追放された私の行方

無味無臭(不定期更新)

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監禁  ※無理やり描写あり

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「やめて…!
ハンク…!」


私は拘束される手をできるだけ動かす。
しかしそんな私の抵抗は呆気なく制止されてしまう。


「諦めろ。」


一言、そう吐き捨てたハンクは私の服を脱がし始める。

私は恐怖で涙が出る。

なんで?
どうしてこんな目に会わないといけないの。
私に関わらなければいいのに…もう嫌。


「君が泣くのを見るのは初めてだ。
いつも僕に対して無表情だった癖に、今はただの生娘という反応だな。」


ハンクは私を嘲るように笑った。
私が裸になると、イヤらしい目で私の体を見定め始めた。

気持ち悪い…
私はその視線から逃れるように顔を反らす。
僅かにできる抵抗がこればかりという自分の無力感にまたも涙が溢れだす。

そんな私をよそに彼は私の体をまさぐり始める。
そして自分の熱くなるものを私に押し当て始める。


「痛い思いをしたくないなら、無駄な抵抗はやめることだな。」


ハンクにそう脅されれば私は迂闊に動くこともできなくなった。
怖い…
彼の手が私の股を開く。
そして私のを舐め始める。

その感触に私は吐きそうになるのを腕でおさえるしかなかった。

誰か…
ミゲル、ミゲル…

必死でその名を叫ぶも、私の声は届かない。


「声を抑えるな。
君が僕に屈した啼き声を聞かせろ。」


私が…何をしたっていうのよ。
無理やり腕を剥がされ、自分の声が漏れ始める。

痛い…
苦しい…

私はただその苦痛に涙を流すことしかできなかった。


──────────


ふと、目を覚ますと部屋に光が差し込んでいるのが見える。
朝か昼間?
辺りを見回すも、ハンクの姿はなかった。

私は酷使された体に鞭を打って起き上がろうともがいた。
しかし案の定、わたしの腕は拘束されたままでその動作も叶わない。
そしてもがいた拍子に、股下を不快な感触がつたう。

今更ながら、避妊もされなかった事実を実感して私は顔を歪めた。
昨日はあのあとほぼ記憶がない。
途中で気絶したらしい。


「起きろ。」


と、部屋の扉が開いてハンクの姿が見える。
私の体が反射的に強張る。


「…起きてたか。
朝食をもらってきた。」


そう言ってハンクは、パンを手にした紙袋を私に見せた。
ふと、紙袋のロゴが目に入る。
このお店、知ってるわ。

何度か利用したことのある見覚えのある店の情報に私の家から意外と遠くない場所に監禁されていることを知った。
ミゲル王子、気付いて…私はそう強く願った。


「食べないのか?」


ハンクにそう聞かれる。
食べるも何も、手を縛られている状況でどう食べろというのか。


「拘束された手では食べれません。」


私はハンクを睨みながらそう答える。


「そうか、それなら僕が食べさせてやろう。
昨日はすぐ気絶したから面白くなかった。
今日は体力をつけて意識を保ってもらうぞ。」


まだ、あるの?
このまま解放されることはない。
その現実に私は狼狽える。

ハンクは妊娠するまで私への乱暴をやめない。
私はその間、正気を保っていられるの?

またも、そんな絶望と恐怖が私を支配した。
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