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幸せな旅

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「光…どういうことなんだ!」


自宅に入ってすぐの玄関で光に問い詰める。


「言うのが遅くなってごめんね。
本当は子供を作るつもりはなかった。
でも僕がいたから、あの人と関係が拗れたのに、それで苦しむ徹を見ておいて、何もしないなんて無理だった。」


「光が、いれば…」


俺は、それでもよかった。
光となら子供がいなくても幸せに暮らせるから。


「あの人から逃げることはできないでしょ?
逃げたって、権力と財力を全て使われたら結局は捕まる。」


確かにそうかもしれない。
薬を使ってでも俺を手に入れそうとしたくらいだから。


「その時は、僕達2人とも無事ではいられない。
僕は殺されて徹は閉じ込められるだけ。
もしそうなったら徹はどうする?」


「そうなれば俺も…」


「僕はそうしてほしくない。
徹には幸せに生きていてほしいから。
だから僕達の子供がいれば、徹は死ぬ選択をしないでしょ?」


「でも、光が…」


「僕も本当はずっと、徹との子供が欲しかった。
だから僕は今、後悔じゃなくて幸せを感じてる。」


光が俺の手を掴み、未来が宿るお腹に振れさせる。


「まだ小さいから胎動はないけど、それでも僕達の子が育ってるのわかるでしょ?」
 

「うん…分かるよ。」


「僕が死んだ後は、この子をよろしく。
徹は父親なんだから。」



「それは光だって…」


涙が溢れる。
僕達の子供ができて嬉しいのに、光を失うのは悲しくて怖い。



「徹、愛してるよ。
徹が悲しむのは嫌だけど、僕のために悲しんでるのは凄く嬉しい。
僕は今までずっと徹に愛されて幸せなんだ。
死んでからだって、徹は僕との子を溺愛してくれるから寂しくないよ。」



「光ッ…」


悲しみと愛しさと切なさが同時に込み上げ光を強く抱き締める。



「俺はこれからもずっと光だけを愛すよ。」


「うんッ…!ありがとう。」


────────


8ヶ月後


あれから俺達は住んでいた家を売り払い、旅に出た。

光が行きたい場所を、全て回る幸せな旅。
もう既に何ヵ所も巡り終え、今日は旅の最終日。
光は臨月を迎え、旅の後は病院で入院することになっていた。



「こんなに遠出したのは新婚旅行以来だね。」


泊まっているホテルの部屋で、明日のための荷作りをしていると窓から夕焼けの光が差し込む。
この部屋の窓からは、夕焼けに照らされた海が見える。

俺は深呼吸する。



「綺麗だね、徹。」


「光…」


窓際のソファに光を座らせ、片膝をつく。


「愛してるよ。
これから先もずっと君を愛することを誓う。」


「徹…?!」


「結婚してください。」


「け、結婚は、してるじゃん?」


顔を真っ赤に染めて慌てる光を、ずっと目に焼き付けておきたいと思った。


「もう一回プロポーズしておきたかったんだ。
俺は…光がいなくなっても子供と一緒に、ずっと愛してるから。」


「徹…」


光の目から涙がこぼれる。
目と目があって、唇を重ねる。


「ん…ふぅッ…」


次第に光の目が蕩け出す。
可愛くて軽くついばんでいたキスが深くなっていく。



「光…」



「いいよ、シて。」


その言葉に俺は、光を姫抱きでベッドまで運ぶ。


「徹ッ…」


光の足を開き、その間に顔を埋める。


「ッな?!」


未だに照れている光が初心で可愛い。


「念入りに解すよ。」


俺は興奮を我慢できずに、ぐっと中へと舌を這わしながら片手では光のを焦らす。



「ふぅッ…はぁ…ああッ!
やぁ…もうッ!!!」


「怒った…?」


早めにイかされたのが不服なのか、光が拗ねる。


「可愛い、光。」


堪らず光の顔に近づき、唇を重ねる。



「ふぁッ…とお、る…入れて?」


光の蕩けた表情に理性が焼き切れる音がする。


「光…ッ!」



「んッ…ゆっくり、して。
あか、ちゃんが驚いちゃうでしょ…」


「ゆっくり、するよ…」


スローペースで腰を動かしながらじっくりと光のイイとこを擦る。



「あッ…んああッ…とお、るの…いじわる…あぁあッ!!」


うねる光の中に、俺も堪え切れず果てた。

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