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第4章 更なる戦い
第423話 ゲーム会場へようこそ63
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「いったい、この屋敷は何なんだ・・・?」
小麦畑以外、何も見当たらない寒村ーその中に、場違いなほど立派な屋敷。
玄関から入ってすぐの階段の踊り場には、やたらと立派そうな人物の肖像画。
「私が知るわけないでしょ・・・その答えも含めて、今はこの屋敷に何か手掛かりになりそうなものはないのか探索中よ」
ツインテールの娘ー北条聡子は部屋の中を見回しながら、荒谷に素っ気なく応えた。
もともとクールな娘なのか、動作や受け答え一つ一つが淡々としている。
ーまあ、わけもわからずに喚き散らすやつよりもいいかもしれないけどさー
北条は、再びアトリエの中を物色し始める。
「この部屋はもう見終わったんじゃないのか?」
「2階に誰か来た気配がしたから、途中で中断してこの上に隠れてたのよ・・・私もまだ、この部屋を全部調べ終わったわけじゃないわ」
アトリエの中には、画材やら何やらが散乱しているが、見たところめぼしいものはなさそうだった。ただ、北条にはまだ調べたりない部分があるということなのだろう。
「私も手伝おうか?」
ただ黙ってみているのも忍びない気がしたので、手伝いを申し出てみるが、
「別にいらないわよ」
にべもなく返されてしまった。
「言っとくけど」
北条が、荒谷を睨みつけるような表情で、
「私たち、確かに今はこのゲームに巻き込まれて、同じチームのメンバーになってるけど・・・この大会にいる以上、最後は結局自分一人だけしか頼れないのよ」
「それは・・・確かにそうだけどさ」
言いたいことはよくわかる。仮にこのゲームをクリアしてこの世界を脱出できたとしても、大会そのものはまだ続いている。お互い、首を懸けた戦いに戻らなければならないのだ。
「だから・・・私は誰ともなれ合うつもりもないわよ。どうせ、いずれは敵同士になるんだから」
北条は、荒谷を軽く一瞥すると、再びアトリエの中へと視線を戻した。もう、荒谷のことなど眼中にないかのような態度に、さすがにイラっと来た。
「いや、それはそうかもしれないけどさ・・・」
語気を荒げて北条に反論しようとする荒谷。だが、その時ー
「ねえ・・・」
北条が、部屋の隅に置かれている石膏像に目を向けた。
「怪しいのは、結局これくらいしかないのよね、この部屋」
少女の上半身の裸体をかたどった石膏像ー見た目はもはや人間そっくりである。それこそ、古代ギリシャの石膏像を髣髴とさせるものだった。
「怪しいって・・・?」
見たところ、よくできた芸術作品にしか見えないのだが、北条は何かが引っ掛かっているのだろう。顎に手を当て、何やら思案しながら石膏像を見据えている。
「私の勘が囁くのよね・・・なんか、隠していそうな雰囲気があるのよ」
北条の言葉に、荒谷は首を傾げるばかりだった。
小麦畑以外、何も見当たらない寒村ーその中に、場違いなほど立派な屋敷。
玄関から入ってすぐの階段の踊り場には、やたらと立派そうな人物の肖像画。
「私が知るわけないでしょ・・・その答えも含めて、今はこの屋敷に何か手掛かりになりそうなものはないのか探索中よ」
ツインテールの娘ー北条聡子は部屋の中を見回しながら、荒谷に素っ気なく応えた。
もともとクールな娘なのか、動作や受け答え一つ一つが淡々としている。
ーまあ、わけもわからずに喚き散らすやつよりもいいかもしれないけどさー
北条は、再びアトリエの中を物色し始める。
「この部屋はもう見終わったんじゃないのか?」
「2階に誰か来た気配がしたから、途中で中断してこの上に隠れてたのよ・・・私もまだ、この部屋を全部調べ終わったわけじゃないわ」
アトリエの中には、画材やら何やらが散乱しているが、見たところめぼしいものはなさそうだった。ただ、北条にはまだ調べたりない部分があるということなのだろう。
「私も手伝おうか?」
ただ黙ってみているのも忍びない気がしたので、手伝いを申し出てみるが、
「別にいらないわよ」
にべもなく返されてしまった。
「言っとくけど」
北条が、荒谷を睨みつけるような表情で、
「私たち、確かに今はこのゲームに巻き込まれて、同じチームのメンバーになってるけど・・・この大会にいる以上、最後は結局自分一人だけしか頼れないのよ」
「それは・・・確かにそうだけどさ」
言いたいことはよくわかる。仮にこのゲームをクリアしてこの世界を脱出できたとしても、大会そのものはまだ続いている。お互い、首を懸けた戦いに戻らなければならないのだ。
「だから・・・私は誰ともなれ合うつもりもないわよ。どうせ、いずれは敵同士になるんだから」
北条は、荒谷を軽く一瞥すると、再びアトリエの中へと視線を戻した。もう、荒谷のことなど眼中にないかのような態度に、さすがにイラっと来た。
「いや、それはそうかもしれないけどさ・・・」
語気を荒げて北条に反論しようとする荒谷。だが、その時ー
「ねえ・・・」
北条が、部屋の隅に置かれている石膏像に目を向けた。
「怪しいのは、結局これくらいしかないのよね、この部屋」
少女の上半身の裸体をかたどった石膏像ー見た目はもはや人間そっくりである。それこそ、古代ギリシャの石膏像を髣髴とさせるものだった。
「怪しいって・・・?」
見たところ、よくできた芸術作品にしか見えないのだが、北条は何かが引っ掛かっているのだろう。顎に手を当て、何やら思案しながら石膏像を見据えている。
「私の勘が囁くのよね・・・なんか、隠していそうな雰囲気があるのよ」
北条の言葉に、荒谷は首を傾げるばかりだった。
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