上 下
489 / 499
第4章 更なる戦い

第488話 ゲーム会場へようこそ128

しおりを挟む
 自分は何が何でも生き延びて見せるーたとえその先に何が待ち受けていようとも。
 そう誓いを立てたエリカは、大会開始直後から破竹の勢いで勝利を重ねてきた。
 もともと、運動神経がよかったというのもプラスに働いていた。それが擬体化の際に、彼女の高い運動能力を引き出し、結果、戦いを有利に進める助けとなっていたのだった。
 最初、自分に襲い掛かってきた少女を逆に返り討ちにしたのだった。相手は、真っ先にエリカをレイプしようと狙っていたようで、大会の開会式の時に既に彼女を注視していたようだった。
 背後から不意に声をかけられたエリカは、逆にその場で相手を組伏し、レイプに及んだ。相手からしてみれば、自分が襲おうとしていたのに、逆に純潔を汚された形となったのだ。自業自得とは言え、相手の怒りは凄まじく、その怒りのままにエリカに攻撃を加えてきた。
 今にして思えば、今までで一番きつかった戦いは、最初のものだったのではないかと思う。単純な実力で言えば、相手とほぼ互角ー勝敗を分けたのは、エリカの方がわずかにスタミナが上回っていたからだ。持続力による勝利であった。
 その時の二人の擬体破損率を比較すれば、ほぼ接戦だったのがよくわかる。おそらく、高みの見物を決め込んでいる大会運営側やゲストたちもそう見ていただろう。
 エリカの擬体破損率は、最終的には93%となっていた。あと一撃食らっていたら、まず間違いなくやられていただろう。エリカがとどめを刺す前の相手の擬体破損率が91%だったことからも、どちらもほぼリーチの状態での戦いがかなり長い間続いた。
 その勝敗を分けたのが、前述の通り「持久力」ーつまりは、エリカのスタミナの方が勝ったということだった。
 接戦の末に敗れた相手は、悔し涙を浮かべつつも、最後は潔くエリカに首を落とされた。
 ーふう・・・危なかったデスー
 大会開始直後で、いきなり死の恐怖を感じることになるとは思ってもみなかった。
 ーこれは・・・もっと気合を入れて行かないとー
 エリカは、自分に迫りくる死を振り払うかのように、戦いに勝ち続けた。最初の戦いに比べれば、他の少女たちの相手などたやすかったーもしかしたら、最初の戦いの経験があるからこそ、うまく立ち回れただけなのかもしれないが。
 生き残るためには、とにかく勝ち続けるしかない。その現実が、エリカをより冷徹にさせていった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あなたのサイコパス度が分かる話(短編まとめ)

ミィタソ
ホラー
簡単にサイコパス診断をしてみましょう

処理中です...