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蛍
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*A4一枚の短編小説です。
「蛍」
幼い頃毎年夏休みにおじいちゃんの家に遊びに行ってた
虫捕りアミを持って近くの神社で蝉を獲ったり
ランニングシャツで川で魚を追いかけたり
うちわを持って縁側でスイカを食べたり
浴衣を着て蛍を見にいったり
それはそれは夢中になって遊んだ
そしてそこには君がいた
憂鬱な顔をした妻がため息をつく
疲れた僕はコーヒーカップを持って黙ってる
時計の音だけが大きく響く部屋
隣の部屋では子供たちが眠ってる
壊れかけた砂の城のようで
蜃気楼にようにはかなくて
パラフィンに包まれているような
鈍色の空気の底に二人
娘の寝息が聞こえた
息子の動く音が聞こえた
時間だけが流れる
気が遠くなるほどの沈黙の部屋で
ふいに蛍を思い出した
それは理由はなかったのだけれど
この子たち蛍見た事ないんだ
ポツリと妻に言った
何も言わないで妻はコクリとうなずいた
そうだ明日みんなで見に行こうか
それからでも遅くはないだろう
僕は問いかけた
1秒、2秒、3秒、そして
はっとした顔で妻はもう一度うなずいた
*
FBに
〇「電子書籍を出版しよう」
https://www.facebook.com/groups/806001956577343/?ref=bookmarks
〇「創作活動を応援しよう」
https://www.facebook.com/groups/938689799900665/
とういうコミュニティを開設しました。
あそびにいらしてください。
「蛍」
幼い頃毎年夏休みにおじいちゃんの家に遊びに行ってた
虫捕りアミを持って近くの神社で蝉を獲ったり
ランニングシャツで川で魚を追いかけたり
うちわを持って縁側でスイカを食べたり
浴衣を着て蛍を見にいったり
それはそれは夢中になって遊んだ
そしてそこには君がいた
憂鬱な顔をした妻がため息をつく
疲れた僕はコーヒーカップを持って黙ってる
時計の音だけが大きく響く部屋
隣の部屋では子供たちが眠ってる
壊れかけた砂の城のようで
蜃気楼にようにはかなくて
パラフィンに包まれているような
鈍色の空気の底に二人
娘の寝息が聞こえた
息子の動く音が聞こえた
時間だけが流れる
気が遠くなるほどの沈黙の部屋で
ふいに蛍を思い出した
それは理由はなかったのだけれど
この子たち蛍見た事ないんだ
ポツリと妻に言った
何も言わないで妻はコクリとうなずいた
そうだ明日みんなで見に行こうか
それからでも遅くはないだろう
僕は問いかけた
1秒、2秒、3秒、そして
はっとした顔で妻はもう一度うなずいた
*
FBに
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