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冬のあほうつかい
冬のあほうつかい 19
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19
多少の家具の移動はあってもこの部屋は十四か十五の頃とほとんど変わらないが、その頃は両親が使っていた。部屋の中央には天蓋付きのダブルベッドが置かれている。これは固定式なので動かない。大きく長い窓があるが、高い位置にあるので城壁の二段目から屋を放っても届かなかった。廊下へ続く扉とかつての子供部屋につながる扉があり、四方の壁には文様が刻まれていてその中に扉を隠している。その隠し扉を開けると迷宮の最深部へ行ける転移魔方陣が描かれた部屋に繋がっている。転移魔法陣は迷宮の主が許可した者にしか使えないものだが、敵がもし城に攻め込んできたときにはそこから迷宮へと逃げるのだ。城を落としても迷宮を攻略しなければ最深部へたどり着くことは出来ない。迷宮での戦いでも敗北を重ね最深部に攻め込まれても、大広間から続く部屋には外へ行く転移魔方陣がある。
やはり十四の頃だったろうか、まだ髪の色が黒でなかった頃。最深部にある転移魔法陣はその時を最後にもうずっと使っていない。あの時。父が迷宮の主の資格を失ったあの日あの時。それは今から約百三十年前のことだった。目を閉じると時々夢となって現れる。幸せだった頃の夢はいつまで待ってもやって来ないのにあの日の夢だけは何度も現れるのだった。
氷の城は夜間に突如攻撃を受けた。今まで冬場に攻めてくる前例がなかったので皆油断をしていた。冬季は近くの町も港も凍りつき、人が生活するには過酷すぎるため物資の補給もままならない。すべての町人はもっと南に移っていきそこで冬を越すのだ。そんな本来は不利になるはずの冬季に戦争を仕掛けてくる者がいたのだ。城壁に連続で何かがぶつかり揺さぶられる。ドラゴンの尾でもぶつかればそうなるかもしれなかった。
明け方になるとその規模がわかった。その軍勢は五千を超える兵力だった。補給部隊を入れたらもっと多かったかもしれない。大石を積んだ塀の前に五十台ほどの投石機を並べ、嵐のように岩を撃ち込んできた。父である氷の魔術師ロスは多数の投石機の姿に驚き、後手を踏んだことを嘆いた。その頃はまだ氷の槍を打ち出せず、氷の矢は届かない距離だった。それなのに防衛装置は父の魔力を使いながら敵のいないところへずっと氷の矢を撃ち込んでいたのである。
一斉に放たれる無数の大石を受けてすでに氷の城は半壊していた。東側の城壁は二段目まで崩されている。
氷の魔術師ロスは母ナミュラに指示を出して迷宮の防衛を任せた。直後に迷宮から二千の骸骨の魔物を出して突撃させる。投石機と積み上げられた大石の間に魔物が飛び込もうとしていた。
攻め手には見張りがいた。左翼側の投石機の部隊がそれに気が付き装備を切り替えて応戦する。その数、千。魔物が人間の兵を圧倒するかと思われたが、少数が多数を押し返した。骸骨の魔物が弱い訳では無い。骸骨の魔物は五体もいれば大人のグリズリーを殺すことが出来る。それなのに骸骨の魔物はすり潰されていった。不可解なことだった。更に奇妙なのは歌だ。人間の兵士たちは歌を歌っていたのだ。兵は歌いながら戦っていた。
投石機部隊の中央より黒い煙が空に昇る。しばらく後、氷の城の東でも黒煙が昇り灰色の空に存在感を示す。
それは、迷宮へ突撃部隊が入った合図だった。迷宮の主を討つことができれば攻め手の勝ちである。上の城で討てれば良いし、それがダメでも下の迷宮で討てれば良い。戦争と迷宮攻略を同時に攻略しに来る者がいたのだ。
城には次々と岩が打ち込まれる。骸骨の魔物は全滅した。二千もの魔物を失った迷宮は攻略の難易度が下がったことだろう。軍勢は投石機を離れ、盾を頭上に構えて崩れた城壁に向かって突撃を仕掛けてくるのが見えた。
シミュラたちは迷宮の最深部にいた。最深部の大きな両扉は閉じられているが向こう側では開くために激しく扉に攻撃を加えているのは振動を見れば分かった。
氷の魔術師ロスは最深部にある大広間の両端に並ぶ部屋の一つにシミュラたち三兄妹を押し込んだ。外につながる転移魔法陣の描かれた部屋だ。
