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第4章 更なる戦い
第439話 ゲーム会場へようこそ79
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ごく普通の家庭で育った桐原にとって、戸隠の語る過去は想像もつかなかった。
物心ついた時から殺しの技術の継承のためだけに生きてきたという戸隠が、他の一般的な女子たちと感覚がズレにずれているのも頷けるというものだ。
さらには、世界一平和だと言われている日本の中にも、そう言った暗部が存在するという事実が、戸隠の過去と共に桐原の内面をひどく動揺させた。
だが、当の戸隠はと言うと、そのことや自分の過去ののことについて、何ら悲壮感すら持ち合わせていないようだった。語る口調も淡々としていて、聞きようによっては、過去に自分がやってきたことの事後報告にも聞こえたりする。
それも戸隠らしいと言えば戸隠らしいのかもしれない。自分の置かれた状況を決して悲観的に捉えるわけでもなく、ただ淡々と目の前の状況に対処する。クールと言えばクールなのだが、変に世間一般の事を理解していなかったりするそのズレーそのアンバランスさこそが、現在の戸隠たらしめているのかもしれない。
そう思うと、戸隠に対して畏怖と親近感という、どう考えても矛盾にしか思えない感情が湧き出てきた。
「某は・・・日本にいる時にも人を殺してきた」
戸隠の目は、桐原からは離れて対面の大樹の幹へと向けられている。実際には、その視線ははるかな遠いー彼女自身の過去を捉えているのだろう。
「だからというわけでもないのだが、この大会で殺し合いを強要されても、自然とその状況を受け入れられたのだ・・・こんな話をすれば、大抵の者から白い目で見られるのだがな」
戸隠はそこで一旦話を区切り、軽く息をついた。その仕草だけ見れば、年相応の美少女である。
そこで戸隠は、困ったような笑みを浮かべて桐原の方を見やった。
「ただ、一つ困ったことがあってな・・・その・・・いわゆる「まぐわい」じゃ」
「まぐわい・・・?」
桐原は、まぐわいと聞いて、しばし思案してからようやくそのことに気が付く。
この大会では、戦う前に少女同士による性行為を行うことを強要されているのだ。
「一応、閨房術の類も少しは身に着けておるのだが・・・どうも某の場合はそれがなかなかうまくいかないのだ」
今度は顔を赤らめてうつむいてしまう戸隠。そんな彼女の姿に思わず笑みをこぼしてしまう桐原。
ー何だ、怖い殺し屋に見えて、実はそう言うのが苦手なのかー
先ほどまでの、どこか常人離れした戸隠に対する見方が変化した瞬間だった。
いくら暗殺者として育てられたとはいえ、彼女も自分たちと同じ年頃の娘に過ぎないのだということをまざまざと思い知らされた瞬間でもあった。
物心ついた時から殺しの技術の継承のためだけに生きてきたという戸隠が、他の一般的な女子たちと感覚がズレにずれているのも頷けるというものだ。
さらには、世界一平和だと言われている日本の中にも、そう言った暗部が存在するという事実が、戸隠の過去と共に桐原の内面をひどく動揺させた。
だが、当の戸隠はと言うと、そのことや自分の過去ののことについて、何ら悲壮感すら持ち合わせていないようだった。語る口調も淡々としていて、聞きようによっては、過去に自分がやってきたことの事後報告にも聞こえたりする。
それも戸隠らしいと言えば戸隠らしいのかもしれない。自分の置かれた状況を決して悲観的に捉えるわけでもなく、ただ淡々と目の前の状況に対処する。クールと言えばクールなのだが、変に世間一般の事を理解していなかったりするそのズレーそのアンバランスさこそが、現在の戸隠たらしめているのかもしれない。
そう思うと、戸隠に対して畏怖と親近感という、どう考えても矛盾にしか思えない感情が湧き出てきた。
「某は・・・日本にいる時にも人を殺してきた」
戸隠の目は、桐原からは離れて対面の大樹の幹へと向けられている。実際には、その視線ははるかな遠いー彼女自身の過去を捉えているのだろう。
「だからというわけでもないのだが、この大会で殺し合いを強要されても、自然とその状況を受け入れられたのだ・・・こんな話をすれば、大抵の者から白い目で見られるのだがな」
戸隠はそこで一旦話を区切り、軽く息をついた。その仕草だけ見れば、年相応の美少女である。
そこで戸隠は、困ったような笑みを浮かべて桐原の方を見やった。
「ただ、一つ困ったことがあってな・・・その・・・いわゆる「まぐわい」じゃ」
「まぐわい・・・?」
桐原は、まぐわいと聞いて、しばし思案してからようやくそのことに気が付く。
この大会では、戦う前に少女同士による性行為を行うことを強要されているのだ。
「一応、閨房術の類も少しは身に着けておるのだが・・・どうも某の場合はそれがなかなかうまくいかないのだ」
今度は顔を赤らめてうつむいてしまう戸隠。そんな彼女の姿に思わず笑みをこぼしてしまう桐原。
ー何だ、怖い殺し屋に見えて、実はそう言うのが苦手なのかー
先ほどまでの、どこか常人離れした戸隠に対する見方が変化した瞬間だった。
いくら暗殺者として育てられたとはいえ、彼女も自分たちと同じ年頃の娘に過ぎないのだということをまざまざと思い知らされた瞬間でもあった。
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