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真っ赤な嘘9
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学習室を出ようとすると、
「サーヤさん」
中上さんがそう言って彼女を呼び止めた。
「あなたずいぶんと口が達者ね。本当にあの人にそっくりだわ」
サーヤは首を傾げた。
「あの人って誰のことですか?」
「以前施設で会ったあと、あなたのことを調べさせてもらったわ。新堂沙彩さん」
「私の名前、どうやって」
「私の家はちょっと特殊でね。懇意にしている興信所があって、そこに調べてもらったのよ。新堂って苗字を聞いたときはわからなかったけど、調べさせて驚いたわ。あなたのお兄さんのことを私はよく知っている」
「兄とはどういう関係だったんですか」
「学生時代の先輩よ。あなた、お兄さんによく似ているわ」
「どの辺りがですか?」
そう問われた中上さんは、少し遠くを見つめるように目を細めた。まるで昔を懐かしむみたいに見えた。
「あなたのお兄さんも妙に鋭いところがあって、人の思惑とかはかりごとを見抜く術に長けていたわ。私が最後に会ったのは学生の頃で、今から二十年近く前のことだったけど、その後は立派な警察官になったそうね」
それまでサーヤに向いていた目をオレに向け、
「ねぇ、そうでしょう?」
と、中上さんはそう言った。その意味深な目を見て、オレは背筋に冷たいものを感じた。
「サーヤの兄貴の名前って」
「藪坂七季、いいえ、新堂七季に苗字が変わっていたのよね」
中上さんはオレの疑問にすぐに答えた。
サーヤの兄が警察官だということ、そして新堂という苗字だということを聞いてまさかと思ったが。
「中上さん。あんたはどこまで知ってるんだ? 」
「一通りは知ってるつもりよ。そこにいる新堂沙彩さんの兄が私の学生時代の先輩の藪坂七季で、高校卒業後、警察官になったこと。そして、その警察官があなたを守って命を落としたこともね」
オレは愕然とした。
それは限られた人間しか知らない、オレの罪だ。親のいない環境を言い訳にして、不良の道に落ちていた喧嘩屋の時分に、オレはある警察官に命を救われた。文字通り、命懸けで。
多くの不良たちから恨みを買った挙句、集団からの襲撃を受けたオレを自分の命をかけて守ってくれた警察官が、新堂七季巡査だった。あの人の最後の姿。不良たちからリンチされ、殴打された頭が血で真っ赤に染まった姿を決して忘れないために、オレは髪を赤く染めた。自分で染めたから上手く染まらず、その姿を揶揄して赤錆なんて呼ばれ方をするようになったが、いまとなってはそれがオレを表す記号のようになっている。オレを倒そうと襲ってくる不良も、困りごとを相談しにくる街の連中も、まとめてオレが面倒を見てやればいい。それが、正義の味方を死なせてしまったオレの取るべき行動だと自分に言い聞かせ、これまで行動してきた。
「サーヤも知ってたのか?」
オレの問いに、サーヤは頷いた。
「ええ、全部知ってましたよ。知ってて、アカサビさんに近づきました。最初は、兄を死に追いやった男っていうのがどんな人間なのか見てみたかった。いざ目の前にしたら、やっぱりムカついた。髪を赤く染めて、正義の味方だなんて、兄はこんなバカのために死んでしまったのかって本気で思いました」
サーヤの手は震えていた。それは怒りか、悲しみか、オレにはわからない。
「でも、あなたは私が思っていたよりもずっと自分自身に罰を与えているように見えた。それが逆に腹立たしくもありました。自らを危険に晒し、自分が傷つくことで、罪を償おうとしているようにさえ見えたから。だから、文句を言わずにはいられなかった。そんなことのために、兄は命を落としたわけじゃない。アカサビさんに傷ついてもらうことなんて、望んでいるわけがないのだから」
だから、歩美を救い出したあと、サーヤはあんなにも怒っていたのか。サーヤの兄が命を落としてまで救ったオレが、まるで自分のことを蔑ろにしているように感じたから。
