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第4章 更なる戦い
第424話 ゲーム会場へようこそ64
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「石膏像が・・・怪しい?」
あまりにも精巧な作りの石膏像に、確かに言葉にはできない不気味さみたいなものを感じてはいたがー
「それにしても・・・芸術家って呼ばれる人たちって、みんなスケベばかりなのかしらね・・・女の子の裸ばかり作りたがるなんて」
北条の芸術家に対する見方には大きな偏見が混じっているような気もするが、それを指摘したところで余計面倒なことになりそうなので、とりあえずスルーしておく。
「この像が怪しいとして・・・どうやって調べるのよ?」
確かに怪しい像だが、調べるにしてもどうすればいいのかー
荒谷の問いかけに、北条はにっと口角を釣り上げた。ついさっき出会って初めて、北条聡子の表情らしいものを見たような気がした。
「こうするのが・・・一番手っ取り早いと思わない?」
「え?」
北条は口角を釣り上げたまま、おもむろに石膏像に近寄ると、それを床へと押し倒した。
「・・・って、ああ!?」
石膏像は、設置されていた台の上から床へと落ち、見事に割れてしまった。
「ああ、もったいない・・・」
見事なまでに精巧な作りの像が、跡形もなく粉々ー
「いくら何でもいきなり壊すことは・・・って、あ、あれは・・・!?」
「やっぱりね」
北条が壊れた石膏像の近くに腰をかがめた。
「・・・何で、こんな物が・・・」
石膏像が壊れた場所には、その破片に混じってあるまじきものー少女の生首が転がっていた。
「どういうことだ・・・?」
少なくとも、このゲーム参加者の中では見たことのない顔である。虚ろな表情のまま、角度的にはちょうどこちらを見据えているようにも見えるから、なおの事たちが悪かった。
「何かあるな・・・とは思ったけど・・・彼女、前回のゲーム参加者の一人よ。ただし、前回のゲームで負けたチームの方の一員だけどね」
「え・・・?」
どうやら、北条にとっては顔見知りの相手だったようだ。
「前回の負けチームの人間が、何でこんなところに・・・っていうか、北条も前回参加してたのか、このゲーム」
北条と呼ばれ、その気安さにいささかぶぜんとした表情をした北条だったが、軽くため息をつきながら、
「ええ、そうよ・・・あのメイドに捕まって、強制参加させられたのよ」
頭を振りながら、北条は石膏像の破片に混じる生首を注意深く観察する。防腐処理は施されているから、腐敗している様子はない。見た目的には首を斬られた直後と殆ど変わらないと言ってもいいだろう。
「おそらくだけど、この子みたいにいろんな場所にその亡骸が隠されている場合もあるわ・・・まあ、あの悪趣味メイドが好きでやってるんだろうけど」
あの性悪メイドなら確かにあり得る話だった。
「ただ、こういう死者を冒涜するような物であっても、私たちにとってはアイテムを手に入れるための手段だったりするのよね」
北条は、少女の生首の口元に指を伸ばす。
「え・・・ちょっと」
北条の指が、少女の口に突っ込まれる。そしてー
「・・・さすがにもう死んでるから、唾液が出ることもないか・・・それでも、他人の口に指を突っ込むのってあまりいい気分はしないわね」
そう独り言ちた後、北条はあるものを掴んでいた。
「はい、どこかの鍵よ」
あまりにも精巧な作りの石膏像に、確かに言葉にはできない不気味さみたいなものを感じてはいたがー
「それにしても・・・芸術家って呼ばれる人たちって、みんなスケベばかりなのかしらね・・・女の子の裸ばかり作りたがるなんて」
北条の芸術家に対する見方には大きな偏見が混じっているような気もするが、それを指摘したところで余計面倒なことになりそうなので、とりあえずスルーしておく。
「この像が怪しいとして・・・どうやって調べるのよ?」
確かに怪しい像だが、調べるにしてもどうすればいいのかー
荒谷の問いかけに、北条はにっと口角を釣り上げた。ついさっき出会って初めて、北条聡子の表情らしいものを見たような気がした。
「こうするのが・・・一番手っ取り早いと思わない?」
「え?」
北条は口角を釣り上げたまま、おもむろに石膏像に近寄ると、それを床へと押し倒した。
「・・・って、ああ!?」
石膏像は、設置されていた台の上から床へと落ち、見事に割れてしまった。
「ああ、もったいない・・・」
見事なまでに精巧な作りの像が、跡形もなく粉々ー
「いくら何でもいきなり壊すことは・・・って、あ、あれは・・・!?」
「やっぱりね」
北条が壊れた石膏像の近くに腰をかがめた。
「・・・何で、こんな物が・・・」
石膏像が壊れた場所には、その破片に混じってあるまじきものー少女の生首が転がっていた。
「どういうことだ・・・?」
少なくとも、このゲーム参加者の中では見たことのない顔である。虚ろな表情のまま、角度的にはちょうどこちらを見据えているようにも見えるから、なおの事たちが悪かった。
「何かあるな・・・とは思ったけど・・・彼女、前回のゲーム参加者の一人よ。ただし、前回のゲームで負けたチームの方の一員だけどね」
「え・・・?」
どうやら、北条にとっては顔見知りの相手だったようだ。
「前回の負けチームの人間が、何でこんなところに・・・っていうか、北条も前回参加してたのか、このゲーム」
北条と呼ばれ、その気安さにいささかぶぜんとした表情をした北条だったが、軽くため息をつきながら、
「ええ、そうよ・・・あのメイドに捕まって、強制参加させられたのよ」
頭を振りながら、北条は石膏像の破片に混じる生首を注意深く観察する。防腐処理は施されているから、腐敗している様子はない。見た目的には首を斬られた直後と殆ど変わらないと言ってもいいだろう。
「おそらくだけど、この子みたいにいろんな場所にその亡骸が隠されている場合もあるわ・・・まあ、あの悪趣味メイドが好きでやってるんだろうけど」
あの性悪メイドなら確かにあり得る話だった。
「ただ、こういう死者を冒涜するような物であっても、私たちにとってはアイテムを手に入れるための手段だったりするのよね」
北条は、少女の生首の口元に指を伸ばす。
「え・・・ちょっと」
北条の指が、少女の口に突っ込まれる。そしてー
「・・・さすがにもう死んでるから、唾液が出ることもないか・・・それでも、他人の口に指を突っ込むのってあまりいい気分はしないわね」
そう独り言ちた後、北条はあるものを掴んでいた。
「はい、どこかの鍵よ」
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