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透愛と樹李
18.
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「嫌いなところなんて一つもない。腹の立つことはあっても、次の瞬間にはやっぱり好きになってしまうから」
「やっ、やめろよ、やだってばぁ……」
「どうして? 聞いてよ。まだまだ言い足りないんだ。きっと一生、言い尽くせないだろうから」
姫宮の唇から出てくるわ出てくるわ、甘ったるい言葉の数々に腰を引きかける、が、がっちりと固定されているので逃げ場がない。
「毎朝、毎晩、毎秒毎日、四六時中、君のことを考えているんだ。君を見ていると、君に対する愛しさが際限なく膨らむばかりで、どうしたらいいかわからなくて。橘、僕はどうしたらいいんだろう。教えてくれる?」
「もういい! もーいいっ……!」
ううう、と姫宮の肩をぺしぺしと叩く。それでも姫宮は止めてくれない。
「ねぇ、愛おしい、橘……愛らしい橘、僕の……」
「やっ」
「──僕の、透愛」
「……っ、ン」
じゅ、と耳たぶと耳翼のくぼみを啄まれて、肩がぴくんと跳ねる。
「……さっきはね、君があまりにもカッコよくて、惚れ直していたんだ」
「うぅ……」
甘い爆弾攻撃を連続でぶちかまされてへろへろでいると、愛おし気に頬ずりをされた。ちょっと髭が当たって痛い。でもそれが心地よい。
くそぅ、さっきまでベソっかきで泣き虫のガキんちょだったくせに。
俺の私物を盗んで変態行為を働く変態男のくせに。
「ねぇ、抱きしめてもいいかな?」
「……も、言う前に、してんじゃ、ねぇか……」
唇が近づいてくる。
姫宮の丸みを帯びた黒い瞳に吸い込まれそうになった。俺の方が抱きしめてやるとか思っていたのに、姫宮の方が腕が長いせいで、すっかりこいつの懐に閉じ込められてしまった。
避けるなんて選択肢、あるはずもなく……避けたいと、思うはずもなく。
「ン……、む」
あむ、と上唇を柔く噛まれて、軽く引っ張られた。
「キスを、しても?」
「……だから、してんじゃ……ン」
言い切る前に塞がれた。
ちゅく、唇の端から端までを啄まれ、角度を変えては何度か、押し付けられる。姫宮と睫毛が重なるぐらいの至近距離で目を合わせながら、軽く、浅く、時折深く、舌の先をじっとりと絡めるようなそれをしばらく繰り返す。
唇を離されるタイミングで、「橘」と、何度か呼ばれた。
──可愛いって言われているみたいで、腹の奥の奥が疼く。いつも姫宮の先っぽで、ぬちぬちと突いてもらう子宮の口がくぷ……と開閉するのが、自分でもわかる。
「は……ふ」
「とあ」
「っ……ひゃ」
唇の横から零れた涎を、つう、と舌で舐め取られた。生暖かくてぬらついた感触に、姫宮に乗り上げた尻を少し揺らしてしまう。
快楽に慣れた身体なので、これはもはや条件反射だった。
「やっ、やめろよ、やだってばぁ……」
「どうして? 聞いてよ。まだまだ言い足りないんだ。きっと一生、言い尽くせないだろうから」
姫宮の唇から出てくるわ出てくるわ、甘ったるい言葉の数々に腰を引きかける、が、がっちりと固定されているので逃げ場がない。
「毎朝、毎晩、毎秒毎日、四六時中、君のことを考えているんだ。君を見ていると、君に対する愛しさが際限なく膨らむばかりで、どうしたらいいかわからなくて。橘、僕はどうしたらいいんだろう。教えてくれる?」
「もういい! もーいいっ……!」
ううう、と姫宮の肩をぺしぺしと叩く。それでも姫宮は止めてくれない。
「ねぇ、愛おしい、橘……愛らしい橘、僕の……」
「やっ」
「──僕の、透愛」
「……っ、ン」
じゅ、と耳たぶと耳翼のくぼみを啄まれて、肩がぴくんと跳ねる。
「……さっきはね、君があまりにもカッコよくて、惚れ直していたんだ」
「うぅ……」
甘い爆弾攻撃を連続でぶちかまされてへろへろでいると、愛おし気に頬ずりをされた。ちょっと髭が当たって痛い。でもそれが心地よい。
くそぅ、さっきまでベソっかきで泣き虫のガキんちょだったくせに。
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「ねぇ、抱きしめてもいいかな?」
「……も、言う前に、してんじゃ、ねぇか……」
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避けるなんて選択肢、あるはずもなく……避けたいと、思うはずもなく。
「ン……、む」
あむ、と上唇を柔く噛まれて、軽く引っ張られた。
「キスを、しても?」
「……だから、してんじゃ……ン」
言い切る前に塞がれた。
ちゅく、唇の端から端までを啄まれ、角度を変えては何度か、押し付けられる。姫宮と睫毛が重なるぐらいの至近距離で目を合わせながら、軽く、浅く、時折深く、舌の先をじっとりと絡めるようなそれをしばらく繰り返す。
唇を離されるタイミングで、「橘」と、何度か呼ばれた。
──可愛いって言われているみたいで、腹の奥の奥が疼く。いつも姫宮の先っぽで、ぬちぬちと突いてもらう子宮の口がくぷ……と開閉するのが、自分でもわかる。
「は……ふ」
「とあ」
「っ……ひゃ」
唇の横から零れた涎を、つう、と舌で舐め取られた。生暖かくてぬらついた感触に、姫宮に乗り上げた尻を少し揺らしてしまう。
快楽に慣れた身体なので、これはもはや条件反射だった。
32
【代表作】(BL)
・完結
「トイの青空」
・連載中
「月に泣く」
・番外編連載中
「ヤンデレ気味の金髪碧眼ハーフの美少年に懐かれた結果、立派なヤンデレ美青年へと成長した彼に迫られ食べられたが早まったかもしれない件について。」
更新情報&登場人物等の小話・未投稿作品(番外編など)情報はtwitter記載のプロフカードにて。
宝楓カチカ(twitter)
・完結
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・連載中
「月に泣く」
・番外編連載中
「ヤンデレ気味の金髪碧眼ハーフの美少年に懐かれた結果、立派なヤンデレ美青年へと成長した彼に迫られ食べられたが早まったかもしれない件について。」
更新情報&登場人物等の小話・未投稿作品(番外編など)情報はtwitter記載のプロフカードにて。
宝楓カチカ(twitter)
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