ただ愛が知りたかった

伊織

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1.普通の

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藍原華夜あいはらかやは特筆すべきことはない、普通もしくは普通以下の女の子だったのだ。
毎日学校に通い、友達とだべり、時には喧嘩をして、恋をして。勉強は平均であれば、運動も得意なわけではない。少し内気な、普通の女の子だった。
……中学までは。


高校に入った華夜は、環境が変わったこともあり、性格も少し変化する。中学校までは持つことも許されなかった携帯を持たせてもらったことにもよるのだが、何の変哲もない少女は唐突に考えた。

愛とはなんなのだろう、と。


考え出したら止まらない。
好きだ、と思う人はできたことがある。だが、告白して振られたとて、死にたくなるほどの悲しみを抱えたことはないのだ。

そして、華夜はある日、はじめての間違いを犯した。
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