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第4章 更なる戦い
第448話 ゲーム会場へようこそ88
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ー思いっきり水浴びしたい!!ー
優菜からの提案に、それまでのへたり具体が嘘のように目を輝かせる明子だった。
「・・・まあ、着替えはないんだけど、どのみちこの服はもう汗だくだし、いっそのこと水浴びのついでに洗って乾かしてもいいんじゃない?」
優菜は元々あまり細かいことを気にしない性格である。よく言えば鷹揚で、悪く言えば大雑把、いい加減である。
だが、この場においてはこの提案がありがたかったのは言うまでもないことだった。
「今まで手に入れてきたアイテムの中に、熱や炎を司るものもありますし、服を乾かすのであればちょうどいいかと思いますよ」
美羽が収納袋内のアイテムを確認したうえでウィンクしながら言う。
実は、このゲーム開始に当たって、各人に道中獲得したアイテムを収納するための特殊な機能が与えられていたのだった。これにより、各人ともわざわざ拾ったものを持ち歩かなくても、その場でそれを取り出すことができるのである。
さすがのメイドさんも、参加者にあまり負担ばかりかけてはゲームの進行に支障が出るだろうと判断したのだろう。
いずれにせよ、明子たち参加者にとっては確かに有難い機能であった。
「問題は・・・この近くに水場があるかどうか、なのよね・・・」
頭を掻きながら、今になって思いついたかのように言う優菜。その言葉に、思わずげんなりとしかけた明子に、美羽は苦笑しながら、
「それなら問題ないかと思います。さっきあの恐竜から逃げていた時にですが、ここからもう少し戻ったところに小川らしきものがあるのを見かけましたので」
どうやら、美羽はあの恐竜型の魔物から逃げ回っている時に、森の中に小川を見つけていたらしい。
「ここから多少歩くことになりますが・・・明子さん、お体の方は大丈夫ですか?」
「平気平気!すぐに出発しようよ!!」
今までへたり込んでいたのが嘘のような態度で明子が勢いよく起き上がりながら言った。元々現金な性格なのだ、明子は。
そんな明子を見て、優菜と美羽が顔を見合わせて笑った。この3人の中で、明子が一番へばっているかと思っていたが、この調子だと当分は大丈夫そうだった。
「よおし、それじゃあ戻りますか。美羽、念のため、警戒用のアイテムで周囲の様子を探っといて」
「わかりました」
美羽はさっそく収納袋から魔物を警戒するためのアイテムを取り出した。そのアイテムの名は「アラーム」で、近くに危険が迫った時には警戒音を鳴らして所有者に知らせてくれるのだ。
アラームは、美羽の掌からふわっと浮かび上がると、明子たちの真上辺りを旋回しながら、辺りを警戒し始めた。
今のところ、差し迫った危機は無いようである。
「さあ、さっさと水浴びしに行きましょう!」
「おおっ!!」
優菜と明子が歓声を上げて元来た道をずんずん進んでいく。その後を苦笑しながら美羽が続いた。
優菜からの提案に、それまでのへたり具体が嘘のように目を輝かせる明子だった。
「・・・まあ、着替えはないんだけど、どのみちこの服はもう汗だくだし、いっそのこと水浴びのついでに洗って乾かしてもいいんじゃない?」
優菜は元々あまり細かいことを気にしない性格である。よく言えば鷹揚で、悪く言えば大雑把、いい加減である。
だが、この場においてはこの提案がありがたかったのは言うまでもないことだった。
「今まで手に入れてきたアイテムの中に、熱や炎を司るものもありますし、服を乾かすのであればちょうどいいかと思いますよ」
美羽が収納袋内のアイテムを確認したうえでウィンクしながら言う。
実は、このゲーム開始に当たって、各人に道中獲得したアイテムを収納するための特殊な機能が与えられていたのだった。これにより、各人ともわざわざ拾ったものを持ち歩かなくても、その場でそれを取り出すことができるのである。
さすがのメイドさんも、参加者にあまり負担ばかりかけてはゲームの進行に支障が出るだろうと判断したのだろう。
いずれにせよ、明子たち参加者にとっては確かに有難い機能であった。
「問題は・・・この近くに水場があるかどうか、なのよね・・・」
頭を掻きながら、今になって思いついたかのように言う優菜。その言葉に、思わずげんなりとしかけた明子に、美羽は苦笑しながら、
「それなら問題ないかと思います。さっきあの恐竜から逃げていた時にですが、ここからもう少し戻ったところに小川らしきものがあるのを見かけましたので」
どうやら、美羽はあの恐竜型の魔物から逃げ回っている時に、森の中に小川を見つけていたらしい。
「ここから多少歩くことになりますが・・・明子さん、お体の方は大丈夫ですか?」
「平気平気!すぐに出発しようよ!!」
今までへたり込んでいたのが嘘のような態度で明子が勢いよく起き上がりながら言った。元々現金な性格なのだ、明子は。
そんな明子を見て、優菜と美羽が顔を見合わせて笑った。この3人の中で、明子が一番へばっているかと思っていたが、この調子だと当分は大丈夫そうだった。
「よおし、それじゃあ戻りますか。美羽、念のため、警戒用のアイテムで周囲の様子を探っといて」
「わかりました」
美羽はさっそく収納袋から魔物を警戒するためのアイテムを取り出した。そのアイテムの名は「アラーム」で、近くに危険が迫った時には警戒音を鳴らして所有者に知らせてくれるのだ。
アラームは、美羽の掌からふわっと浮かび上がると、明子たちの真上辺りを旋回しながら、辺りを警戒し始めた。
今のところ、差し迫った危機は無いようである。
「さあ、さっさと水浴びしに行きましょう!」
「おおっ!!」
優菜と明子が歓声を上げて元来た道をずんずん進んでいく。その後を苦笑しながら美羽が続いた。
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