トイの青空

宝楓カチカ🌹

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雨音

127.

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「あ、ァ、ぁッ……あっあ…ぁッ……ぅ、ぁ」
「どこがいい」
「そ、こ……ッ、あっ…あっ、そこぉ」
 ぐじゅぐじゅと果実が潰れるような水音と共に何度も腰を打ち付けられる度、極限まで広がった奥がずぼずぼと広げられていく。もう奥まで来たのにまるで果てがない。
 抜いてほしいと切に願っていたのに同じくらい貫いてほしくてトイは自ら足を開いて貪欲にソンリェンを迎え入れた。
「──ぁ、はぁ……ぁんッ、そこだめっ、だ、ぇ……!」
 律動に緩急がついてきた。ソンリェンと繋がった部分は穿たれれば穿たれるほどどこまでも熟れていく。
 口の端から飲みきれない涎がだらだらと垂れる。ばちゅんばちゅんと、快感を求めて震える膣内の奥に広がる襞すらも叩き潰されてトイは顔をのけぞらせて絶叫した。
「い、やぁああッ……ぁア……!」
 上を向いている幼い肉の芯が、律動に合わせてゆらゆらと震えている。抉る動きに合わせてはしたなく涎を垂らす茎を手持無沙汰にごしごし擦りあげられただけで、トイはぐしゃりと顔を歪ませながら3度目の精を放った。
「ぁ、ァあ……ぁ…ッ……」
「まだまだ濃いな」
 それでも、まだまだ熱は治まらない。
「──痛いっ、痛いぃッ……よお、んぃ、ァ……あん、ん」
 痛いとうわ言のように呟くトイに、ソンリェンはせせら笑った。
「痛えわけねえだろ、どろどろ零しやがって」
「あ……ぁあ、ぁあ、ァ……ぁ」
 繋がった所がにちにちと泡立ち、ソンリェンの赤黒い肉欲がトイの甘いところをさらにかき回してくる。身体の奥で膨れ上がるマグマのような熱から逃れたくて、トイは必死に足指を丸めた。
「あっぁ、アッ……ぐ、やら、あ……ぁあ」
 広がり切った内部は鋭く擦られ続けてとても痛いのに、それ以上にものすごく気持ちがいい。首に、耳たぶに、鎖骨付近に噛みつかれても、痛苦は圧倒的な快感へと変わっていく。
「いいっ……あ、ぁ あ あ」
 荒々しく迫りくる波に飲みこまれ、無我夢中でソンリェンから与えられる熱に善がり狂うことしかできない。トイは身悶えながら両脚をソンリェンの腰に巻き付かせ、自ら腰を振った。
 さらなる快感を求めるために。
「ァッきも、ひ……そこぉ、つい…ついてッ……ぁ、いい、いっ……!」
「……の、淫乱が」
 ソンリェンの瞳にトイの上気したみっともない頬が映っていた。
 目じりに溜まった水滴が日の光を受けてきらりと流れる。淫乱だと言われたがその通りだ。喉が痛いはずなのに、溢れる嬌声すらも止められない。
 ソンリェンの大きな手の中にあるトイの陰茎は、出したばかりだというのに先ほどよりも芯を持ち、彼の手の中で激しく脈打っていた。少し刺激を与えられてしまえばきっとまた弾ける。
「あ、ァ、あ、き、きちゃっ……きちゃ……うぅッ」
「好きに出せ」
 いつものように汗ばんだ前髪を払ってほしいのに、ソンリェンはトイを冷たく見下ろすだけで何もしてくれない。
 けれどもその冷えた視線すらも、今のトイにとっては快感に変わる。
「あ、あっ、あぁ……あぁあッ、だめ、だ、あ、だめ……いっちゃ、また、イ、イく……っちゃ、ぅ、や、ああ」
 ひっきりなしに伸び切った足で地面を蹴り飛ばす。土で汚れても構えなかった。
「きも、きもちぃよぉ……あッ、ァ、あ、ああ……イくっ、い、ぐ」
「この色狂いが」
 嘲笑されながら、尖り切った胸先を交互にしゃぶられ泣き叫ぶ。
 ただ熱を解放したくてたまらない。壊れるくらいにトイの胎内を掻き回してくれる肉に、トイは恍惚とした表情を浮かべながら腰を突き出した。


『玩具以下にしてやるよ』


 絶え間ない熱に煽られながら、トイはずっと泣いていた。
 痛い、こわい、苦しい、辛い──寂しい。
 トイはずっと、玩具だった、人形だった。
 人間になりたいと願うこと自体、愚かなことだったのだ。
 ソンリェンの望む通り、いっそのことこのまま悦楽を求めて泣き叫ぶ人形になってしまえば苦しくなくなる。
 哀しみもわからない、感情のない玩具に──それ以下になってしまえば、自ら心を壊してしまえば。



 楽、に。







「トイ?」






 耳に届いたか細い声に、一瞬にして熱が下がった。
 かくかくと震えて思うように動かない首を回す。そう遠くない場所で、がさりと草をかき分ける音が響いた。


「トイ、そこにいるの?」


 トイが聞き間違えるはずがない。
 それは紛れもなく、トイの友達の声だった。



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