「よいかエサイアス、大きな力だけではダメだ。勝ちすぎては誰も生きていけないのだ。バランスがいちばん大切なことなのだ。それを覚えておけ。シミュラ、兄を助けてカーラを守ってやれ」
氷の魔術師ロスは転移の魔法陣に三人の兄妹を突き入れると転移魔法を発動させた。
「お父様も一緒に!」
「母さんをここに置いていけない」
先に迷宮を守りに行った兄妹の母ナミュラはもう敵の手によって討たれているだろう。ひとつ上の四階は母の設計した迷宮で母はそこで敵を撃退するのが得意だった。だから、その遺体はまだ上の階に残されているだろう。シミュラはまだ赤子のカーラを抱いて叫んだ。
「お父様も一緒に来て!」
魔法陣から飛び出しそうになったシミュラを兄のエサイアスが彼女の淡く赤い髪を乱暴に掴んで引き戻す。シミュラを兄のエサイアスが乱暴に引き戻す。同時に発動し転移が完了した。雪に埋もれかけた石柱群の真ん中に兄三人は現れた。
「この近くに村があったな」
エサイアスはシミュラの脇を引き上げて立たせると雪の中を歩き始める。雪のような白い髪をなびかせながら。
「早くしろ。こんなところにいつまでもいたらお前もカーラも凍死するぞ。こんなところで余計な魔力は使えないからな」
エサイアスは鈍色の短い杖を懐に隠した。
エサイアスは村に着くと氷の魔法で村人を襲った。村人を殺し尽くすとようやく落ち着いたのか余裕が出来たのかそこで初めて両親の死を悲しんだ。涙は流していなかったが。
「父様が失墜した以上、周辺の村や町は全部オレたちの敵になる。全部殺して新しくしないと安心できないんだ。父様はここの人間どもを信用しすぎたんだ。他人を信用したから何もかも奪われてしまったんだ。お前が操る動物だって魔力が切れた瞬間襲いかかってくるしな。いいか、家族以外はみんな敵なんだ。忘れるな」
エサイアスは村々を襲い財産を奪った。そしてそれをシミュラにも手伝わせようとした。シミュラにトナカイを操らせ荷物を運ばせようとしていたが、目撃者を一人残らず殺してしまうようなあまりの非道さにシミュラは兄の協力を拒んだ。すると、エサイアスは石ころでも捨てるようにシミュラとカーラを見捨てた。
シミュラたちは兄の襲撃を恐れ村に頼ることも出来ず生活に困窮していった。冬の森の中に身を隠し、周辺にいたオオカミのボスを操りその群れと生活を共にした。
「おめいたんおめいたん」
シミュラは妹のカーラが好きだった。小さな手はあかぎれしていて可愛そうだった。シミュラとは違ってきれいだった赤い髪は、所々にゴミが絡みついている。
姉妹は食料や着る物を得るためトナカイを操って誘い出して殺した。本来それは禁忌だった。操った動物を自らが殺すことで自らの魂に傷をつけるとされているのだ。
「おめいたんだいすき」
そんな自然との生活の中でカーラは病を得て早世してしまう。その年はオオカミたちも妹と同じように病気で沢山死んだ。群れに病気を持ち込んだのは自分だったとシミュラは感じている。シミュラには抵抗力があったおかげかなんとか助かった。しかし、幼い妹は助からなかった。村や町に住めばこんなことにはならなかっただろうが、エサイアスとの遭遇を恐れた。自分の弱気が妹を殺すことになったと悔いていた。
エサイアスは強盗団を組織するとそれまで以上に荒稼ぎをし始めたという。数年もするとエサイアスは強盗で集めた資金を元手にして中規模の傭兵団を雇入れ氷の城を奪還すべく戦ってあっけなく死んだ。
エサイアスの死を教えてくれたのは罠猟師だった。
氷の魔術師ロスの後、氷の城の城主は定まらなかったようだ。誰もがバランスを取れずにその座を退いたと聞いた。シミュラにとって幸いしたのはその入れ替わりの激しさのお陰で氷の魔術師ロスの存在を忘れてしまったからであった。父の名が生きていれば、その息子エサイアスの悪名も残り続ける。その妹であることが知られてはいけないとシミュラは町に出ることを酷く恐れていた。
氷の城主が代わり続けても依然、村々には盗賊や強盗団が現れ続けた。シミュラはそれをオオカミの群れを使って数度撃退した。村人からの頼みもあったがそれでようやく村に住むようになり、知り合った猟師に角や毛皮を売ることで暮らし向きを良い方向へ変えることが出来た。そうやって得た信用と資金を元にシミュラは町の魔法使いを師事することになった。師となった者は父親や母親ほどの魔法使いではなかったが、研究や研鑽するには十分な環境だったし、基礎を固めるには問題がなかった。