「すまない、サーヤ。でもオレは傷つくことで自分の罪から逃げたいわけじゃない。オレが人を助けたいと思うのは、人を助けることで、自分が生きていることに意味を見出したいからだ。あんたの兄が命懸けで守ってくれたオレには、生きている価値があるってことを証明したい。それだけなんだ。だから、これは償いなんかじゃない。ただの自己満足だよ」
「アカサビさんの生き方を否定はしません。いまは、兄が命を懸けた相手があなたで良かったと思っています」
オレはその言葉に答えることができなかった。本来ならば償わなければならない遺族にそんな優しい言葉をかけてもらうこと自体、恵まれ過ぎている。
「私たちの関係はひどく歪ですね。だって、私の兄の話をしたら、あなたは私に負い目を感じてしまう。だから、話さなきゃならないってわかっていたのに、いままで言えずにいました。対等な関係でいたかったから」
黙り込んだオレを見て、サーヤは少し寂しそうな顔をした気がした。
今度こそ中上さんと別れたオレとサーヤは、夕日の差し込む施設の廊下を歩いていた。
「私、自分の苗字が嫌いだって言いましたよね?」
確かにそうだ。だから、オレは彼女のことを下の名前で呼んでいたのだ。
「あれはね、嘘じゃない。確かに、アカサビさんに兄との関係を知られたくなかったというのもありましたけどね」
「親との折り合いでも悪いのか?」
「ええ。そもそも、私たち兄妹って父親が違うんです。兄は母親の連れ子で、私とは十七歳も離れていました。詳しくは知らないですけど、うちの父親は略奪婚だったみたいで、そんな父親だったから、簡単に私たち家族を捨てて他の女のところに行ってしまいました。それが、私が小学生の頃。そして、そんな男をいまでも好きでいるような馬鹿な母親が同じ女として大嫌いです」
弱々しく笑ったかと思うと、サーヤはすぐにその表情から笑顔を消した。
「兄がいたから、私は生きてこられた。崩壊した家庭で面倒を見てくれていたから、いまの私があります。兄が結婚して家を出て行ったのも、私の高校卒業が決まって自立する目処が立ったからです」
「そうか。あの人らしいな」
「だから私は、両親が嫌いで、その両親から与えられた苗字が嫌い。そして、兄が決めてくれた沙彩って名前が大好きなんです」
それが、彼女が意地でも名前で呼ばせていた理由だったのか。
「ねえアカサビさん。兄はあなたにとってどんな人でした?」
「命の恩人で、オレを人として正しい道に導いてくれた存在だ。サーヤと同じで、あの人がーーー七季さんがいなかったらいまのオレは存在していない」
「その言葉を聞けてよかったです。兄の死を思うといまでも悲しいけれど、決して無駄ではなかった。私やアカサビさんが生きていることが、その証明です」
「ああ、そうだな。だから七季さんに恥じないように、真っ直ぐ生きていくさ」
オレはそう言うと、出口まで続く長い廊下を立ち止まらずに進んだ。
道中、七季さんとの思い出を思い返す。街で補導されたのが彼との出会いだった。それからオレの姿を見かける度に、彼は話しかけてきた。最初は鬱陶しい警察官だと思っていたけれど、次第に彼と話している時間が楽しみになった。喧嘩屋なんて呼ばれ、くる日もくる日も喧嘩に明けくれていたことが馬鹿馬鹿しく思えるくらい、あの人はオレの価値観を変えてくれた。
そんな喧嘩屋時代、悪目立ちしていたオレを狙う不良連中は数多くいた。その連中が、オレを襲撃するという話を耳にしたのか、そいつらのアジトに赴き、オレを狙うのをやめるように直接頼み込んでくれたのだ。
だがその結果、七季さんの命は奪われた。オレを守ろうとしたことで、不良たちの怒りを買って命を落としたんだ。だからオレは誓った。その日を最後に、自分のためではなく、誰かを守るために力を行使しようと。頭も悪くて、他に取り柄のないオレには、それしか思いつかなかった。
しかし、こうして思い返してみると、いまでも不思議に思うことがある。出会ったばかりの頃、オレがいくら邪険にしても、無視しても、七季さんは関わることをやめなかった。それだけ仕事熱心ということだろうか。そんな姿に根負けしたオレは、いつしか彼に心を許すようになったんだ。
妹のサーヤを前にしては言えないし、照れ臭くて本人にも言えなかったことがある。
なあ、七季さん。あんたはオレにとって父親のような存在だったよ。
「サーヤさん」
中上さんがそう言って彼女を呼び止めた。
「あなたずいぶんと口が達者ね。本当にあの人にそっくりだわ」
サーヤは首を傾げた。
「あの人って誰のことですか?」
「以前施設で会ったあと、あなたのことを調べさせてもらったわ。新堂沙彩さん」
「私の名前、どうやって」
「私の家はちょっと特殊でね。懇意にしている興信所があって、そこに調べてもらったのよ。新堂って苗字を聞いたときはわからなかったけど、調べさせて驚いたわ。あなたのお兄さんのことを私はよく知っている」
「兄とはどういう関係だったんですか」
「学生時代の先輩よ。あなた、お兄さんによく似ているわ」
「どの辺りがですか?」
そう問われた中上さんは、少し遠くを見つめるように目を細めた。まるで昔を懐かしむみたいに見えた。
「あなたのお兄さんも妙に鋭いところがあって、人の思惑とかはかりごとを見抜く術に長けていたわ。私が最後に会ったのは学生の頃で、今から二十年近く前のことだったけど、その後は立派な警察官になったそうね」
それまでサーヤに向いていた目をオレに向け、
「ねぇ、そうでしょう?」
と、中上さんはそう言った。その意味深な目を見て、オレは背筋に冷たいものを感じた。
「サーヤの兄貴の名前って」
「藪坂七季、いいえ、新堂七季に苗字が変わっていたのよね」
中上さんはオレの疑問にすぐに答えた。
サーヤの兄が警察官だということ、そして新堂という苗字だということを聞いてまさかと思ったが。
「中上さん。あんたはどこまで知ってるんだ? 」
「一通りは知ってるつもりよ。そこにいる新堂沙彩さんの兄が私の学生時代の先輩の藪坂七季で、高校卒業後、警察官になったこと。そして、その警察官があなたを守って命を落としたこともね」
オレは愕然とした。
それは限られた人間しか知らない、オレの罪だ。親のいない環境を言い訳にして、不良の道に落ちていた喧嘩屋の時分に、オレはある警察官に命を救われた。文字通り、命懸けで。
多くの不良たちから恨みを買った挙句、集団からの襲撃を受けたオレを自分の命をかけて守ってくれた警察官が、新堂七季巡査だった。あの人の最後の姿。不良たちからリンチされ、殴打された頭が血で真っ赤に染まった姿を決して忘れないために、オレは髪を赤く染めた。自分で染めたから上手く染まらず、その姿を揶揄して赤錆なんて呼ばれ方をするようになったが、いまとなってはそれがオレを表す記号のようになっている。オレを倒そうと襲ってくる不良も、困りごとを相談しにくる街の連中も、まとめてオレが面倒を見てやればいい。それが、正義の味方を死なせてしまったオレの取るべき行動だと自分に言い聞かせ、これまで行動してきた。
「サーヤも知ってたのか?」
オレの問いに、サーヤは頷いた。
「ええ、全部知ってましたよ。知ってて、アカサビさんに近づきました。最初は、兄を死に追いやった男っていうのがどんな人間なのか見てみたかった。いざ目の前にしたら、やっぱりムカついた。髪を赤く染めて、正義の味方だなんて、兄はこんなバカのために死んでしまったのかって本気で思いました」
サーヤの手は震えていた。それは怒りか、悲しみか、オレにはわからない。
「でも、あなたは私が思っていたよりもずっと自分自身に罰を与えているように見えた。それが逆に腹立たしくもありました。自らを危険に晒し、自分が傷つくことで、罪を償おうとしているようにさえ見えたから。だから、文句を言わずにはいられなかった。そんなことのために、兄は命を落としたわけじゃない。アカサビさんに傷ついてもらうことなんて、望んでいるわけがないのだから」
だから、歩美を救い出したあと、サーヤはあんなにも怒っていたのか。サーヤの兄が命を落としてまで救ったオレが、まるで自分のことを蔑ろにしているように感じたから。
「すまない、サーヤ。でもオレは傷つくことで自分の罪から逃げたいわけじゃない。オレが人を助けたいと思うのは、人を助けることで、自分が生きていることに意味を見出したいからだ。あんたの兄が命懸けで守ってくれたオレには、生きている価値があるってことを証明したい。それだけなんだ。だから、これは償いなんかじゃない。ただの自己満足だよ」
