百合斬首~晒しな日記~

ミケとポン太

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第4章 更なる戦い

第452話 ゲーム会場へようこそ92

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 美羽が用意していた「万能薬」の効果もあり、桐原の容体が落ち着いてきたところでー
「そうか・・・お主らは森の外を目指していたのだな。それで、その途中であの巨大な物の怪に追い掛け回された、と」
「そう、あの恐竜が突然出てきてあたしらを追い掛け回したんだ・・・おかげで森の外に続く道からも外れちゃって、また遭難だよ」
 明子たちは、前回の戦いで倒したヴェリエルが切り開いた森の外へ通じているであろう道を歩いていたのだが、突如凄まじい咆哮と共に、あの恐竜が背後から迫ってきた。
 ヴェリエルの放った光線で抉られた道は、存外走りにくく、結局3人は再び森の中に逃げ込み、何とか恐竜から姿を隠そうとしたのだが、それも無理だったのだ。
 途中、森の中で拾ったアイテムを駆使しながら、何とかあの恐竜を倒すことはできたものの、森の外へと通じているであろうあの道からは著しく外れてしまった。
「森の外への道なら・・・某が入り口からここに至るまで印を残しておいたから、それを辿っていけば出られるやもしれぬ」
 戸隠の言葉を聞いて、ぱあっと顔を輝かせる明子だった。
「本当?いやあ、助かったぁ、ようやくここから出られるよ」
 優菜と美羽も破顔した。
「あたしたちも、正直参っていたのよね・・・あの恐竜以外にも強い魔物と戦ったりしてたから、もう体力も限界に近いし」
「もう一度、あの恐竜と同じような魔物と出くわしたら、もう勝てる気がしませんものね」
 正直、先ほどの戦いで体力もアイテムも消耗しきっている。もう一度同じタイプの魔物に襲われようものなら、まず間違いなく命はないだろう。
「ふむ・・・」
 戸隠は、今は安らかな寝息を立てている桐原の方を一瞥すると、
「なるべく早めにこの森から出た方がいいかもしれぬな・・・桐原殿が目を覚ましたら、すぐにでも動こうか」
 この森がいかに危険であるのかは、先ほどの恐竜を見ても明らかだ。いくら戸隠が暗殺のスペシャリストとは言っても、あのような敵を相手に立ち回れるかと言われたら、とても自信がなかった。
 それでも、戸隠だけでなく他のメンバーがまだ戦えるのなら何とかなりそうだが、見たところ3人とも疲労困憊だ。
 これは、長居せずにさっさとこの場所を離れた方がいいかもしれない。
 しかしー
「ごめん、あたしすぐには動けそうもない」
 もう体力の限界と言わんばかりの表情で明子が言った。
「せめて、もう少しだけ休んでもいいかな・・・できれば水浴びもしたい」
「む、水浴び・・・?」
 水浴びという言葉に反応を示す戸隠だった。
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