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第一章 運命と死と想い
第19話 強姦―外界②―
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こんな壊れた地に法律も権限も一切関係ない。男にとって、ここは無法地帯。物も奪い取れる。女もすぐヤれる。
これはもう、救いなんてない――。
悲鳴も挙げず、目、手足、口も白い布で縛られ、私は恥辱と快感に惜しまけられていた。
力強い声した男が片胸の先端を弄くり、軽いノリした声の男はもう片方の胸を激しく揉んでいる。
そして、好青年が私のお腹をなぞって触り、一番刺激が強い下の先端を指先で弄くった。
本当は悲鳴をあげている。快感だと感じる雌声を発している。けど、口が塞がれてるせいで、くぐもっている。
二~三の複数の男たちの手や舌が体中を触り、舐め、気持ちいい。
男たちの気持ち悪い笑い声が微かに聞こえた。聞きたくないのに聞こえてくる。濃縮された恥辱心が快感へと。
もう、どこをどんなふうに触っても快感と思い始め、もっともっと、と刺激を求めてしまう。こんなの、私じゃない。心の中にまだある理性が徐々に気が狂いそうになってきた。
どうする事もできない私は諦めきっていた。しかし、その時。男たちの悲鳴のようなのが耳にした。
状況からして、誰かが助けてくれたのだろうか。そのうち、両目や体を塞いでた布がスルリと取られた。
片目を薄っすらと開けると久し振りに開けてみた視界は太陽がなくても眩しい。暫く、パチパチしていて、何が起こったのか全くわからなかった。
絶頂へと達しようとしていた体はまだ、やんわりと舌と手の感触が残っている。呆然とする私にある男女が声をかけてきた。
「君、大丈夫?」
「だいぶ、やられたようね。わたしたちの家、ここから近いの。そこで休みましょう」
眼鏡をかけた中年男性と、巫女服を着た女性。二人とも、歳は四十代ぽい。
「え……」
また助けられ、優しく接してくる。ここまできて疑心暗鬼にならない人間なんていない。
私は露になった体を服で隠し、颯爽と着替えた。
「大丈夫です。お気になさらず」
立ち上がり、踵を返した。
途端、ザザッとテレビの荒波の音が聞こえた。さっきの出来事で敏感に反応しているのは五感の聴覚。振り返ると中年男性の手元には人口小型テレビを持っていた。
手乗りサイズの枠が小さいテレビだ。
三年前、爆発的に売れていたが途端に消えた商品。枠が小さく、本来の家庭で見るテレビの映像の半分以下。しかも、音声が時々、発生しないという問題的商品。
しかし、これはある意味〝救い〟かも。
この商品は電池で発動しているのではなく、太陽の力で発動している。太陽の微量の熱と光を浴びているはず。
「音! もっと音をでかくしてください!」
前に乗り出し、中年男性に言った。
中年男性は目玉が飛びたすように見開き、私を見つめた。巫女服の女性も目を丸くしている。
中年男性は私の必死な血相を見て、慌ててテレビの音量を元よりも大きくした。
『――ザザッ――地上から四五六メートルの空中にピラミッド形した建物が浮いてます!』
液晶画面にはヒビが入っており、映像があまり、見受けられない。しかし、よく凝らしてみると、白と黒のピラミッド形した三角の浮遊物体が雲の真上に浮かんでいた。
「なに……これ」
「かなりデカイぞ」
中年男性が声をあげた。
五代と中年男性、巫女服女性はテレビに釘つけになった。その場から一歩も離れようともしない。
中年男性の言う通り、三角したピラミッドの建物は人十倍の建物だ。色ははっきりと白と黒に別れているけど、表面にはプラスチックを全面に塗ったようなきらびやかな艶が入っている。
その構造は見たこともない。
白いピラミッド形と黒いピラミッド形は少し離れている。
二つの浮遊物体の間や周りには各国の軍のヘリコプターがブンブン飛んでいた。
『――報告! 白のピラミッドに攻撃用意します! 各国からも要請が届いています!』
攻撃? まさか、あの未知の物体に攻撃するの!? そんな、通用するの。そう思いつつも、周りにいた各国のヘリコプターから轟く爆発音とフラッシュバックが映像から流れ出した。
テレビ越しでもこんな大きな音だ。きっと、その場にいる人間はこれよりも辛いだろう。巫女服の女性が慌てて、テレビの音量を低くし耳を抑えた。
それでも、テレビの画面から離れなかった。
荒波が耳につんざき、ドス黒い煙が空に広がった。暫く、映像から人の音声はしなかった。あるのは、爆発した雑音。
強風により煙は一分もしないうちに晴れていった。
『な、なんとヒビ一つついていません! レベル5の爆撃でも耐えています。次は黒のピラミッドのようです』
同様、フラッシュバックと爆音がまた耳につんざく。しかし、黒のピラミッドも白いのと同様、ヒビ一つつかない。
