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アイドル、実はSとMでした
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私はイチジク。最近売れ始めたアイドルグループの一人だ。
そんな私が愛し、尊敬しているのが、売れっ子アイドルの、ヒメだった。「おはようございます」
楽屋に入ると、すでにヒメがいた。
彼女は挨拶を返す。
「おはよう! 今日もよろしくね」
私よりも早く来ていて、しかもメイクまで終わらせていたなんて。流石は人気者だ。
「うん、よろしくね」
私はマゾだった。いつも、あのクールな彼女に虐められたいとか、踏まれたいとか思ってしまう。
今からライブがあって、それが終わったら今日の仕事は終わりだ。
彼女の鶯色のロングヘアが揺れ動く。露出した肩が私を狂わせた。愛していた。
「…………」
彼女への愛があふれてくる。私は彼女のことが好きなのだ。いや、好きというより崇拝に近いかもしれない。
彼女が私のことを見つめてきた。
「どうした? 具合でも悪いの?」
心配してくれてる。嬉しい。
「ううん。なんでもないよ」
「そう。じゃあ、行こうか」
「そうだね」
ライブ中も、ずっと彼女の事が気になって仕方ない。でもファンサービスは忘れずに。小さな頃から教え込まれた、【アイドル】のあるべき姿を演じる。
「イチジクちゃんの髪、綺麗な色してるよね」
「え?」
ライブが終わって、楽屋で休憩していた私にそう声をかけた。
「ヒスイパステルっていうか...優しいヒスイ色してる」
私はこの色がそんなに好きではなかった。それより、彼女の鶯色の髪、水色の瞳、白く透き通った肌が好きだ。
「私は、ヒメちゃんの色が好き」
「私の色って?」
「髪の色。鶯色だよ」
「ふーん...」
あれ、反応薄いな…。もっと喜ぶと思ったんだけど。
「他には私のどこが好きなわけ?」
「全部かな」
「えぇ? ちゃんと言ってよ」
「...ぅう...」
言おうと思えばいくらでも出てくる。たまに見せる悪戯っ子な所、裏の、人の視線を気にしていない所、アイドルとしてキラキラ振舞ってる所。でも、私はあえてこの言葉を選んだ。
「たまに、ドSなとこ」
「...」
あ...引かれちゃったかな...ミスったなぁ。
「そっか...ドSな所か...」
よかった。引いてなかったみたい。
「じゃあ、キスしようよ」
突然の提案だった。
「え!? な、なんで?」
「嫌なら断ってくれてもいいんだよ?」
意図が読めない。でも、決して嫌じゃない。数秒間悩んだ末、頷き、目を閉じた。
「いいんだね?」
再び確認してきた。
私はまた、コクリと首を動かす。
すると、唇に柔らかい感触を感じた。
ファーストキスはレモン味とか言うけれど、私にはわからない。ただ、彼女の唇は甘かった気がする。
その後、私たちは深い関係になった。
そんな私が愛し、尊敬しているのが、売れっ子アイドルの、ヒメだった。「おはようございます」
楽屋に入ると、すでにヒメがいた。
彼女は挨拶を返す。
「おはよう! 今日もよろしくね」
私よりも早く来ていて、しかもメイクまで終わらせていたなんて。流石は人気者だ。
「うん、よろしくね」
私はマゾだった。いつも、あのクールな彼女に虐められたいとか、踏まれたいとか思ってしまう。
今からライブがあって、それが終わったら今日の仕事は終わりだ。
彼女の鶯色のロングヘアが揺れ動く。露出した肩が私を狂わせた。愛していた。
「…………」
彼女への愛があふれてくる。私は彼女のことが好きなのだ。いや、好きというより崇拝に近いかもしれない。
彼女が私のことを見つめてきた。
「どうした? 具合でも悪いの?」
心配してくれてる。嬉しい。
「ううん。なんでもないよ」
「そう。じゃあ、行こうか」
「そうだね」
ライブ中も、ずっと彼女の事が気になって仕方ない。でもファンサービスは忘れずに。小さな頃から教え込まれた、【アイドル】のあるべき姿を演じる。
「イチジクちゃんの髪、綺麗な色してるよね」
「え?」
ライブが終わって、楽屋で休憩していた私にそう声をかけた。
「ヒスイパステルっていうか...優しいヒスイ色してる」
私はこの色がそんなに好きではなかった。それより、彼女の鶯色の髪、水色の瞳、白く透き通った肌が好きだ。
「私は、ヒメちゃんの色が好き」
「私の色って?」
「髪の色。鶯色だよ」
「ふーん...」
あれ、反応薄いな…。もっと喜ぶと思ったんだけど。
「他には私のどこが好きなわけ?」
「全部かな」
「えぇ? ちゃんと言ってよ」
「...ぅう...」
言おうと思えばいくらでも出てくる。たまに見せる悪戯っ子な所、裏の、人の視線を気にしていない所、アイドルとしてキラキラ振舞ってる所。でも、私はあえてこの言葉を選んだ。
「たまに、ドSなとこ」
「...」
あ...引かれちゃったかな...ミスったなぁ。
「そっか...ドSな所か...」
よかった。引いてなかったみたい。
「じゃあ、キスしようよ」
突然の提案だった。
「え!? な、なんで?」
「嫌なら断ってくれてもいいんだよ?」
意図が読めない。でも、決して嫌じゃない。数秒間悩んだ末、頷き、目を閉じた。
「いいんだね?」
再び確認してきた。
私はまた、コクリと首を動かす。
すると、唇に柔らかい感触を感じた。
ファーストキスはレモン味とか言うけれど、私にはわからない。ただ、彼女の唇は甘かった気がする。
その後、私たちは深い関係になった。
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