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歌えなくなった歌手
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これは私がまだ劇場に勤めていた頃の話である。演歌歌手が地方巡業に訪れるような小さなホールのほんの使いっ走りのようなことが当時の私の仕事だった。
ホール自体は都会のものと比べてしまうとあばら家のような感じかもしれないが、それでも500人くらいは入れるもので、5年前に外装の塗りなおしをしてからは集客もそこそこだった。
あの時もやはり地方巡業の公演があって、20年位前に曲が大ヒットしたAという演歌歌手が数人の共演者と共にやってきた。
Aさんはスタッフに対して横柄でどこか馬鹿にした態度も見えたので、私たちスタッフの側でもなるべく彼を避けるようになっていた。大ヒットを飛ばしたのが20年前。今ではすっかりカラオケでも歌われなくなったので、Aさんには付き人がいない。
そこで白羽の矢が立ったのが私だった。
私はその無茶な要求に出来うる限り答えつつ、一方で劇場の仕事もこなさなければならなかったため他のスタッフからは有難がられるどころか、常に文句と嫌味を言われるのだった。
それでもそれに耐えていたのは、Aさんの持つ空気のせいだったのかもしれない。
とにかくAさんは練習も何もかもがいい加減だった。これがプロと言うものならばその辺をぶらぶら歩いているおじさんを捕まえてきて衣装を着させて立たせても十分通用しそうなそんな感じだった。
そんなことだから公演も最悪だった。
Aさんは歌詞を忘れ舞台上に突っ立ったまま口を金魚のようにパクパクさせる。マイクでいくら声を拾うと言っても、うめき声のようなものをお客さんに聞かせる訳にも行かないので曲だけ流れているところに歌手が口パクしている。それを見た客が「ふざけるな、金を返せ!」などと騒ぎ出し壇上に上がりだそうとするのをあわててスタッフが止めに入ったりして散々だった。幸い共演者の方が気を利かせて場を和ませてくれたおかげでその後の騒ぎは起こらなかったが。
Aさんは体調が悪いのかすぐに楽屋にこもってしまった。
私はそれを確かめに行くように言われたので気分は乗らなかったが、仕事だったので仕方がなく楽屋のドアをたたいた。
「はい?」
Aさんの声には抑揚がなく外から大丈夫ですか? と声をかけるとしばらくしてから、
「大丈夫じゃねえよ」
と言う声が聞こえてきた。何かがあったら大変だと思い、すみません。入ります。とドアを開けて見ると、髪をかきむしったのかセットしたヘアースタイルをぐちゃぐちゃにしたAさんが楽屋の中央で立ち尽くしていた。
「歌えないんだよ。声が出ないんだよ」
ぶつぶつとそんなことを言いながら、こちらには気がついていないようだった。
「もう許してくれよ。頼むよ。俺が悪かったよ」
Aさんの尋常じゃない様子に戸惑ったが、もう一度声をかけようと思ったときに彼は切り倒される木のように床に倒れこんだ。そのため私は急いで救急車を呼ぶ手配をした。
これはもうまったくの災難だとしか言いようがないのだが、救急車を呼んだために私は首になった。体裁を気にする劇場の支配人に相談もせずに救急車を呼んだのがいけなかったらしい。ただ、あの時はそうするしかないと思っていたので後悔はしていない。
次の仕事も決まらずに宙ぶらりんになっていた時に、Aさんから電話をもらった。その内容は、入院が長引いて身動きが取れないので彼の代わりに人に会ってきてもらいたいと言うことだった。
Aさんには若い頃に付き合っていた女がいて、その女はすでに死んでいるそうだがその女との間に子どもが一人いて今は女の祖母と一緒に暮らしていると言う話だった。
私の新しい仕事はAさんの代理としてその子と祖母に会い、Aさんの手紙を渡すことだった。それがすんだら、Aさんの付き人になることも決まっていた。気難しいと思っていたAさんだが、それはどうやら誤解で体調が悪いこともありあのような態度をとっていたのだと思うようになった。それほど病室で見たAさんは穏やかだった。そう、手紙を取りに行ったときに会ったAさんはとても優しそうな人だった。
