将来の義理の娘に夫を寝取られた

無味無臭(不定期更新)

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エリックside②

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訳が分からない。
僕はどうして過去にいるんだろうか。

コンコン

「失礼します。
エリック様に会いたいと言う女性がいらっしゃっております。」

誰だろう。

「誰だ。」

「私達も分かりません。
屋敷の門から押し掛けようてしているようです。
通されますか?」

女性…?
まさかリーラか?
いや そんなはずはない。
リーラと初めて出会ったのは縁談のときだ。

でも…

「通してくれ。」

僕は少し期待していた。





僕は書斎でその女性を待った。

コンコン

ガチャ

「エリック…!」

その声は…

「アイ?」

さっき私を殺した義理の娘アイだった。

「違うわ…!
私 リーラよ!」

は…?

「何言っている。
君はアイじゃないか。」

「私も分からないの。
起きたらアイと入れ替わってて…」

声も容姿もアイなのに リーラと入れ替わっているだと…?

「本当なのよ!
あ、そうだわ。
今日は私と縁談の日でしょう。
私 起きた時 ものすごく体調が悪かったの。
きっと私の体にいるアイもそうなるはず。」

今日は…そうだ彼女と初めて出会った日。
でも何故それをアイが知っている?

「なぜ君は僕の縁談が今日だと知っているんだ?」

「だって私がリーラですもの。
私の言ってることは本当よ。
だからその縁談にリーラが来なかったら…私がリーラだって信じてくれる?」

リーラが縁談に来ない?
そんなわけ…

「もし来なかったらだ。」

よく分からない。
でも…
ひとまず僕はアイを来客用の部屋に置いておくことにした。







コンコン

「失礼します。」

僕は父に呼ばれて執務室に来ていた。

「エリック 実はな。
今日縁談予定のリーラ嬢が体調を崩されたらしい。
だから今日の縁談は延期になった。」

なんだって?
本当に…アイの体にリーラがいると言うのか?
そんなことが起こりうるのか?

「エリック 信じてくれた?」

「なぜ勝手に書斎に入っている。」

僕が書斎に戻るとアイがいた。

「なんでって私 貴方の妻なんだからいいでしょ?」

「まだ君が妻だと決ま…」

「でも私は縁談に来なかったでしょ?
体調を崩したのよ。
入れ替わった副作用で。」

そういうことなのか…?

「ならば…本当に君はリーラなのか?」

僕はアイを見る。

「ええ。
私はリーラよ。」

僕はアイを見て確信した。
君は本当にアイの体と入れ替わったリーラなんだ。

「そうか、良かった。
姿は違えど君とまた出会うことができて…」

僕は嬉しさのあまりアイを強く抱き締めた。

「エリック…私もまた会うことができて幸せよ。」

きっと神が 愛する妻とまた出会うことができるように僕を過去に戻らせたに違いない。
また君と一緒に過ごせるなんて、幸せだ。
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