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元カノの襲来
元カノの襲来⑧
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「ありがとう! すごくおいしそう!!」
「覚めないうちに食べよ。いただきます」
お腹が空いていたので、ガツガツとふたりで食べはじめた。ビールに合うー!! 絶品だ!!
「亮介、これ味付け何でしたの?」
「難しいことしてないよ。中華ダシ使っただけ」
「へぇー!! おいしい! 毎日作って!!」
「毎日はいや。未央の料理がいちばんすき」
いちばんすき……、それは反則。この甘い生活がずっと続いてくれるといいな。
「そうだ、中川のことなんですけど」
中川……、知世さんのことだよね。
「うん、きょうねレッスン無断キャンセルだったんだ。どうかした?」
「さすがに僕も気になったんで、大学のときに中川と仲良かった友だちに連絡してみたんです。そしたらやっぱりそのケガこと知ってて」
「うん」
「その友だちが聞いても、大丈夫とか自分が悪いからって言って、らちがあかないみたいで、心配してました」
「そっか……」
「大丈夫って言われても、あれは大丈夫じゃないですよね」
亮介はローテーブルに肘をついて遠い目をする。
「やっぱり、気になる? 元カノのこと」
「えっ? 元カノ? 誰がですか?」
「知世さんって元カノじゃないの?」
「中川はサークルで一緒でしたけど、付き合ってません。あいつ、そんなこと言ってました!?」
「えーっ!! そっそうなの??」
キャラ変が気持ち悪くて別れたってのも、幼稚なセックスだってのも、全部嘘ってこと?? こっ怖い……。
「でも、キャラ変のこと知ってたよ?」
「あー、酔うとそうなってたかもしれないですね」
「よっ……幼稚なセックスだって言ってたけど……?」
「はぁ? 幼稚って……たしかに童貞捨てたのは遅かったですけど……って何言わすんですか?」
知世さーーん!! もうついてけません。あなたの幸せ祈ってます!! どうか自分を大切に!!
ご飯を食べ終わり、片付けをふたりですませ、テレビをみる。亮介はいつも未央を後ろからぎゅっと抱きしめながらテレビを楽しむ。この時間がすごく好き。
「ねぇ、未央」
後ろから声がする。
「なに?」
「きのうmuseで、未央が言ってたことなんだけど」
えっと……どれのことだろう。かなり修羅場だったので、未央はあんまり詳しく覚えていなかった。
「一緒に喜びあったり、苦しみを分け合っていけたらいいなって言ってたの……ほんと?」
ぴぇー!! そうだ、そんなことも言ったっけ。亮介聞いてたんだ……。未央は顔から火が出そうだった。
「うっうん……。あっいや、私はそう思ってるよ。亮介のこと大好きだし、その……えっと」
付き合ってまだ日が浅いのに、これは重いよね!? 亮介ごめんっ。
「……、うれしいです。僕も、そうなりたいと思ってます」
思わず後ろを振り向く。亮介はいつものやさしい笑顔だ。
「覚めないうちに食べよ。いただきます」
お腹が空いていたので、ガツガツとふたりで食べはじめた。ビールに合うー!! 絶品だ!!
「亮介、これ味付け何でしたの?」
「難しいことしてないよ。中華ダシ使っただけ」
「へぇー!! おいしい! 毎日作って!!」
「毎日はいや。未央の料理がいちばんすき」
いちばんすき……、それは反則。この甘い生活がずっと続いてくれるといいな。
「そうだ、中川のことなんですけど」
中川……、知世さんのことだよね。
「うん、きょうねレッスン無断キャンセルだったんだ。どうかした?」
「さすがに僕も気になったんで、大学のときに中川と仲良かった友だちに連絡してみたんです。そしたらやっぱりそのケガこと知ってて」
「うん」
「その友だちが聞いても、大丈夫とか自分が悪いからって言って、らちがあかないみたいで、心配してました」
「そっか……」
「大丈夫って言われても、あれは大丈夫じゃないですよね」
亮介はローテーブルに肘をついて遠い目をする。
「やっぱり、気になる? 元カノのこと」
「えっ? 元カノ? 誰がですか?」
「知世さんって元カノじゃないの?」
「中川はサークルで一緒でしたけど、付き合ってません。あいつ、そんなこと言ってました!?」
「えーっ!! そっそうなの??」
キャラ変が気持ち悪くて別れたってのも、幼稚なセックスだってのも、全部嘘ってこと?? こっ怖い……。
「でも、キャラ変のこと知ってたよ?」
「あー、酔うとそうなってたかもしれないですね」
「よっ……幼稚なセックスだって言ってたけど……?」
「はぁ? 幼稚って……たしかに童貞捨てたのは遅かったですけど……って何言わすんですか?」
知世さーーん!! もうついてけません。あなたの幸せ祈ってます!! どうか自分を大切に!!
ご飯を食べ終わり、片付けをふたりですませ、テレビをみる。亮介はいつも未央を後ろからぎゅっと抱きしめながらテレビを楽しむ。この時間がすごく好き。
「ねぇ、未央」
後ろから声がする。
「なに?」
「きのうmuseで、未央が言ってたことなんだけど」
えっと……どれのことだろう。かなり修羅場だったので、未央はあんまり詳しく覚えていなかった。
「一緒に喜びあったり、苦しみを分け合っていけたらいいなって言ってたの……ほんと?」
ぴぇー!! そうだ、そんなことも言ったっけ。亮介聞いてたんだ……。未央は顔から火が出そうだった。
「うっうん……。あっいや、私はそう思ってるよ。亮介のこと大好きだし、その……えっと」
付き合ってまだ日が浅いのに、これは重いよね!? 亮介ごめんっ。
「……、うれしいです。僕も、そうなりたいと思ってます」
思わず後ろを振り向く。亮介はいつものやさしい笑顔だ。
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