私は女の生まれ故郷である小さな漁村を訪れた。女の名前を知っている者もなく、探すのに本当に手間がかかった。
「それって、富さんの娘じゃねえか?」
80過ぎくらいのお爺さんが船から荷を降ろしながら言った。その老人は今も現役のようで細い体の割には動きはしっかりとしていて力強い。同じ作業をしろといったら2往復はしなければなるまい。
その言葉で漁師達は思い出したかのようにそうだそうだと言い始めた。そして、富と呼ばれる女の祖母が住んでいたという場所を教えてもらった。
起伏が激しく坂道だらけで、こんなことならタクシーで来れば良かったと思うほど歩き回りやっとの思いで富の家を見つけた。古臭い家だった。さび付いたトタンの壁がどこか痛々しかった。
ひびの入った曇り戸を軽くノックする。あたりには他に民家はなかったが、あまり大きな声が出せずにいた。それくらいなんだか薄気味が悪かった。
返事もなく帰ろうと振り返るとお婆さんと7歳くらいの男の子が立っていて、こちらをじっと見ていた。買い物に行っていたのだろうか。
「買い物に行ってたんだ」
お婆さんはこちらが話しかけるよりも先にそう言った。
私はどぎまぎしながらここにきた用件を伝えた。
「そうですか。それはうちの娘のことです。よういらっしった。よういらっしった」
Aさんからの手紙を渡してさっさと帰ろうと思ったのだが、お婆さんがしきりに勧めるのでその日はその家に泊まることになった。子どもは無言でこっちをじっと見ていた。
埃くさい布団で一夜を明かし、帰る用意をしていると男の子が古く薄汚れたお守りを持ってきてそれを私に差し出した。その意味を聞いても男の子はそれを突き出してくるだけで何も言わなかった。
「母親の形見なんですよ。お父さんに渡しで貰いてえんだな?」
お婆さんが男の子の頭を優しくなでると男の子は力強くうなづいた。その時、男の子の髪がずれた。一瞬のことでぎょっとしたのだが、すぐにカツラなのかも知れないと思った。何か重い病気で彼はしゃべれないのだ。そう思うとなんだか不憫にも思えた。
「病気なんだ。かわいそうな子なんだ」
お婆さんもそう言った。
お守りを持ってAさんの下を訪れた。Aさんはもう立って病院内を歩き回って女性の看護師をナンパするほどに元気になっていた。そのAさんに古いお守りを渡す。
「そうか」
そう言ってAさんはしばらく無言だった。男の子が病気だったことも話すと、Aさんは少し不思議そうな顔をした。そして、少し自嘲気味に笑った。
Aさんはお礼に結構な額のお金をくれた。貰うのが悪い気がしたが、やっぱり付き人は雇えないと言われたので貰っておくことにした。そして、退院間近のAさんに挨拶をして帰った。
しばらくして、劇場から連絡があった。
Aさんが死んだらしい。
地方巡業のリハーサル中だったそうだ。ここ最近は前向きに取り組むようになったAさんの熱に周りも飲み込まれ、懐メロではなく復活を予感させていたと言う。
急にAさんの声がマイクから聞こえなくなり、みんながAさんを見ると、彼は首の辺りを必死に押さえて掻き毟っていたそうだ。
スタッフたちが近づいていくと、Aさんは舞台の上に倒れた。指先はすでに血で染まり、徐々にあふれてくるその血で舞台は赤く染まっていったと言う。スタッフもあまりのことに近づいてもいけず青く、紫色に変わっていくAさんの顔を見ながら、どうすることも出来ずにいた。
Aさんの死に方は壮絶だったが、話はそれで終わらなかった。彼の喉の奥には細く柔らかい溶けかけた髪の毛が詰まっていたそうだ。そして、掻き毟った首には大小さまざまの人の爪が突き刺さっていたそうだ。黄色くなったその爪は、子どものものと思えるものと、成人女性のものと思われるものが30個近くあったという。
楽屋から見つかった古いお守りの中から、成人女性の爪がひとつとメモ書きが一緒に見つかったそうだ。そこには黒ずんだ文字でよくわからないマークが書かれていたようだ。
