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第4章 更なる戦い

第433話 ゲーム会場へようこそ73

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「さあ、私の糧となりなさい!!」
 荒谷が地面に這いつくばる魔物たちにとどめを刺した。黒い瘴気のようなものを霧散させながら、魔物たちは断末魔の叫びと共に消滅していく。
「ふう・・・」
 荒谷は額の汗を拭うと、他に襲ってくる魔物たちがいないかどうか、辺りを見回してみた。
 もうこの辺りには魔物は存在していないようで、さわやかな風に揺れる小麦畑が心地よい音色を奏でていく光景は勝利の余韻に浸るにはちょうど良いものだった。
 達成感と充実感、そして、自分が強くなったという実感ーこれらは、やはりリアルな実体験を伴わなければ得られないものだった。
「さて・・・」
 だが、このゲームの目的は魔物退治ではない。他のチームよりも先に、目的の物を入手して持ち帰ることがクリア条件である。
 当然、その過程で他のチームメンバーとの戦闘も行うことになるであろう。
「・・・さすがに、魔物相手と同じようにはいかないわよね・・・」
 他のチームメンバーにも、恐らくはあの北条と同格のものがいるのかもしれない。そうなれば、とてもではないが、今のままでは勝ち目は薄いーというか、ほぼゼロだろう。
 このゲームの中でも、大会の殺し合いは継続しているはずだ。いつ、敵に襲われてもおかしくはない。
 できることなら、もう少し自分を強化しておきたい。
 ただ、この辺りの雑魚敵ばかりを狙っても、それほどの強化は見込めないだろう。やはり、対人での実戦こそが腕を磨くのに手っ取り早いのではないか。
「・・・」
 同じチームの北条は、しばらくの間、あの屋敷から出るつもりはないようだし、そもそも荒谷はおろか、他のメンバーのことさえもはや眼中には無いだろう。
「もう少し、この辺りを散策してみるか」
 そして、そこで敵チームのメンバーを発見したら、その場で襲撃する。
「確か、あっちの方に湖があったよね・・・」
 この村の南西方向に広大な湖が広がっている。このゲームでなければ、よい観光スポットになりそうな場所でもあった。
「・・・少し足を伸ばしてみようかな」
 荒谷は再び「ステルスコート」を着込んで湖の方面へ足を向けた。
 広大な湖は、太陽の光を反射させ、幻想的な輝きを帯びている。それに、湖畔に吹く風も心地よい。さっきの小麦畑もまた美しい景色だったが、この湖畔もなかなかのものだ。
 観光で来られたら、どんなによかっただろうかー
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