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第4章 更なる戦い

第456話 ゲーム会場へようこそ96

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 美羽から突然の接吻に、なんとも間が抜けた声を出してしまった明子だった。
「え、ええと・・・」
 明子はその後、所在なさげに辺りに視線を泳がせた。
 突然のことに、どんな態度を返せばいいのかもよくわからない。何よりー
 ーあたしには、穂乃果という心に決めた相手がいるんだ・・・ー
「ああ、明子、美羽のこれは単なるスキンシップくらいに考えてくれていいから」
「・・・へ?」
 またも間の抜けた声を上げてしまう明子。優菜を見ると、彼女は苦笑しながら、
「美羽ってさあ、少し気に入った子がいるとすぐにキスしちゃうのよ・・・でも、これ単なるあいさつ代わりみたいなもんだから、あまり深刻に考えなくてもいいわよ」
 欧米とかでもよくあるあいさつ代わりのキスのつもりなのだろうか。
 うーんと、軽く唸って頭を振りながら、明子は優菜の言う通り、あまり深く考えないことにした。
 ただ、こんなことをしょっちゅうされたのではさすがにたまらないので、一応釘を刺しておくことにする。
「あ、あのさ・・・スキンシップなら、普通に軽くハグするくらいに留めてほしいな・・・いくら何でも唇同士というのは、ちょっと・・・」
 美羽は蠱惑的に瞳を細めて微笑しながら、
「はい」
とだけ応えた。
 その後、傍らの優菜に視線を向ける。対する優菜は呆れたような表情を美羽に向けるものの、すぐにいつもの快活な笑みを浮かべていた。
 一瞬だが、そのやり取りに二人の強い結びつきみたいなものを感じる明子だった。
 ー・・・あれー
 もしかしたら・・・だが、美羽と優菜は本当はー
「さあさあ、スキンシップも終わったことだし、いつまた何が出てくるかわかんないんだから、今のうちに水浴びを堪能しちゃいましょうよ」
 優菜が小川の水を掬って美羽や明子にかけてくる。
「冷たい!」
「もう、優菜さん・・・まるで子供みたいですよ」
 そう言いながらも、美羽も負けじと優菜に水をかけ返している。キャッキャと騒ぐ二人の光景は、実に微笑ましいの一言に尽きた。
 ーやっぱり二人は、そういう関係かー
 明子だったら、自分の想い人が誰かと接吻している場面を見たら心穏やかじゃなくなるだろうが、優菜にとっては「この程度」なら単なるあいさつ代わりのスキンシップくらいの扱いになるのだろうか。それとも、本当に想い合っているのなら、これくらいのことでお互いの関係性が壊れることはない、ということなのかー
 ー・・・かなわないな、この二人にはー
 いろいろな意味で、優菜と美羽にはかなわないということを痛感させられる明子だった。
 ーそういえば、穂乃果は今頃どうしてるんだろう?ー
 このゲームには「ご招待」されていない穂乃果は、あの3人の看守たちと一緒に街で買い物をしていたはずだ。もし、このゲームをクリアできたのなら、真っ先に探しに行かなくてはー
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