後から聞いた地元漁師の話では、富と言う人は何年も前に入水して亡くなったそうだ。7歳くらいの孫を連れて無理心中をしたのだという。遺体は打ち上げられたが、皮膚や髪の毛はズルズルに剥がれていたそうである。
私が訪ねていった老婆と子どもは一体何だったのだろう。
ホール自体は都会のものと比べてしまうとあばら家のような感じかもしれないが、それでも500人くらいは入れるもので、5年前に外装の塗りなおしをしてからは集客もそこそこだった。
あの時もやはり地方巡業の公演があって、20年位前に曲が大ヒットしたAという演歌歌手が数人の共演者と共にやってきた。
Aさんはスタッフに対して横柄でどこか馬鹿にした態度も見えたので、私たちスタッフの側でもなるべく彼を避けるようになっていた。大ヒットを飛ばしたのが20年前。今ではすっかりカラオケでも歌われなくなったので、Aさんには付き人がいない。
そこで白羽の矢が立ったのが私だった。
私はその無茶な要求に出来うる限り答えつつ、一方で劇場の仕事もこなさなければならなかったため他のスタッフからは有難がられるどころか、常に文句と嫌味を言われるのだった。
それでもそれに耐えていたのは、Aさんの持つ空気のせいだったのかもしれない。
とにかくAさんは練習も何もかもがいい加減だった。これがプロと言うものならばその辺をぶらぶら歩いているおじさんを捕まえてきて衣装を着させて立たせても十分通用しそうなそんな感じだった。
そんなことだから公演も最悪だった。
Aさんは歌詞を忘れ舞台上に突っ立ったまま口を金魚のようにパクパクさせる。マイクでいくら声を拾うと言っても、うめき声のようなものをお客さんに聞かせる訳にも行かないので曲だけ流れているところに歌手が口パクしている。それを見た客が「ふざけるな、金を返せ!」などと騒ぎ出し壇上に上がりだそうとするのをあわててスタッフが止めに入ったりして散々だった。幸い共演者の方が気を利かせて場を和ませてくれたおかげでその後の騒ぎは起こらなかったが。
Aさんは体調が悪いのかすぐに楽屋にこもってしまった。
私はそれを確かめに行くように言われたので気分は乗らなかったが、仕事だったので仕方がなく楽屋のドアをたたいた。
「はい?」
Aさんの声には抑揚がなく外から大丈夫ですか? と声をかけるとしばらくしてから、
「大丈夫じゃねえよ」
と言う声が聞こえてきた。何かがあったら大変だと思い、すみません。入ります。とドアを開けて見ると、髪をかきむしったのかセットしたヘアースタイルをぐちゃぐちゃにしたAさんが楽屋の中央で立ち尽くしていた。
「歌えないんだよ。声が出ないんだよ」
ぶつぶつとそんなことを言いながら、こちらには気がついていないようだった。
「もう許してくれよ。頼むよ。俺が悪かったよ」
Aさんの尋常じゃない様子に戸惑ったが、もう一度声をかけようと思ったときに彼は切り倒される木のように床に倒れこんだ。そのため私は急いで救急車を呼ぶ手配をした。
これはもうまったくの災難だとしか言いようがないのだが、救急車を呼んだために私は首になった。体裁を気にする劇場の支配人に相談もせずに救急車を呼んだのがいけなかったらしい。ただ、あの時はそうするしかないと思っていたので後悔はしていない。
次の仕事も決まらずに宙ぶらりんになっていた時に、Aさんから電話をもらった。その内容は、入院が長引いて身動きが取れないので彼の代わりに人に会ってきてもらいたいと言うことだった。
Aさんには若い頃に付き合っていた女がいて、その女はすでに死んでいるそうだがその女との間に子どもが一人いて今は女の祖母と一緒に暮らしていると言う話だった。
私の新しい仕事はAさんの代理としてその子と祖母に会い、Aさんの手紙を渡すことだった。それがすんだら、Aさんの付き人になることも決まっていた。気難しいと思っていたAさんだが、それはどうやら誤解で体調が悪いこともありあのような態度をとっていたのだと思うようになった。それほど病室で見たAさんは穏やかだった。そう、手紙を取りに行ったときに会ったAさんはとても優しそうな人だった。
私は女の生まれ故郷である小さな漁村を訪れた。女の名前を知っている者もなく、探すのに本当に手間がかかった。
「それって、富さんの娘じゃねえか?」
