし、ニンマリと笑った。暫く、目線を反らさないで黙っているとナミの方から目線をそらした。
「あんたなんかに話しても無駄よ。それより、助けてほしい? キングさん」
楽しげに頬の肉を上下にし、嘲笑うように目を細めた。帝斗は考えるみもなくコクリと頷く。
「フフ。素直ね」
背中に腕を絡ませた腕を離し、真っ白でぷにぷにした腕が目の前に差し伸ばしてきた。血が通っていないように真っ白な腕。
これから男を引き上げるのに、細腕じゃだめでしょと、内心困惑していると差し伸ばした腕が引っ込んだ。
「ナミのこと心配してくれるのはありがたいけど、こっちだって時間ないんだよね。このヤリチン」
可愛い幼い子どもの口から〝ヤリチン〟破壊力半端ない。あどけない顔にまだ熟していない体を思わす見ると、股間に生えてる息子が気流にのったようにムクムクと広がった。それが見えたのか、眉間に皺を寄せ唇をひきつらせた。
「きも。やっぱ落ちろ」
「わーわー! 待って待って!」
しがみつくツタを大きく揺らせるナミ。帝斗は空中ブランコを乗っているみたいで体がブランブラン前後に揺れる。股間に生えた自慢の息子はしょんぼりとなっていた。まるで、今の気分みたいにげんなりと下がっている。
もう一度、試すように白い腕が伸びてきた。見上げると、フンと鼻をならしそっぽを向くナミ。
恐る恐る手を握ると、グンと綱引きのように重心が仰け反りながらも、上に引っ張られた。あの細腕のどこにそんな力が。
「それじゃあ、せいぜい頑張って」
ナミはくるりと踵を返し、小さく手を振る。腰まである白い髪の毛がファサと滑らかな音で捻りをならす。短めのスカートからすべすべした太ももと白いパンティが顔を覗かせた。太ももは日焼けしていないように真っ白で塗料したような光が放ってある。
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