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春日──30
しおりを挟むぱちりと、目が覚めて真っ先に思ったこと。
食われた。骨の髄まで食らい尽くされた。
あと痛い。いってえ、ケツがめっちゃ痛え。
身動ぎするたびに酷使された後孔がぴりぴりと痺れるし、中に出された白濁液やら何やらがどろどろ溢れてきて冷たくて気持ちが悪い。
互いの体液で肌がかぴかぴに乾いているし、それなのに大量の寝汗でシーツが濡れていて気になるし、しっとりしていて落ち着かない。
心の底から疲れた、少しも動けない。残業が続くよりもキツイ、体のあちこちが痛い。何より腰から下の鈍痛……というよりも激痛がやばい。
今の春人の状態は、打ち上げられて身動き一つ取れなくなったマグロだ。
最初からそのつもりだったのか、琉笑夢は用意周到だった。
素知らぬ顔でローションやらゴムやら必要なものは琉笑夢の小さいカバンの中から取り出された。
つまり最初から何が何でも犯す気満々だったということだ。
しかし、この野郎と怒鳴る前に、長くて筋張った指と巧みな舌使いにあっと言う間に白濁を絞り出されて戦意を削がれた。
後孔がふやけそうになるほどたっぷりと舐められ、冷たいローションで解され、どこで覚えたのか指で前立腺を気が狂いそうになるほどにぐちゃぐちゃと責め立てられて、2回ほど吐精させられた。
琉笑夢の男芯がずぶぶっと押し入って来た時の衝撃は忘れられない。
散々慣らされたというのに、一瞬意識が飛んだ気がした。
何を口走ったかどんな行動を取ったのかも覚えていない。もしかしたら琉笑夢を押しのけようとしたかもしれない。
ただ、落ち着け、逃げんな、息をしろ、と比較的穏やかな琉笑夢の声が聞こえてきたので、ようやく意識が浮上し引き上げられるように目を開けることができた。
胃が下から押しつぶされそうなほどの圧迫感と、狭い窄まりをぎちぎちと強引に押し広げてくる痛みに耐えきれず涙が零れた。
同時に下げた視線に、挿入された琉笑夢の形にぽっこり膨れている自分の薄い腹が飛び込んできて、恐ろしさにまた泣いてしまった。
正面からも横からも挿れられたし、抱え上げられて下から串刺しにもされた。またベッドに這いつくばり尻を上げさせられた状態でも挿れられた。
そのため体重を長く支えていた両脚もろくに立ち上がれなくなるほどにガクガク震えている。生まれたての小鹿か、なんて自分自身に突っ込む気力もない。
丹念に慣らされたおかげか括約筋が切れることはなかったが、散々擦られ内部を掻き回されたせいで力を込めてもまともに締まらない。だからずっと中に吐き出されたものが零れている。
引き抜かれた今でも、琉笑夢のぶっとい肉棒がいまだに突き入れられているかのような圧迫感と異物感に苛まれたままだ。
もしかして、ぽっかりと空洞みたいになっているのだろうか。
やばい、怖すぎて確認したくない。
琉笑夢には、「お尻の穴ひくひくしてて可愛い」だの「もう二度と締まんねえかもな」などと恐ろしい言葉で揶揄られ脅されもしたが、もしも本当に締まらなくなってしまったらどうしよう。
責任を取れと叱りつけるのは簡単だが、ぶっちゃけ琉笑夢に支えられて二人でクリニックを訪れるのだけは絶対に嫌だ。
琉笑夢の顔がバレたら大変なことになるだろうし、週刊誌にあの「diDi」が肛門科通いなんて記事にされた日には罪悪感でどうにかなってしまいそうだ。
そして同じくらい琉笑夢に下の世話をされるのも嫌だ……嬉々としてやりそうではあるが。
琉笑夢も琉笑夢だ、ゴムが切れちゃったから中に出していい? なんてお願いしてきたくせに、結局確認したところゴムはまだあった。
三回分の白濁液が腹の中にたまっているので腹を下したら奴のせいである。
激しく穿たれいい所を擦られ喘がされ思考がとろけている最中に、耳元でそんなことをささやかれたら誰だって断れないだろう。たぶん奴はそれを見越して言ったはずで、まんまとやられた。
2時間ぐらいでへばってもう休ませてくれと懇願したがやはり許してはもらえず、結局朝日が窓から差し込んでも組み敷かれていた。
薄っすらと聞こえてくる小鳥のさえずりすらも濡れた音にかき消されて朝になったことになかなか気が付かなかった。
こっちは素人なんだから勘弁してほしいとへろへろになりながら叫んだが、こっちも素人だと返されてしまえば何も言えなくなった。
正直に言おう。
10代の性欲なめてた、マジで。
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