しかし、この建物はどういう経緯で浮いている。どういう科学で存在している。この中にいるのは一体何者。あるいは、この中にいるのは無人。誰もいない。
私は悶々と考えを導き出す。しかし、一行に応えは導き出せない。
これはもう、救いなんてない――。
悲鳴も挙げず、目、手足、口も白い布で縛られ、私は恥辱と快感に惜しまけられていた。
力強い声した男が片胸の先端を弄くり、軽いノリした声の男はもう片方の胸を激しく揉んでいる。
そして、好青年が私のお腹をなぞって触り、一番刺激が強い下の先端を指先で弄くった。
本当は悲鳴をあげている。快感だと感じる雌声を発している。けど、口が塞がれてるせいで、くぐもっている。
二~三の複数の男たちの手や舌が体中を触り、舐め、気持ちいい。
男たちの気持ち悪い笑い声が微かに聞こえた。聞きたくないのに聞こえてくる。濃縮された恥辱心が快感へと。
もう、どこをどんなふうに触っても快感と思い始め、もっともっと、と刺激を求めてしまう。こんなの、私じゃない。心の中にまだある理性が徐々に気が狂いそうになってきた。
どうする事もできない私は諦めきっていた。しかし、その時。男たちの悲鳴のようなのが耳にした。
状況からして、誰かが助けてくれたのだろうか。そのうち、両目や体を塞いでた布がスルリと取られた。
片目を薄っすらと開けると久し振りに開けてみた視界は太陽がなくても眩しい。暫く、パチパチしていて、何が起こったのか全くわからなかった。
絶頂へと達しようとしていた体はまだ、やんわりと舌と手の感触が残っている。呆然とする私にある男女が声をかけてきた。
「君、大丈夫?」
「だいぶ、やられたようね。わたしたちの家、ここから近いの。そこで休みましょう」
眼鏡をかけた中年男性と、巫女服を着た女性。二人とも、歳は四十代ぽい。
「え……」
また助けられ、優しく接してくる。ここまできて疑心暗鬼にならない人間なんていない。
私は露になった体を服で隠し、颯爽と着替えた。
「大丈夫です。お気になさらず」
立ち上がり、踵を返した。
途端、ザザッとテレビの荒波の音が聞こえた。さっきの出来事で敏感に反応しているのは五感の聴覚。振り返ると中年男性の手元には人口小型テレビを持っていた。
手乗りサイズの枠が小さいテレビだ。
三年前、爆発的に売れていたが途端に消えた商品。枠が小さく、本来の家庭で見るテレビの映像の半分以下。しかも、音声が時々、発生しないという問題的商品。
しかし、これはある意味〝救い〟かも。
この商品は電池で発動しているのではなく、太陽の力で発動している。太陽の微量の熱と光を浴びているはず。
「音! もっと音をでかくしてください!」
前に乗り出し、中年男性に言った。
中年男性は目玉が飛びたすように見開き、私を見つめた。巫女服の女性も目を丸くしている。
中年男性は私の必死な血相を見て、慌ててテレビの音量を元よりも大きくした。
『――ザザッ――地上から四五六メートルの空中にピラミッド形した建物が浮いてます!』
液晶画面にはヒビが入っており、映像があまり、見受けられない。しかし、よく凝らしてみると、白と黒のピラミッド形した三角の浮遊物体が雲の真上に浮かんでいた。
「なに……これ」
「かなりデカイぞ」
中年男性が声をあげた。
五代と中年男性、巫女服女性はテレビに釘つけになった。その場から一歩も離れようともしない。
中年男性の言う通り、三角したピラミッドの建物は人十倍の建物だ。色ははっきりと白と黒に別れているけど、表面にはプラスチックを全面に塗ったようなきらびやかな艶が入っている。
その構造は見たこともない。
白いピラミッド形と黒いピラミッド形は少し離れている。
二つの浮遊物体の間や周りには各国の軍のヘリコプターがブンブン飛んでいた。
『――報告! 白のピラミッドに攻撃用意します! 各国からも要請が届いています!』
攻撃? まさか、あの未知の物体に攻撃するの!? そんな、通用するの。そう思いつつも、周りにいた各国のヘリコプターから轟く爆発音とフラッシュバックが映像から流れ出した。
テレビ越しでもこんな大きな音だ。きっと、その場にいる人間はこれよりも辛いだろう。巫女服の女性が慌てて、テレビの音量を低くし耳を抑えた。
それでも、テレビの画面から離れなかった。
荒波が耳につんざき、ドス黒い煙が空に広がった。暫く、映像から人の音声はしなかった。あるのは、爆発した雑音。
強風により煙は一分もしないうちに晴れていった。
『な、なんとヒビ一つついていません! レベル5の爆撃でも耐えています。次は黒のピラミッドのようです』
同様、フラッシュバックと爆音がまた耳につんざく。しかし、黒のピラミッドも白いのと同様、ヒビ一つつかない。
しかし、この建物はどういう経緯で浮いている。どういう科学で存在している。この中にいるのは一体何者。あるいは、この中にいるのは無人。誰もいない。
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