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第4章 更なる戦い
第466話 ゲーム会場へようこそ106
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難易度が引き上げられた影響は、当然ながら明子たち以外の他の参加者達にも及ぶ。
「きゃああああっ!!」
ここは森に近い湖の近くーそこを一人の少女が魔物に悲鳴を上げながら追い掛け回されていた。
小柄な体躯は、一見すれば小学生のものかと錯覚させられるくらいだったが、れっきとした女子高生である。ただ、生前ーつまりはこのアルカディア島に来る前は、その容姿ゆえにほぼ愛玩動物のように扱われていた。
別に、いじめられていたというわけではない。ただ、同級生たちから下に見られがちだったのは否めなかった。相手側に悪意がない分、なおの事たちが悪かったがー
「な、何でいきなりこんな奴が!?」
その問いかけに答えられるものは近くにはいなかった。メイドさんによるゲーム難易度設定の見直しの影響は、現在明子たちがいる森の中ばかりではなく、当然のように森の外へも及んでいたのだった。
「ええい、こうなったら・・・!!」
さすがに、もう逃げ回るのはうんざりだと思ったのか、少女はにわかに振り返ると、自分に迫ってくる魔物めがけて「何か」を投擲した。
「・・・あたしらを舐めんなよ!!」
飛び掛ってきた魔物は、しゃれこうべが実体化したような姿をしていた。キヒヒーとなんとも耳障りな哄笑を上げながら、目の前の獲物に襲い掛かろうとするがー
少女が投擲したものは、手裏剣だった。それは見事にしゃれこうべの額に命中し、そしてー
「・・・BAAANG!」
少女が片目を閉じて人差し指をしゃれこうべの魔物に向けたとたん、魔物ははじけ飛んだのだった。
「はは・・・ざまあみろ」
しゃれこうべ型の魔物が粉々になったのを確認し、少女はその場で満足げに腕を組んだ。
「あたしら、風間を甘く見るなよ」
その少女、風間カヤは、風間ヒナと同じ家の出であった。
風間家ー元は、戦国時代は後北条家に仕えていた風魔一族から始まるとされる。現在では風魔ではなく風間と名乗り、その一族の存在を巧みに世間から隠してきたのだった。
風間ヒナは本家筋の子であり、風間カヤは分家からの出であった。
現在、風間ヒナはこのゲームには参加していないものの、この大会には出ていることを知っている。このゲームを終えたら、真っ先に会いに行く。そしてー
ー私は分家では終わらないー
カヤは、ヒナに対して対抗意識がある。分家ゆえに軽く扱われてきたという劣等感が、本家筋のヒナに対する対抗心として現れているからだ。
ーヒナを倒し、その首をもって、私たちの方こそ風魔を継ぐ資格があることをはっきりとわからせてやるー
カヤは、ほとんど欠片しか残っていないしゃれこうべの魔物が瘴気となって消えていく姿を見て、目を細めた。
自分の方が、絶対に上のはずだー
「きゃああああっ!!」
ここは森に近い湖の近くーそこを一人の少女が魔物に悲鳴を上げながら追い掛け回されていた。
小柄な体躯は、一見すれば小学生のものかと錯覚させられるくらいだったが、れっきとした女子高生である。ただ、生前ーつまりはこのアルカディア島に来る前は、その容姿ゆえにほぼ愛玩動物のように扱われていた。
別に、いじめられていたというわけではない。ただ、同級生たちから下に見られがちだったのは否めなかった。相手側に悪意がない分、なおの事たちが悪かったがー
「な、何でいきなりこんな奴が!?」
その問いかけに答えられるものは近くにはいなかった。メイドさんによるゲーム難易度設定の見直しの影響は、現在明子たちがいる森の中ばかりではなく、当然のように森の外へも及んでいたのだった。
「ええい、こうなったら・・・!!」
さすがに、もう逃げ回るのはうんざりだと思ったのか、少女はにわかに振り返ると、自分に迫ってくる魔物めがけて「何か」を投擲した。
「・・・あたしらを舐めんなよ!!」
飛び掛ってきた魔物は、しゃれこうべが実体化したような姿をしていた。キヒヒーとなんとも耳障りな哄笑を上げながら、目の前の獲物に襲い掛かろうとするがー
少女が投擲したものは、手裏剣だった。それは見事にしゃれこうべの額に命中し、そしてー
「・・・BAAANG!」
少女が片目を閉じて人差し指をしゃれこうべの魔物に向けたとたん、魔物ははじけ飛んだのだった。
「はは・・・ざまあみろ」
しゃれこうべ型の魔物が粉々になったのを確認し、少女はその場で満足げに腕を組んだ。
「あたしら、風間を甘く見るなよ」
その少女、風間カヤは、風間ヒナと同じ家の出であった。
風間家ー元は、戦国時代は後北条家に仕えていた風魔一族から始まるとされる。現在では風魔ではなく風間と名乗り、その一族の存在を巧みに世間から隠してきたのだった。
風間ヒナは本家筋の子であり、風間カヤは分家からの出であった。
現在、風間ヒナはこのゲームには参加していないものの、この大会には出ていることを知っている。このゲームを終えたら、真っ先に会いに行く。そしてー
ー私は分家では終わらないー
カヤは、ヒナに対して対抗意識がある。分家ゆえに軽く扱われてきたという劣等感が、本家筋のヒナに対する対抗心として現れているからだ。
ーヒナを倒し、その首をもって、私たちの方こそ風魔を継ぐ資格があることをはっきりとわからせてやるー
カヤは、ほとんど欠片しか残っていないしゃれこうべの魔物が瘴気となって消えていく姿を見て、目を細めた。
自分の方が、絶対に上のはずだー
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