「アカサビさんの生き方を否定はしません。いまは、兄が命を懸けた相手があなたで良かったと思っています」
オレはその言葉に答えることができなかった。本来ならば償わなければならない遺族にそんな優しい言葉をかけてもらうこと自体、恵まれ過ぎている。
「私たちの関係はひどく歪ですね。だって、私の兄の話をしたら、あなたは私に負い目を感じてしまう。だから、話さなきゃならないってわかっていたのに、いままで言えずにいました。対等な関係でいたかったから」
黙り込んだオレを見て、サーヤは少し寂しそうな顔をした気がした。
今度こそ中上さんと別れたオレとサーヤは、夕日の差し込む施設の廊下を歩いていた。
「私、自分の苗字が嫌いだって言いましたよね?」
確かにそうだ。だから、オレは彼女のことを下の名前で呼んでいたのだ。
「あれはね、嘘じゃない。確かに、アカサビさんに兄との関係を知られたくなかったというのもありましたけどね」
「親との折り合いでも悪いのか?」
「ええ。そもそも、私たち兄妹って父親が違うんです。兄は母親の連れ子で、私とは十七歳も離れていました。詳しくは知らないですけど、うちの父親は略奪婚だったみたいで、そんな父親だったから、簡単に私たち家族を捨てて他の女のところに行ってしまいました。それが、私が小学生の頃。そして、そんな男をいまでも好きでいるような馬鹿な母親が同じ女として大嫌いです」
弱々しく笑ったかと思うと、サーヤはすぐにその表情から笑顔を消した。
「兄がいたから、私は生きてこられた。崩壊した家庭で面倒を見てくれていたから、いまの私があります。兄が結婚して家を出て行ったのも、私の高校卒業が決まって自立する目処が立ったからです」
「そうか。あの人らしいな」
「だから私は、両親が嫌いで、その両親から与えられた苗字が嫌い。そして、兄が決めてくれた沙彩って名前が大好きなんです」
それが、彼女が意地でも名前で呼ばせていた理由だったのか。
「ねえアカサビさん。兄はあなたにとってどんな人でした?」
「命の恩人で、オレを人として正しい道に導いてくれた存在だ。サーヤと同じで、あの人がーーー七季さんがいなかったらいまのオレは存在していない」
「その言葉を聞けてよかったです。兄の死を思うといまでも悲しいけれど、決して無駄ではなかった。私やアカサビさんが生きていることが、その証明です」
「ああ、そうだな。だから七季さんに恥じないように、真っ直ぐ生きていくさ」
オレはそう言うと、出口まで続く長い廊下を立ち止まらずに進んだ。
道中、七季さんとの思い出を思い返す。街で補導されたのが彼との出会いだった。それからオレの姿を見かける度に、彼は話しかけてきた。最初は鬱陶しい警察官だと思っていたけれど、次第に彼と話している時間が楽しみになった。喧嘩屋なんて呼ばれ、くる日もくる日も喧嘩に明けくれていたことが馬鹿馬鹿しく思えるくらい、あの人はオレの価値観を変えてくれた。
そんな喧嘩屋時代、悪目立ちしていたオレを狙う不良連中は数多くいた。その連中が、オレを襲撃するという話を耳にしたのか、そいつらのアジトに赴き、オレを狙うのをやめるように直接頼み込んでくれたのだ。
だがその結果、七季さんの命は奪われた。オレを守ろうとしたことで、不良たちの怒りを買って命を落としたんだ。だからオレは誓った。その日を最後に、自分のためではなく、誰かを守るために力を行使しようと。頭も悪くて、他に取り柄のないオレには、それしか思いつかなかった。
しかし、こうして思い返してみると、いまでも不思議に思うことがある。出会ったばかりの頃、オレがいくら邪険にしても、無視しても、七季さんは関わることをやめなかった。それだけ仕事熱心ということだろうか。そんな姿に根負けしたオレは、いつしか彼に心を許すようになったんだ。
妹のサーヤを前にしては言えないし、照れ臭くて本人にも言えなかったことがある。
なあ、七季さん。あんたはオレにとって父親のような存在だったよ。
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