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アイside①
しおりを挟む私はケータイ小説を読むのが趣味の 普通の女子高生だった。
そして私は ある小説のヒーローに恋をしていた。
名前はエリック。
彼は公爵家の子息だった。
イケメンで完璧。
そんなエリックに私は恋をした。
ずっと小説の中のヒロインが羨ましかった。
エリックとたまたま縁談して結婚して そのまま幸せに暮らして。
いいなってずっと思ってた。
そんなある日の学校帰り。
突然クラクションの音がして目の前が真っ暗になった。
次に目を覚ますと真っ白な世界。
直感で 死んだんだと気付いた。
あれ、ケータイがない…
これじゃあ 死んでからエリックに会えない。
私がそう思ったその時 目の前に文字が現れた。
『転生できるボタン
やり直しは3回まで』
そんな文字に私は飛び付いた。
なぜだか分からない。
だけどエリックに会える気がして 私は迷わずボタンを押した。
次に目を覚ますと私はベッドの上にいた。
ヒロインに転生できたのかと思った。
だけど私が転生したのはモブの男爵令嬢だった。
がっかりしたけど まだチャンスは残ってる。
パーティーでエリックに会おう。
私は社交界に主席することにした。
国王主催のパーティーだから私も参加できると思った。
だけど私はまだ 社交界に出れる年齢ではなかった。
この世界の両親に反対され連れていってもらうことができなくなった私は どうしたら出席できるかを考えた。
そうだ。
なりすませばいいのよ。
それなら年齢がバレないようにエスコート役が必要よね。
私は急いで町に出かけた。
求人を募ろうと思ったのだ。
集まった4人の男それぞれに役割を与えた。
1人は私の夫役、あと3人は護衛役。
数日後 こっそり家を抜け出した私は男達を伴ってパーティーへ向かった。
門を堂々とくぐり会場に入る。
ここから男達には自由行動をしてもらう。
私は男達と離れてエリックを探した。
でも見つからない。
貴族のなかに公爵家は1つしかないのにどこを探してもエリックがいない。
ふとある若い貴族が目に入った。
あれは…
その貴族には少しエリックの面影があった。
もしかして…
私はようやく気付いた。
どうしてエリックがいないのか。
それは エリックがまだ生まれていないからだった。
私は彼が生まれる前の世界に転生してしまっていた。
間違えたんだわ。
エリックがいないパーティーに出席しても意味がない。
私は家へ戻った。
翌日
新聞にあるニュースが載っていた。
私はそれを読んで驚いた。
『嫁入り前の令嬢集団、複数の男に強姦される。』
その事件は 私が昨日出席したパーティーで起こっていた。
複数の男…
もしかして…私が雇った男達?
…ふーん。
どうでもいい。
それがなんだっていうの。
私には関係ないわ。
それより また転生しよう。
今度こそ…エリックのいる時代に!
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