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第4章 更なる戦い
第432話 ゲーム会場へようこそ72
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ギャウギャウと喚き散らしている3匹の犬型魔獣の姿を見て、思わず口元を緩ませる荒谷。
「・・・魔物って言っても、結構間が抜けてるんだな・・・」
とはいえ、今のでさらに魔物たちがいきり立ったのは間違いない。
一際高い唸り声を上げつつ、荒谷に突進を仕掛けてくる魔物たち。さすがに、さっきので懲りたのか、今度は荒谷を円陣を組んで囲い込むという形ではなくひたすらまっすぐに突進してくる。
荒谷は目を細めて短刀を構え直した。
先頭の魔物が大きく口を開いた。あの黒いブレスが来る!
「おっと」
荒谷は横っ飛びに黒いブレスをかわした。黒いブレスは、直前まで荒谷が立っていた場所の草花を焼き尽くし、消し炭に変えている。これだけを見ていれば相当な威力なのだがー
「当たらなければ意味がないわよね」
どれだけ破壊力を秘めていようとも、相手に命中させなければ「ただのすごい攻撃」でしかない。
残りの2匹も黒いブレスを吐き出すが、どれも所詮は直線攻撃ー射程圏内にいなければどうということもない。
「さあて、そろそろこちらから反撃させてもらおうかな!」
相手の攻撃は十分見切った。あとはこちらから反撃あるのみだ。
荒谷の短刀は、擬体化能力の一つとして顕現しているものだ。ゆえに、その気になれば擬体の能力を使っていくらでも作り出せる。ただ、その分擬体の耐久力が低下してしまうが、この程度の魔物相手なら多少の耐久力低下などは問題にはならないだろう。
荒谷は、戦闘の魔物をめがけて短刀を投げつける。
「ギャ・・・」
見事、短刀は魔物の眉間に突き刺さっていた。
先頭の魔物が倒されたことで、他の魔物たちにもその動揺が伝わったのか、2匹は立ち止まり、少しずつ後退り始めている。荒谷が手ごわいということを認識したのだろう。
「今頃気が付いたのかな・・・私がそう簡単には倒せないってことに」
荒谷は、さらに2振りの短刀を作り出し、身構えた。その姿を見て、魔物たちもこれはまずいと感じたのか、今度は背を向けて荒谷から逃げ去ろうとする。
だがー
「悪いけど、逃がすつもりはないよ・・・ソレ!!」
荒谷の放った短刀が2匹の魔物に命中する。ただし、先ほどとは異なり、位置的に急所を狙える場所ではなかったので、魔物の命を絶命させるまでには至らなかった。
荒谷の短刀は、2匹の魔物の後ろ足に突き刺さっていた。これにより、魔物たちは歩行することができなくなり、その場に倒れ込んだのだった。
「さて、それじゃあ悪いけど、とどめを刺させてもらうわね」
倒れ込み、低く唸り声を上げ続けている魔物に対し、酷薄な笑みを浮かべながら迫る荒谷。
「・・・私の経験値のために」
ここはゲームの世界ーそれなら、敵を仕留めることで経験値を獲得し、より強くなることができる。
「私の血肉となりなさい!!」
この直後、魔物たちの断末魔の叫び声が辺りに響き渡ったー
「・・・魔物って言っても、結構間が抜けてるんだな・・・」
とはいえ、今のでさらに魔物たちがいきり立ったのは間違いない。
一際高い唸り声を上げつつ、荒谷に突進を仕掛けてくる魔物たち。さすがに、さっきので懲りたのか、今度は荒谷を円陣を組んで囲い込むという形ではなくひたすらまっすぐに突進してくる。
荒谷は目を細めて短刀を構え直した。
先頭の魔物が大きく口を開いた。あの黒いブレスが来る!
「おっと」
荒谷は横っ飛びに黒いブレスをかわした。黒いブレスは、直前まで荒谷が立っていた場所の草花を焼き尽くし、消し炭に変えている。これだけを見ていれば相当な威力なのだがー
「当たらなければ意味がないわよね」
どれだけ破壊力を秘めていようとも、相手に命中させなければ「ただのすごい攻撃」でしかない。
残りの2匹も黒いブレスを吐き出すが、どれも所詮は直線攻撃ー射程圏内にいなければどうということもない。
「さあて、そろそろこちらから反撃させてもらおうかな!」
相手の攻撃は十分見切った。あとはこちらから反撃あるのみだ。
荒谷の短刀は、擬体化能力の一つとして顕現しているものだ。ゆえに、その気になれば擬体の能力を使っていくらでも作り出せる。ただ、その分擬体の耐久力が低下してしまうが、この程度の魔物相手なら多少の耐久力低下などは問題にはならないだろう。
荒谷は、戦闘の魔物をめがけて短刀を投げつける。
「ギャ・・・」
見事、短刀は魔物の眉間に突き刺さっていた。
先頭の魔物が倒されたことで、他の魔物たちにもその動揺が伝わったのか、2匹は立ち止まり、少しずつ後退り始めている。荒谷が手ごわいということを認識したのだろう。
「今頃気が付いたのかな・・・私がそう簡単には倒せないってことに」
荒谷は、さらに2振りの短刀を作り出し、身構えた。その姿を見て、魔物たちもこれはまずいと感じたのか、今度は背を向けて荒谷から逃げ去ろうとする。
だがー
「悪いけど、逃がすつもりはないよ・・・ソレ!!」
荒谷の放った短刀が2匹の魔物に命中する。ただし、先ほどとは異なり、位置的に急所を狙える場所ではなかったので、魔物の命を絶命させるまでには至らなかった。
荒谷の短刀は、2匹の魔物の後ろ足に突き刺さっていた。これにより、魔物たちは歩行することができなくなり、その場に倒れ込んだのだった。
「さて、それじゃあ悪いけど、とどめを刺させてもらうわね」
倒れ込み、低く唸り声を上げ続けている魔物に対し、酷薄な笑みを浮かべながら迫る荒谷。
「・・・私の経験値のために」
ここはゲームの世界ーそれなら、敵を仕留めることで経験値を獲得し、より強くなることができる。
「私の血肉となりなさい!!」
この直後、魔物たちの断末魔の叫び声が辺りに響き渡ったー
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