以降、獣の癖が抜けて人として生きることが出来たのは師のおかげだったのかもしれない
多少の家具の移動はあってもこの部屋は十四か十五の頃とほとんど変わらないが、その頃は両親が使っていた。部屋の中央には天蓋付きのダブルベッドが置かれている。これは固定式なので動かない。大きく長い窓があるが、高い位置にあるので城壁の二段目から屋を放っても届かなかった。廊下へ続く扉とかつての子供部屋につながる扉があり、四方の壁には文様が刻まれていてその中に扉を隠している。その隠し扉を開けると迷宮の最深部へ行ける転移魔方陣が描かれた部屋に繋がっている。転移魔法陣は迷宮の主が許可した者にしか使えないものだが、敵がもし城に攻め込んできたときにはそこから迷宮へと逃げるのだ。城を落としても迷宮を攻略しなければ最深部へたどり着くことは出来ない。迷宮での戦いでも敗北を重ね最深部に攻め込まれても、大広間から続く部屋には外へ行く転移魔方陣がある。
やはり十四の頃だったろうか、まだ髪の色が黒でなかった頃。最深部にある転移魔法陣はその時を最後にもうずっと使っていない。あの時。父が迷宮の主の資格を失ったあの日あの時。それは今から約百三十年前のことだった。目を閉じると時々夢となって現れる。幸せだった頃の夢はいつまで待ってもやって来ないのにあの日の夢だけは何度も現れるのだった。
氷の城は夜間に突如攻撃を受けた。今まで冬場に攻めてくる前例がなかったので皆油断をしていた。冬季は近くの町も港も凍りつき、人が生活するには過酷すぎるため物資の補給もままならない。すべての町人はもっと南に移っていきそこで冬を越すのだ。そんな本来は不利になるはずの冬季に戦争を仕掛けてくる者がいたのだ。城壁に連続で何かがぶつかり揺さぶられる。ドラゴンの尾でもぶつかればそうなるかもしれなかった。
明け方になるとその規模がわかった。その軍勢は五千を超える兵力だった。補給部隊を入れたらもっと多かったかもしれない。大石を積んだ塀の前に五十台ほどの投石機を並べ、嵐のように岩を撃ち込んできた。父である氷の魔術師ロスは多数の投石機の姿に驚き、後手を踏んだことを嘆いた。その頃はまだ氷の槍を打ち出せず、氷の矢は届かない距離だった。それなのに防衛装置は父の魔力を使いながら敵のいないところへずっと氷の矢を撃ち込んでいたのである。
一斉に放たれる無数の大石を受けてすでに氷の城は半壊していた。東側の城壁は二段目まで崩されている。
氷の魔術師ロスは母ナミュラに指示を出して迷宮の防衛を任せた。直後に迷宮から二千の骸骨の魔物を出して突撃させる。投石機と積み上げられた大石の間に魔物が飛び込もうとしていた。
攻め手には見張りがいた。左翼側の投石機の部隊がそれに気が付き装備を切り替えて応戦する。その数、千。魔物が人間の兵を圧倒するかと思われたが、少数が多数を押し返した。骸骨の魔物が弱い訳では無い。骸骨の魔物は五体もいれば大人のグリズリーを殺すことが出来る。それなのに骸骨の魔物はすり潰されていった。不可解なことだった。更に奇妙なのは歌だ。人間の兵士たちは歌を歌っていたのだ。兵は歌いながら戦っていた。
投石機部隊の中央より黒い煙が空に昇る。しばらく後、氷の城の東でも黒煙が昇り灰色の空に存在感を示す。
それは、迷宮へ突撃部隊が入った合図だった。迷宮の主を討つことができれば攻め手の勝ちである。上の城で討てれば良いし、それがダメでも下の迷宮で討てれば良い。戦争と迷宮攻略を同時に攻略しに来る者がいたのだ。
城には次々と岩が打ち込まれる。骸骨の魔物は全滅した。二千もの魔物を失った迷宮は攻略の難易度が下がったことだろう。軍勢は投石機を離れ、盾を頭上に構えて崩れた城壁に向かって突撃を仕掛けてくるのが見えた。
シミュラたちは迷宮の最深部にいた。最深部の大きな両扉は閉じられているが向こう側では開くために激しく扉に攻撃を加えているのは振動を見れば分かった。
氷の魔術師ロスは最深部にある大広間の両端に並ぶ部屋の一つにシミュラたち三兄妹を押し込んだ。外につながる転移魔法陣の描かれた部屋だ。
「よいかエサイアス、大きな力だけではダメだ。勝ちすぎては誰も生きていけないのだ。バランスがいちばん大切なことなのだ。それを覚えておけ。シミュラ、兄を助けてカーラを守ってやれ」
