492 / 499
第4章 更なる戦い
第491話 ゲーム会場へようこそ131
しおりを挟む
「さて・・・それでは名残惜しいデスガ・・・」
お互いの獲物ー擬体化武器を確認し合った後、エリカとカヤは改めて向き合いー
「そろそろヤリマショウカ」
愛し合った後は、首を懸けた殺し合いーである。
「ええ、そうね・・・」
カヤが微笑を浮かべながら応えた。ここからが本番である。
「それでは、エリカ・ランドールと風間カヤの勝負を開始いたします」
無機質な音声が辺りに響き渡った。二人にとっては、何度も聞きなれた「戦いの開始」を宣言するソレはー
いつの間にか、ジャッジが虚空から姿を現していた。その出現の唐突さには、最初の頃は少し驚かされたものの、今となっては普通に受け入れてしまっている。
戦いの開始が宣言された。それとともに、カヤ、エリカとも素早くその場から飛び退った。
「ヒュウウウ」
カヤとの距離を取りながら、エリカは自らが握りしめている三日月刀の感触を改めて確かめる。今までの戦いの中で、すっかりと手に馴染んだソレは、エリカにとっては唯一無二の相棒だった。
最初に擬体化武器を手にした時、なんとも形容しがたい不思議な一体感に包まれたのを覚えている。まるで、手と刀が一体化したような感覚だった。それこそ、体から神経細胞が伸びて刀に纏わりついているような、うまくは表現できないが、これこそ自分だけのものだという実感を持てるような、そんな高揚感が生まれていた。
当然、今も同様である。そして、この高揚感に包まれている間は、決して自分は負けることはないだろうという自信が限りなく湧き出てくるのであった。
ーソウデス、私は誰にもマケマセンー
相手が誰であれ、自分は必ず勝利するー実際には何の裏付けもない自信なのだが、相棒とも分身ともいうべき己の擬体化武器が、そう思わせてくれるのだ。
実際、彼女はこれまでの戦いに全て勝利を収めてきた。大会参加者の中でも、恐らくは上位に入る成績のはずだ。
ゆえに、この勢いのまま、最後まで勝ち進むのだー
だが、エリカにとって不幸だったのは、目の前の少女が生まれながらの戦闘のプロであったということだろう。
カヤもまた、エリカと同様にこの大会の参加者としては上位にいる存在ー
ただ、一言に「上位」と言っても、その中でもやはりピンからキリまである。
カヤも、エリカから距離を取りながらもいつでも斬りかかれるように体勢を整えていた。小柄でしなやかな身のこなしのカヤの動きは、常人レベルではとてもではないが捉えられない。これは、彼女が擬体化したからだけではなく、元々戦闘のプロとして、常に戦いに身を置く環境の中で育ってきたからこそだったとも言えた。
エリカがそのことに気が付くのは、この直後のことになるー
お互いの獲物ー擬体化武器を確認し合った後、エリカとカヤは改めて向き合いー
「そろそろヤリマショウカ」
愛し合った後は、首を懸けた殺し合いーである。
「ええ、そうね・・・」
カヤが微笑を浮かべながら応えた。ここからが本番である。
「それでは、エリカ・ランドールと風間カヤの勝負を開始いたします」
無機質な音声が辺りに響き渡った。二人にとっては、何度も聞きなれた「戦いの開始」を宣言するソレはー
いつの間にか、ジャッジが虚空から姿を現していた。その出現の唐突さには、最初の頃は少し驚かされたものの、今となっては普通に受け入れてしまっている。
戦いの開始が宣言された。それとともに、カヤ、エリカとも素早くその場から飛び退った。
「ヒュウウウ」
カヤとの距離を取りながら、エリカは自らが握りしめている三日月刀の感触を改めて確かめる。今までの戦いの中で、すっかりと手に馴染んだソレは、エリカにとっては唯一無二の相棒だった。
最初に擬体化武器を手にした時、なんとも形容しがたい不思議な一体感に包まれたのを覚えている。まるで、手と刀が一体化したような感覚だった。それこそ、体から神経細胞が伸びて刀に纏わりついているような、うまくは表現できないが、これこそ自分だけのものだという実感を持てるような、そんな高揚感が生まれていた。
当然、今も同様である。そして、この高揚感に包まれている間は、決して自分は負けることはないだろうという自信が限りなく湧き出てくるのであった。
ーソウデス、私は誰にもマケマセンー
相手が誰であれ、自分は必ず勝利するー実際には何の裏付けもない自信なのだが、相棒とも分身ともいうべき己の擬体化武器が、そう思わせてくれるのだ。
実際、彼女はこれまでの戦いに全て勝利を収めてきた。大会参加者の中でも、恐らくは上位に入る成績のはずだ。
ゆえに、この勢いのまま、最後まで勝ち進むのだー
だが、エリカにとって不幸だったのは、目の前の少女が生まれながらの戦闘のプロであったということだろう。
カヤもまた、エリカと同様にこの大会の参加者としては上位にいる存在ー
ただ、一言に「上位」と言っても、その中でもやはりピンからキリまである。
カヤも、エリカから距離を取りながらもいつでも斬りかかれるように体勢を整えていた。小柄でしなやかな身のこなしのカヤの動きは、常人レベルではとてもではないが捉えられない。これは、彼女が擬体化したからだけではなく、元々戦闘のプロとして、常に戦いに身を置く環境の中で育ってきたからこそだったとも言えた。
エリカがそのことに気が付くのは、この直後のことになるー
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる