婚約破棄されて家を勘当されましたけど人気エッセイ作家なので生きていけます

第４話

締め切りまでに原稿を書き上げることができた。
本当にギリギリだったわ。

翌日

「サラ・ストーン、貴様とは婚約破棄する！」

眠りたい衝動を抑えて学園に来た私は 来てそうそうに婚約破棄を言い渡された。

あー眠い。

「分かりました。」

私はそう言って教室に向かう。
だってここ学園の門の前よ。
わざわざこんなとこで言わなくてもよくない？

「ちょっと待て！
なんで引き下がらないんだ。」

そんな私を引き止めたルイスがそう言った。
え、なに…引き下がってほしいの？

いや無理。
生憎ですが 徹夜明け過ぎてそんな余力残ってない。

「大丈夫です。」

私は一言そう言ってその場を去った。
悪役令嬢として茶番をするべきだった？
そんなの嫌よ。
別に私 婚約破棄されたっていいもの。

というかそのための婚約と言っても過言ではない。
ヒロインのための世界。
皇太子ルイスはどうぞ、ヒロインに返しますわ。

あ、もう少しで卒業の時期。
でもその前に両親に捨てられるから中途半端に退学だわ。

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「サラ、お前はもう出ていけ。」

「もう貴女に興味はないわ。
さっさと出ていきなさい。」

シナリオ通り両親は私を屋敷から追い出した。

寒い。
少しくらい羽織らせてくれてもいいのに。
私は寝巻きのままだった。
きっと嫌がらせのつもりで夜中に叩き起こして追い出したのね。

まぁいいわ。
でもどうしよう。
銀行は開いてないし…今日は野宿？

「サラ…？」

「エミール？」

その時 突然現れたエミール。

「貴方ここで何してるの？」

「サラこそ何してるの？
こんな夜中に…」

まぁ確かに。
年頃の令嬢が夜中に外出てるなんて普通はないものね。

「両親に追い出されたの。」

「？！…どうして、」

「私が皇太子に婚約破棄されたから。
利用価値がなくなったのよ。」

「…」

私がそう言うとエミールは黙ってしまった。
それはそうよね。

「僕の家に来ない？」

「え…？」

「僕 今は城じゃなくて部屋を借りて住んでいるんだ。
だからそこに泊まって。」

そんなの申し訳ないわ。

「大丈夫。
僕は宿を借りるから 君１人で泊まって。」

なにそれ？
ダメに決まってるじゃない。
家主が自分の家を使わないなんて…

「嫌よ。
私は野宿するわ。
お金はあるの。
だから明日の朝 銀行に借りにいくつもり。
だから心配しないで、野宿するのは今日だけよ。」

私は安心させるように言う。
エミール 私なら大丈夫よ。

「そんなのダメだ。
心配すぎる。
いいかい？
君は魅力的な女性なんだ。
だからここで野宿するのは危ない。」

エミールはそう言うと私の手を強引に掴んだ。
え、なに？

「エミール…？
ちょ、ちょっと…？！」