氷の魔術師ロスは転移の魔法陣に三人の兄妹を突き入れると転移魔法を発動させた。
「お父様も一緒に!」
「母さんをここに置いていけない」
先に迷宮を守りに行った兄妹の母ナミュラはもう敵の手によって討たれているだろう。ひとつ上の四階は母の設計した迷宮で母はそこで敵を撃退するのが得意だった。だから、その遺体はまだ上の階に残されているだろう。シミュラはまだ赤子のカーラを抱いて叫んだ。
「お父様も一緒に来て!」
魔法陣から飛び出しそうになったシミュラを兄のエサイアスが彼女の淡く赤い髪を乱暴に掴んで引き戻す。シミュラを兄のエサイアスが乱暴に引き戻す。同時に発動し転移が完了した。雪に埋もれかけた石柱群の真ん中に兄三人は現れた。
「この近くに村があったな」
エサイアスはシミュラの脇を引き上げて立たせると雪の中を歩き始める。雪のような白い髪をなびかせながら。
「早くしろ。こんなところにいつまでもいたらお前もカーラも凍死するぞ。こんなところで余計な魔力は使えないからな」
エサイアスは鈍色の短い杖を懐に隠した。
エサイアスは村に着くと氷の魔法で村人を襲った。村人を殺し尽くすとようやく落ち着いたのか余裕が出来たのかそこで初めて両親の死を悲しんだ。涙は流していなかったが。
「父様が失墜した以上、周辺の村や町は全部オレたちの敵になる。全部殺して新しくしないと安心できないんだ。父様はここの人間どもを信用しすぎたんだ。他人を信用したから何もかも奪われてしまったんだ。お前が操る動物だって魔力が切れた瞬間襲いかかってくるしな。いいか、家族以外はみんな敵なんだ。忘れるな」
エサイアスは村々を襲い財産を奪った。そしてそれをシミュラにも手伝わせようとした。シミュラにトナカイを操らせ荷物を運ばせようとしていたが、目撃者を一人残らず殺してしまうようなあまりの非道さにシミュラは兄の協力を拒んだ。すると、エサイアスは石ころでも捨てるようにシミュラとカーラを見捨てた。
シミュラたちは兄の襲撃を恐れ村に頼ることも出来ず生活に困窮していった。冬の森の中に身を隠し、周辺にいたオオカミのボスを操りその群れと生活を共にした。
「おめいたんおめいたん」
シミュラは妹のカーラが好きだった。小さな手はあかぎれしていて可愛そうだった。シミュラとは違ってきれいだった赤い髪は、所々にゴミが絡みついている。
姉妹は食料や着る物を得るためトナカイを操って誘い出して殺した。本来それは禁忌だった。操った動物を自らが殺すことで自らの魂に傷をつけるとされているのだ。
「おめいたんだいすき」
そんな自然との生活の中でカーラは病を得て早世してしまう。その年はオオカミたちも妹と同じように病気で沢山死んだ。群れに病気を持ち込んだのは自分だったとシミュラは感じている。シミュラには抵抗力があったおかげかなんとか助かった。しかし、幼い妹は助からなかった。村や町に住めばこんなことにはならなかっただろうが、エサイアスとの遭遇を恐れた。自分の弱気が妹を殺すことになったと悔いていた。
エサイアスは強盗団を組織するとそれまで以上に荒稼ぎをし始めたという。数年もするとエサイアスは強盗で集めた資金を元手にして中規模の傭兵団を雇入れ氷の城を奪還すべく戦ってあっけなく死んだ。
エサイアスの死を教えてくれたのは罠猟師だった。
氷の魔術師ロスの後、氷の城の城主は定まらなかったようだ。誰もがバランスを取れずにその座を退いたと聞いた。シミュラにとって幸いしたのはその入れ替わりの激しさのお陰で氷の魔術師ロスの存在を忘れてしまったからであった。父の名が生きていれば、その息子エサイアスの悪名も残り続ける。その妹であることが知られてはいけないとシミュラは町に出ることを酷く恐れていた。
氷の城主が代わり続けても依然、村々には盗賊や強盗団が現れ続けた。シミュラはそれをオオカミの群れを使って数度撃退した。村人からの頼みもあったがそれでようやく村に住むようになり、知り合った猟師に角や毛皮を売ることで暮らし向きを良い方向へ変えることが出来た。そうやって得た信用と資金を元にシミュラは町の魔法使いを師事することになった。師となった者は父親や母親ほどの魔法使いではなかったが、研究や研鑽するには十分な環境だったし、基礎を固めるには問題がなかった。
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