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まず……
作者さんが狙っているのだと思いますが後味が悪いです。良い意味でも悪い意味でもトラウマになるレベルです。
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恋愛やヒューマンドラマとして読むと、これほど情けない主人公を見たことが無いレベルでヘタレです。
主人公はヒーローであって欲しい。ヒロインを救うのがヒーローの役目だと思うのですが、このヒーローはヒロインをあっさり見捨てます。このヒーローにどんな矜持があるのか知りませんが、ちっぽけな矜持の為に、初めて心から愛したヒロインをアッサリ切り捨てます。その程度で切り捨てるのならば、ヒロインを愛していたのは錯覚だったのだと読者が感じてしまうレベルでショボいです。
主人公の誇れるところは事件を解決する頭脳だけで、人間的にとても尊敬できないクズ男でした。
読者は男性主人公にヒーロー的な要素を求めています。私はこの物語の中で真のヒーローが誰かを考えた時、皮肉な事にヒロインがヒーローポジになってしまいました。
これも作者さんが意図した事ならば私はチョロいのかも知れません。
ただ、いかにヒーローポジと言えども、何も報われない、誰かから感謝もされない、「アイツは悪だ」と信じた主人公からも裏切られ、ヒロインに感情移入していた私としてはヒロインが可哀そう過ぎて読んでいられないほどでした。
きっとこれは作者さんが男性だから主人公に重点を置いて物語を作っているからだと思います。ヒロインの女性の心情は無くてもいいだろう……的な感覚で書かれたのではないでしょうか。
私がヒロインの立場なら、この主人公に恋などしなかったであろうレベルでヘタレでクズな主人公です。
何故、こんな男を好きになった?
女性視点で吐き出してしまいました……
ただ、全体の物語としては、登場人物の心情など気にせずにミステリーと割り切って読めばとても良い作品でした。
長文での感想ありがとうございます。
仰る通り、ミステリーとして成立させることを最優先にしたため、キャラクターの感情よりも伏線をはり、それを回収することに注力し過ぎた節があるかもしれません。
イヤミスとして読んでもらえるとありがたいです。