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「お前もグルだったんだな!」


親友だった王子にそう言われて投獄されることが決定した。

俺は前世持ちだ。

だからこの展開も既に知っていたし驚くことではなかった。

だけどこうならないように気を付けていたのに…


ーーーーーーーーーーーーー


ここが物語の世界だと気付いたのは生まれてすぐのこと。

赤子ながらに姉上を見て卒倒した。


『俺の姉 悪役令嬢じゃん!』


目を覚ました俺はそんなことを思いながら大泣きした。


『てことは俺も悪役令息なんですけど?!』


ここは前世の妹が呼んでた異世界ファンタジー小説にそっくり。

よく妹が読むものだからとリビングの机にドンと置かれていた。

その小説の表紙の右端にいた令嬢が今世の姉だった。

妹が聞いてもないのによく語ってくれたので内容はバッチリだった。


『この小説に出てくる悪役令嬢の弟 悪役令息がかっこいいの!
メイン王子よりも私はこの人を推す。
だってさ、不憫すぎるのよ…泣ける。
涙なしでは語れない…!』


どうして唯一覚えてる前世の記憶が妹の趣味なんだ。

あぁ。

俺これから悪役令息として生きるのか。

…待てよ?

まだ諦めることないよな?

この物語を知ってるんだからその話の内容にならないよう俺が回避すればいいんだ。

よし、頑張るぞ。
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