80過ぎくらいのお爺さんが船から荷を降ろしながら言った。その老人は今も現役のようで細い体の割には動きはしっかりとしていて力強い。同じ作業をしろといったら2往復はしなければなるまい。
その言葉で漁師達は思い出したかのようにそうだそうだと言い始めた。そして、富と呼ばれる女の祖母が住んでいたという場所を教えてもらった。
起伏が激しく坂道だらけで、こんなことならタクシーで来れば良かったと思うほど歩き回りやっとの思いで富の家を見つけた。古臭い家だった。さび付いたトタンの壁がどこか痛々しかった。
ひびの入った曇り戸を軽くノックする。あたりには他に民家はなかったが、あまり大きな声が出せずにいた。それくらいなんだか薄気味が悪かった。
返事もなく帰ろうと振り返るとお婆さんと7歳くらいの男の子が立っていて、こちらをじっと見ていた。買い物に行っていたのだろうか。
「買い物に行ってたんだ」
お婆さんはこちらが話しかけるよりも先にそう言った。
私はどぎまぎしながらここにきた用件を伝えた。
「そうですか。それはうちの娘のことです。よういらっしった。よういらっしった」
Aさんからの手紙を渡してさっさと帰ろうと思ったのだが、お婆さんがしきりに勧めるのでその日はその家に泊まることになった。子どもは無言でこっちをじっと見ていた。
埃くさい布団で一夜を明かし、帰る用意をしていると男の子が古く薄汚れたお守りを持ってきてそれを私に差し出した。その意味を聞いても男の子はそれを突き出してくるだけで何も言わなかった。
「母親の形見なんですよ。お父さんに渡しで貰いてえんだな?」
お婆さんが男の子の頭を優しくなでると男の子は力強くうなづいた。その時、男の子の髪がずれた。一瞬のことでぎょっとしたのだが、すぐにカツラなのかも知れないと思った。何か重い病気で彼はしゃべれないのだ。そう思うとなんだか不憫にも思えた。
「病気なんだ。かわいそうな子なんだ」
お婆さんもそう言った。
お守りを持ってAさんの下を訪れた。Aさんはもう立って病院内を歩き回って女性の看護師をナンパするほどに元気になっていた。そのAさんに古いお守りを渡す。
「そうか」
そう言ってAさんはしばらく無言だった。男の子が病気だったことも話すと、Aさんは少し不思議そうな顔をした。そして、少し自嘲気味に笑った。
Aさんはお礼に結構な額のお金をくれた。貰うのが悪い気がしたが、やっぱり付き人は雇えないと言われたので貰っておくことにした。そして、退院間近のAさんに挨拶をして帰った。
しばらくして、劇場から連絡があった。
Aさんが死んだらしい。
地方巡業のリハーサル中だったそうだ。ここ最近は前向きに取り組むようになったAさんの熱に周りも飲み込まれ、懐メロではなく復活を予感させていたと言う。
急にAさんの声がマイクから聞こえなくなり、みんながAさんを見ると、彼は首の辺りを必死に押さえて掻き毟っていたそうだ。
スタッフたちが近づいていくと、Aさんは舞台の上に倒れた。指先はすでに血で染まり、徐々にあふれてくるその血で舞台は赤く染まっていったと言う。スタッフもあまりのことに近づいてもいけず青く、紫色に変わっていくAさんの顔を見ながら、どうすることも出来ずにいた。
Aさんの死に方は壮絶だったが、話はそれで終わらなかった。彼の喉の奥には細く柔らかい溶けかけた髪の毛が詰まっていたそうだ。そして、掻き毟った首には大小さまざまの人の爪が突き刺さっていたそうだ。黄色くなったその爪は、子どものものと思えるものと、成人女性のものと思われるものが30個近くあったという。
楽屋から見つかった古いお守りの中から、成人女性の爪がひとつとメモ書きが一緒に見つかったそうだ。そこには黒ずんだ文字でよくわからないマークが書かれていたようだ。
後から聞いた地元漁師の話では、富と言う人は何年も前に入水して亡くなったそうだ。7歳くらいの孫を連れて無理心中をしたのだという。遺体は打ち上げられたが、皮膚や髪の毛はズルズルに剥がれていたそうである。
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