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勇敢な子豚
25.
しおりを挟む煙草を吸っている時が多かった気がする。こういった奉仕を命じられる時は。
気がするというのは、正直ほかの3人に比べてソンリェンとするセックスは淡白で印象が薄かったからだ。もちろんソンリェンは鬼畜で暴力的で、3人と同じように歪んだ破壊衝動をぶつけてくる相手ではあったが、彼らに比べて執拗ではなかった。
自慰の片手間にトイを使う、終始そのような感じだった。
朝勃ちした時や、その気になった際に部屋に呼び出されては、用があるのは下半身だとばかりに下を脱ぐよう命じられ突っ込まれる。気まぐれに膣や尻を使われ、気分でこうした奉仕を強要される。仲間と一緒に、興が乗れば輪姦される。
他の3人のように、朝まで同じベッドで眠ったこともない。事が終わればさっさと追い出されていたからだ。望んでいない激しい愛撫の合間に睦言を囁かれたことも、卑猥な言葉を強要されたりもしなかった。
エミーとレオによくさせられていた恋人ごっことやらを彼としたこともない。トイが何かしらの粗相をした時のお仕置きだって、他人がやっているのを見かければ混ざって暴行してくる程度だ。
それに、両性のトイに対して気味の悪さのような感情すらもきっと抱いていたはずだ。彼はトイの男性器にはほとんど触れようとはしなかったのだから。彼の地雷を踏み抜いて踏み潰されそうになった時はあったけれども。
彼は他人に対する興味が薄く、常にトイのことなどどうでもいいという態度だった。トイを捕らえた時すらソンリェンはおらず後から混ざってきたくらいだ。皆が遊んでいるから手を出す、ソンリェンにとってトイはそれだけの存在だった。
だから尚更わからないのだ。どうしてソンリェンがトイを探しにきたのか。
ソンリェンはあの中で一番モテる男だと、レオがよく愚痴っていた。顔の造形が女性と見まごうほど美しいからという理由もあるのだろう、恋人が何人もいる様子だった。トイは屋敷の外には出してもらえなかったが、屋敷に帰ってこない日はソンリェンが一番多かった。
性衝動に不自由はしていないはずだ。なのになぜ、トイのところに来るのかがわからない。
暴力的な行為だって、引く手数多の彼ならば恋人たちにそういったプレイをさせることも出来るはずだ。
外では清廉潔白な紳士を装っているロイズと違って、屋敷の中でも外でもソンリェンの冷たい他者への態度は基本変わらないのだから。
俺のもンだなんて台詞も、今まで吐かれたこともなかったのに。
ダメだ、考えてもわからない。ただトイは前と同じようにソンリェンの玩具になることを求められている、それだけは確かだった。
「んっ、うう、ん……」
口に含んだ時、最初に思ったのは慣れた味だという感想で、そんな自分の思考が嫌だった。
これまでと同じように、口の中に受け入れた太く長い肉の竿を必死に頬張る。ソンリェンのそれはトイの小さな口に余るほど大きい。
いくらしゃぶり慣れているとは言え、性処理道具として扱われているという嫌悪感はじわじわとトイの身体を蝕んでくる。
「──ぅ、ぐ、ふ、ぅ……」
直ぐに圧迫感を増してきた性器の根本を手で押さえながら、包み込むように舌を絡める。
トイの唇の隙間から零れる、濡れた音が狭い部屋に響いていた。時折ちゅぽんとわざと音を立てて口腔から引き抜き、根本部分を小さな指で擦りながら太い根本からひくつく割れ目までを往復するように頭を動かし、舌を這わせる。
トイの唾液で濡れそぼったそれが僅かに硬くなれば喉の奥へ咥え込み、血管が脈動する裏筋を上顎にこすり付けて頬と舌でしゃぶる。これを何度か繰り返すうちに口の中の滑りがどんどんと増してゆき、太く長い杭が徐々に強い芯を持ち口の中で存在を主張し始めた。
どこをどう愛撫すればソンリェンのこれが反応するのかなんて、嫌でも覚えている。
「おい」
ふいに声をかけられて驚いた。
口で咥え込まされている最中、彼に声をかけられることなんて滅多にないのに。
「顔上げろ」
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