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第4章 更なる戦い
第430話 ゲーム会場へようこそ70
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ザー・・・
村の外を闊歩している犬型の魔物めがけて、荒谷が突撃していく。
魔物の方も「ステルスコート」を脱いだ荒谷の姿に気が付いたようだ。低く唸り声を上げつつ、やがて咆哮しながら荒谷に襲い掛かってきた。
「あの洞窟の連中よりは強そうだけど・・・」
自分に向かってくる魔物たちに対し、すぐに身構える荒谷。これまでにない緊張感が荒谷の全身を包み込む。
「それでも・・・大会の参加者よりは弱そうだ」
荒谷も大会参加者である。このゲーム以外でも、戦いを行ってきた。そして、その戦いに勝利してきたからこそ、今の彼女がいるのだ。
自分の命が奪われるかもしれないという緊張感と戦慄、自分が相手の命を奪うことになるという罪悪感と背徳感、そして、自分が勝利者となった時の優越感ー
それらすべてを体験し、重ねて来たからこそ、彼女は自分を知り、相手を知り、戦場を知ることができた。
その対象が、例え人外の魔物であったとしても変わらぬことである。
「北条に言われたからではないけれど」
唸り声をあげて迫る犬型の魔物の牙と爪が、荒谷の体を引き裂こうと急激に迫ってくる。
だが、荒谷は何ら怖気づくことなく、見事な身のこなしで魔物の攻撃をかわしていく。
その一方で、荒谷は慎重に魔物の急所となる箇所を見極めようとする。
荒谷が持っている擬体化武器は、短刀を模した形をしていた。当然ながら、リーチは短く、相手の間合いに入り込んで急所を突ければ確実だが、人間相手ならともかく、今回のようなタイプの魔物が相手の場合は厳しいものがあるだろう。
狙うなら、急所である頭部から喉笛辺りだろうか。さすがに胸部ーつまりは心臓のある場所は狙いにくい相手である。飛び掛ってきたところを下から突き上げればそれも可能かもしれないが、困難なことには変わりない。
「私だって・・・一人で十分戦える!」
魔物の弱点を慎重に見極めて、気合一閃ー魔物の攻撃は、野犬のそれとほぼ同じだ。考えてみれば、犬を模した魔物なのだから、それも当然のことである。
だがー
ゴォォォォ!!
自分の攻撃がなかなか当たらないことに業を煮やしたのか、魔物が口を大きく開き、突然黒い霧のようなブレスを放ってきたのだ。
「・・・おっとぉ!!」
何とか、直前で被弾を免れる荒谷。黒い霧のようなブレスがまき散らされた地面の辺りは、草が一瞬にして消し炭になったように消えていった。
「へえ・・・」
荒谷は、自分でも知らないうちに口角を釣り上げていた。
「あんた、こういう攻撃ができるんだぁ」
ー面白いー
戦いというのは、やはり手ごわい相手出ないと面白みがない。洞窟の雑魚相手に満足しているようでは北条聡子に笑われるだけだ。
「でも、私には勝てないよ、ワン公」
荒谷は短刀を構え直し、再び魔物と向き合った。
村の外を闊歩している犬型の魔物めがけて、荒谷が突撃していく。
魔物の方も「ステルスコート」を脱いだ荒谷の姿に気が付いたようだ。低く唸り声を上げつつ、やがて咆哮しながら荒谷に襲い掛かってきた。
「あの洞窟の連中よりは強そうだけど・・・」
自分に向かってくる魔物たちに対し、すぐに身構える荒谷。これまでにない緊張感が荒谷の全身を包み込む。
「それでも・・・大会の参加者よりは弱そうだ」
荒谷も大会参加者である。このゲーム以外でも、戦いを行ってきた。そして、その戦いに勝利してきたからこそ、今の彼女がいるのだ。
自分の命が奪われるかもしれないという緊張感と戦慄、自分が相手の命を奪うことになるという罪悪感と背徳感、そして、自分が勝利者となった時の優越感ー
それらすべてを体験し、重ねて来たからこそ、彼女は自分を知り、相手を知り、戦場を知ることができた。
その対象が、例え人外の魔物であったとしても変わらぬことである。
「北条に言われたからではないけれど」
唸り声をあげて迫る犬型の魔物の牙と爪が、荒谷の体を引き裂こうと急激に迫ってくる。
だが、荒谷は何ら怖気づくことなく、見事な身のこなしで魔物の攻撃をかわしていく。
その一方で、荒谷は慎重に魔物の急所となる箇所を見極めようとする。
荒谷が持っている擬体化武器は、短刀を模した形をしていた。当然ながら、リーチは短く、相手の間合いに入り込んで急所を突ければ確実だが、人間相手ならともかく、今回のようなタイプの魔物が相手の場合は厳しいものがあるだろう。
狙うなら、急所である頭部から喉笛辺りだろうか。さすがに胸部ーつまりは心臓のある場所は狙いにくい相手である。飛び掛ってきたところを下から突き上げればそれも可能かもしれないが、困難なことには変わりない。
「私だって・・・一人で十分戦える!」
魔物の弱点を慎重に見極めて、気合一閃ー魔物の攻撃は、野犬のそれとほぼ同じだ。考えてみれば、犬を模した魔物なのだから、それも当然のことである。
だがー
ゴォォォォ!!
自分の攻撃がなかなか当たらないことに業を煮やしたのか、魔物が口を大きく開き、突然黒い霧のようなブレスを放ってきたのだ。
「・・・おっとぉ!!」
何とか、直前で被弾を免れる荒谷。黒い霧のようなブレスがまき散らされた地面の辺りは、草が一瞬にして消し炭になったように消えていった。
「へえ・・・」
荒谷は、自分でも知らないうちに口角を釣り上げていた。
「あんた、こういう攻撃ができるんだぁ」
ー面白いー
戦いというのは、やはり手ごわい相手出ないと面白みがない。洞窟の雑魚相手に満足しているようでは北条聡子に笑われるだけだ。
「でも、私には勝てないよ、ワン公」
荒谷は短刀を構え直し、再び魔物と向き合った。
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