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第4章 更なる戦い
第420話 ゲーム会場へようこそ60
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「誰もいない・・・のか」
洞窟から戻った荒谷が発見した村には、人っ子一人見当たらなかった。
「当たり前か・・・このゲーム、参加者以外に人はいないだろうしな」
魔物はいるのに、人はいない。それこそ、普通のゲームのようにNPCでもいれば少しは面白かったのだが、どうやらそこまで再現されてはいないようだった。
寂れているとはいえ、誰も村人がいないというのなら、恐らくはゲーム参加者以外の人間はこの世界にはいないということなのだろう。
「まあ、誰もいないならいないで、勝手に使わせてもらうか」
とりあえず、目についた家屋に入ってみることにする。ほとんどが壊れかけの家ばかりだが、一軒だけ立派な建物があった。おそらく、この辺りの地主、あるいは村長に当たる人物が住んでいる建物という位置づけなのだろう。
「この村にしてはかなりの立派な建物だ・・・気になるし、少し中を覗いてみようかな」
家の扉を開いてみる。2階建ての建物の中は、人気がなく静まり返っていることもあり、昼間にも関わらず言い知れぬ怖さを感じさせた。
「やっぱり誰もいないな・・・」
玄関から入ってしばらくすると、2階へと続く階段があり、途中踊り場を経てさらに左右に階段が分かれていた。1階と2階の間の踊り場部分には、誰かの肖像画がかけられていた。
「・・・この家の人の肖像画なのかな」
尤も、参加者以外には人が存在しない世界なので、実在の人物ではないだろう。あくまでもゲーム内の一オブジェクトに過ぎないものだ。
とはいえ、やはりここまで立派な肖像画がかけられていると、変にリアルさが感じられる。
肖像画は、初老の人物のものだった。荒谷は知らなかったが昔の西洋人のカイゼル髭をあやして軍服を着こんでいる肖像画で、なかなかの威厳を感じさせる。だが、それゆえにここには場違いなもののように思われた。
「この寂れた村に、こんな立派な人が住んでたっての?」
荒谷の疑問も尤もである。確かに建物は立派だが、どう考えても過疎地同然のこの村には不釣り合いなものだった。
疑問は尽きないが、ここはまあ、ゲームによくありがちなオブジェクトということで納得するしかないだろう。
荒谷はさらに階段を上って2階へと向かった。
1階もろくに調べていないのに、先に2階を調べるというのもおかしな気がしたが、別に調べる順番が定められているわけでもない。
昼間だというのに、窓が少ないためか、廊下は薄暗い。こういう場所なら、サスペンス映画の撮影にはうってつけだろうーなどと考えていると。
ガタン!!
「・・・ひぃっ!?」
2階にあるいずれかの部屋から、何かを倒すような音が聞こえてきた。思わず引きつったような声を上げてしまう荒谷だった。
洞窟から戻った荒谷が発見した村には、人っ子一人見当たらなかった。
「当たり前か・・・このゲーム、参加者以外に人はいないだろうしな」
魔物はいるのに、人はいない。それこそ、普通のゲームのようにNPCでもいれば少しは面白かったのだが、どうやらそこまで再現されてはいないようだった。
寂れているとはいえ、誰も村人がいないというのなら、恐らくはゲーム参加者以外の人間はこの世界にはいないということなのだろう。
「まあ、誰もいないならいないで、勝手に使わせてもらうか」
とりあえず、目についた家屋に入ってみることにする。ほとんどが壊れかけの家ばかりだが、一軒だけ立派な建物があった。おそらく、この辺りの地主、あるいは村長に当たる人物が住んでいる建物という位置づけなのだろう。
「この村にしてはかなりの立派な建物だ・・・気になるし、少し中を覗いてみようかな」
家の扉を開いてみる。2階建ての建物の中は、人気がなく静まり返っていることもあり、昼間にも関わらず言い知れぬ怖さを感じさせた。
「やっぱり誰もいないな・・・」
玄関から入ってしばらくすると、2階へと続く階段があり、途中踊り場を経てさらに左右に階段が分かれていた。1階と2階の間の踊り場部分には、誰かの肖像画がかけられていた。
「・・・この家の人の肖像画なのかな」
尤も、参加者以外には人が存在しない世界なので、実在の人物ではないだろう。あくまでもゲーム内の一オブジェクトに過ぎないものだ。
とはいえ、やはりここまで立派な肖像画がかけられていると、変にリアルさが感じられる。
肖像画は、初老の人物のものだった。荒谷は知らなかったが昔の西洋人のカイゼル髭をあやして軍服を着こんでいる肖像画で、なかなかの威厳を感じさせる。だが、それゆえにここには場違いなもののように思われた。
「この寂れた村に、こんな立派な人が住んでたっての?」
荒谷の疑問も尤もである。確かに建物は立派だが、どう考えても過疎地同然のこの村には不釣り合いなものだった。
疑問は尽きないが、ここはまあ、ゲームによくありがちなオブジェクトということで納得するしかないだろう。
荒谷はさらに階段を上って2階へと向かった。
1階もろくに調べていないのに、先に2階を調べるというのもおかしな気がしたが、別に調べる順番が定められているわけでもない。
昼間だというのに、窓が少ないためか、廊下は薄暗い。こういう場所なら、サスペンス映画の撮影にはうってつけだろうーなどと考えていると。
ガタン!!
「・・・ひぃっ!?」
2階にあるいずれかの部屋から、何かを倒すような音が聞こえてきた。思わず引きつったような声を上げてしまう荒谷だった。
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