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亀裂
108.
しおりを挟むトイの身体は特殊だ。女性器への刺激を受けて絶頂を迎えるのと、男性器への刺激で勃起、射精するのは連動してはいるが明確に言えば違う。
だがこの二つが性感帯がぴたりと合わされば、とんでもない快楽にトイは理性を飛ばし無我夢中で相手の身体を求める。
1年前まではほぼ毎日そういう風に、ソンリェンを除く3人の男たちにめちゃくちゃにされていた。
そしてそんな時のトイは自分がどんな顔をしているのかも気にせず、ぐしゃぐしゃに顔を歪めてがむしゃらに快楽を求めてくる。
そんな淫らなトイが見たくて、ソンリェンだけを求めるトイが見たくて。
こうしていつも、トイの身体に過ぎる快楽を与え、激しく組み敷いてしまうのだ。
「は、ァっ…ァ、あン、あっ……や、はッ……ああァっ」
断続的な悲鳴が不揃いになってきた。そろそろか、と小さな臀部をさらに上へと向かせて、奥の一点に向かって真上から腰を打つ。
「そん、りぇ……っひあ、あぁ……」
電流が走ったかのようにびくんっと目を見開いたトイは、何をどうされたのかがわからないのかはくはくと打ち上げられた魚のように仰け反った。
二つの快楽が同時に高まるように一旦肉欲を扱くのはやめて、同じくビクビクと痙攣しっぱなしで突っ張る足を抱え直して深く穿つことだけに集中する。
こうなったトイは痛みの中から激しい快感を拾う。
「ァッ! あ…ぃた、ァっ……う、ァァ!」
「何が、痛いだ」
「ん、くる、しッぃ…おなか、くるし……」
「苦しいのがいいんだろ? ほら」
「ひゃ、ぁ……」
快楽に喘ぐトイの膣が波のように蠢く。その締め付けに、ソンリェンの額から溢れた汗がトイの首元へぽたぽたと垂れる。今ソンリェンの顔もきっと快楽に満ちた表情になっているに違いない。
トイは叩きつけられる熱に視界すらも白く濁り、目の前にあるソンリェンの顔も見えていないだろう。仮に見られていたとしても、トイであれば構わないが。
「や、ァあァ──ッ!ァ、あ……ひ、くぅ…」
強張っていたトイの身体が、強制的にぶつけられる悦楽にどろどろに溶けた。
シーツを掴む手が緩んだのを見計らって首の後ろまで持っていけば、縋る場所を得られて安堵したのかぎゅっと力の限り抱き着いてきた。
泣きすぎたせいで鼻の頭が赤くなり、鼻水も垂れている。そんな呆けた顔に唐突に愛しさが増して頬を擦り合わせる。トイの熱い呼吸すらも愛おしい。
「こら、あんま抱き着くな……動きづれえだろうが」
しがみ付かれる嬉しさが声に出てしまったが、理性を飛ばしかけているトイには聞こえていないだろう。仕方なくとりあえずは小刻みに、だが確実にトイの感じる奥まった場所をぐちゃぐちゃに潰し退路を断つ。
溢れ出る透明な体液が増して結合部から溢れ、トイの潰された腹部に溜まり、そして腹の上でぶるぶると揺れる性器に垂れていく。その光景があまりにも淫猥で。
「はっ、ァぁ! あ、ァ……あン…ゥぁ……」
まだ序盤だと言うのに、古いベッドがグラインドするほど激しくピストンしてしまった。
「や、お、おく、お……くぅッ、ァ、やぁ……」
「……もう、奥まで来てンだよ」
「ァ──、ァッ!」
「いいのか、ん? トイ」
「や、あぁ……」
「ヤじゃねえだろ」
「んっ、い、ィい、っん…いいっ……あ、ァんっ」
唇の端から零れた舌を時折吸ってやりながら問いかければ、とろんと淀んだ赤い瞳がソンリェンを見上げて来た。
今、トイはソンリェンのことをソンリェンだと認識しているのだろうか、それともよくこんな風にトイを犯していたロイズやエミーだと思っているのだろうか。
「気持ち、いいか」
「は、ひ…きもひ……きもち、よっ、ッぁ…ア」
「いい子だ」
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