夢の中の女性

あやこ

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夕日が照りつける海岸で一人の女性が孫と遊んでいた。

あの事件以来、娘の事を忘れたことはない。ニュースにもなったが、情報は何もなかった。

正直、あの男を疑ったが、幾ら何でも自分の血の繋がった娘を誘拐するわけはないと思った。

毎日が空虚なそんな時、優しい男性に出会った。彼は私の事情を了承してくれて一緒になろうと言ってくれた。

私みたいな人間が幸せになってもいいのか・・・。毎日自問自答したが、彼の優しさが私の凍った心を溶かしてくれた。
そして、子供にも、孫にも恵まれる。

でも、いつも彼女の事が頭にあり、全てにおいて全力で楽しむことはなかった。生まれてきた娘を見ても、可愛い孫を見ても頭の片隅に彼女の事があった。

そしていつもこの海岸に来ると、お腹にいた彼女の事を思い出す。

夕日に輝いた綺麗な景色を眺めていると、突然孫が駆け足で近づいてきた。

「おばあちゃん、僕と同じ石を持っている人がいるよ。」

孫が突然変な事を言い出した。後ろを振り向くと女性が一人立っている。

彼女が近ずいてきてこう言った。

「会いたかった・・・・・」

そう言うと私にあの石を見せた。
そして続けて彼女はこう言った。

「お母さん・・・・。」

私は震える手で彼女を抱きしめた・・・。

【End】
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感想 1

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みんなの感想(1件)

蝶舞
2020.01.01 蝶舞

こういう話を読んだのは初めてでしたが、比較的スムーズに読めて良かったです。最後の時間軸にも面白さを感じました。

解除

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