夏の嵐

宝楓カチカ🌹

文字の大きさ
上 下
27 / 227
7年前

13.*

しおりを挟む
「……ッ、は、ぁ。全部入ったよ。橘、聞こえてる? ふふ、聞こえてないか……起きて」

 撫でられていた尻をぱちゅんとゆるく叩かれ、意識が戻る。

「は……ぁ、は、ふぅ」
「君の中、すごくあっついや。入れただけなのに、もうとろけそうだ」
「くる、しぃ……」
「大丈夫、すぐに馴染むよ。君の体は、僕を咥え込むように出来てるんだから」

 根本まで異物を埋められた薄い腹は、はち切れんばかりにぽっこりと膨らんでいた。
 非情な律動は、「じゃあ、動くね」の一言で始まった。

「ひっ、あぅ……ぅく、ァア」

 最初は浅いところで、慣れてきたら深く。
 ぐぷ、ぶぼっ、ぶぼぼっと空気が破裂するような音が響く。

「……っは、見て橘。繋がってるとこ泡になってる。はあ、ぬるぬるだ……」
「うぅう…… あ、ぁあっさけ、るッ……お尻、さけ……ッぁっあ」

 ずるぅんっと抜けそうになるぐらい引き抜かれ、じゅぶんっと突き上げられる。

「ひぃああ、あ──っゃ、ふか、ふかいぃ」
「うん、深いね………こんなところまでとろっとろ、だ……っ、もっと、もっと」
「ひ、ぃいいい!」
「──っ、あぁ、……入る、入ってく……すごい、ねっとり絡みついてくる……っ、たまらない」

 ぐっ、ぐっと腰を押し込められ、奥にある一番狭い部分にずぼっと嵌められては、柔い引っ掛かりを味わうようにジュポジュポと腰を回されて、髪を振り乱して絶叫した。

「お、おく、お……くぅッ、ァ、やぁ……こわれッ……る、ぅぅ」
「うんうん、おく、いっぱい気持ちいいね……もっと進めるかな」
「ひ、ぃいいい!」

 容赦のない突き上げに、くねくねと蛇行している狭い道が、姫宮の形に沿って作り替えられていくのがわかる。腹が重い、苦しい、辛い。

「もっ、ゃ……ずぼずぼすんの、やァあ……!」

 泣いて懇願しても、急いたように股関節を広げられ、激しく責め立てられた。

「あう、ひぁ、ァッ、ひぅんっ」

 姫宮の肩でガクガクぶれる足先から、下着がついにずり落ちた。姫宮は気付かない。俺に覆いかぶさり、ぐちゃぐちゃと中を食い荒らすことに夢中だ。

「橘、とあ……あぁ、夢みたいだ。これが本物の、透愛のナカ……ほら聞こえる? 僕のペニスの先っぽで、透愛の子宮の唇にちゅって、キスしてるんだよ……はァ、いやらしいなぁ」

 れろ、と靴下を履いたままの足に舌を這わせられ、足指をはむ、と咥えられた。

「ふふ、いつもと同じ、綿の、靴下だね……ん」

 唾液を擦り付けるように足を舐られて、濡れた布がべったりと張りついて気持ち悪かった。靴下は、あっという間に姫宮の唾液でぐしょぐしょになった。

「ああ、いい、透愛……っ、もっと……もっと、とあ……透愛っ」

 姫宮が仔猫のような声で、喘ぐ。さくらんぼのような唇で、甘ったるく俺の名前を呼び続ける。姫宮の額に滲んだ汗が、ぽたぽたと降りかかってくる。
 見てはいけないものを、見ている気分だった。
 これが、理性を失ったαだなんて信じられない。
 それに、もっと信じられないのが。

「っ……は……ぁア、ぁン、んぁ」
「ナカ、すっごく柔らかくなってきたね。透愛、気持ちよくなってきたんだ」

 そう。抉られるたびに、痛みとは違う疼きが腹の奥からじわじわと染み出してくる、自分の体だ。
 中から、水っぽいものが溢れてくる感覚がある。しかも、腹の上でくたりと萎れていた陰茎さえもが、穿たれる動き似合わせてむくむくと起ち上がってきた。
 これまでとは明らかに違う、その感覚。

(なんで、俺……)

 腹の中で暴れまわる異物がとある箇所を掠めた瞬間、勝手に腰が浮いてガクガク上下し始めた。

「──ッ……ッッア!」
(な、なに!?)

しおりを挟む
感想 141

あなたにおすすめの小説

変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話

ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。 βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。 そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。 イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。 3部構成のうち、1部まで公開予定です。 イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。 最新はTwitterに掲載しています。

美形な幼馴染のヤンデレ過ぎる執着愛

月夜の晩に
BL
愛が過ぎてヤンデレになった攻めくんの話。 ※ホラーです

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載

元ベータ後天性オメガ

桜 晴樹
BL
懲りずにオメガバースです。 ベータだった主人公がある日を境にオメガになってしまう。 主人公(受) 17歳男子高校生。黒髪平凡顔。身長170cm。 ベータからオメガに。後天性の性(バース)転換。 藤宮春樹(ふじみやはるき) 友人兼ライバル(攻) 金髪イケメン身長182cm ベータを偽っているアルファ 名前決まりました(1月26日) 決まるまではナナシくん‥。 大上礼央(おおかみれお) 名前の由来、狼とライオン(レオ)から‥ ⭐︎コメント受付中 前作の"番なんて要らない"は、編集作業につき、更新停滞中です。 宜しければ其方も読んで頂ければ喜びます。

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭

勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話

バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん< 山野 石郎 >改め【 イシ 】 世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中・・俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない< 覗く >という能力だけ。 これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。 無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。 不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!

処理中です...