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準備
しおりを挟む「レジーナ、綺麗だよ。」
エリックがそう言った。
「ありがとう、貴方も格好いいわよ。」
私もそう返す。
今日 私達はいよいよ結婚する。
緊張で震える私をエリックが抱き締める。
「大丈夫だよ。
きっと君のお母様も喜んでくれてるよ。」
そう言われて私はグッと涙をこらえる。
そうよね。
本当はお母様にも見せたかった。
お母様、会いたいわ。
寂しい。
でも…今の私は大丈夫よ。
辛い時に支えてくれる人がいるの。
そう思いながら私はエリックを抱き締め返す。
「…もう準備はできてるから。」
「え?
何の…」
「突然だけど、君のお母様を殺した令嬢を庇った親子が治める国を攻めようと思う。」
は…?
「君のお父様もこっちに来たことだし、もうあの国は必要ないだろう?
だから…」
「ちょっと待って、一体どういうこと?」
私は動揺しながら聞く。
「え?
何って…君のお母様を殺したのに何のお咎めもなしなわけないだろう?
大丈夫、君は悪くない。
悪いのは…」
「エリック、もういいのよ。
私は貴方のおかげで悲しみから立ち直れたわ。
だからあの人達には何もしなくていいの。」
私はエリックにそう伝える。
「君がよくても僕が許せないんだ。
君を傷付けた代償は必ず払ってもらう。」
エリックはそんな強い眼差しで私に宣言した。
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