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第4章 更なる戦い
第417話 ゲーム会場へようこそ57
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「・・・ちぃっ」
補助アイテム「ステルスコート」を使用した少女が、舌打ちしながら撤退を図る。森の前をうろついていた少女を仕留めようとしたところ、別の少女が彼女に覆いかぶさり、仕留め損ねたからだ。
「・・・ここは一旦退くか」
まだ、姿を見られてはいないだろうが、もう一人の少女は不思議なことに、こちら側の動きが読めるらしい。なぜ見えていないはずなのに、動きが読まれているのかはよくわからないがー
「あの身のこなしからすれば・・・熟練者クラスか」
あの身のこなしからすれば、あの少女は見かけによらずなかなかの使い手だ。これ以上下手に手出ししてこちらも痛い目を見るのだけは避けなければー
おそらく、庇った方の少女はこのゲームばかりではなく、大会中既に何度も戦いを経験しているだろう。聞いた話では、達人クラスの使い手なら、視覚に頼らずとも気配やわずかな空気の流れだけで相手の位置や動きを知ることができるという。
「・・・他の仲間と合流する前に、一人くらいは仕留めたいと思っていたのだが」
あのくらいの熟練者が敵チームにいるとなれば、例え透明化アイテムを持っていたとしても、襲撃は容易ではない。
少女ー荒谷真紀は周囲には目もくれず、とにかくその場から離れることを優先した。常人とは比べ物にならないくらいのスピードで疾走し、湖からだいぶ離れた場所ー小さな農村らしきところまで戻ってきて、ようやく一息を着いた。
「ふう・・・」
どうやら、追ってはこないようだ。
万が一、あの熟練者が追いかけて来た場合、例え全力疾走であったとしても、とてもではないが逃げ切れる自信はなかった。相手の技量や力量を見抜く力は荒谷にはある。
「やれやれ・・・あんな奴がこのゲームに参加しているとはな・・・」
補助アイテム「ステルスコート」を一旦は脱ぎ、近くの民家に身を寄せる荒谷。木造の建物の中には誰もおらず、簡易ベッドや台所、あとはテーブルがあるくらいだった。ファンタジー物の農家の家をそのまま再現したような作りで、お世辞にも広いとも豪華ともいえない。本当に一時的に体を休めるくらいしかすることはない場所だ。
相手が追ってこなかったため、恐らくこの場所のことは知られていない。元より、水車小屋以外は何もないのどかな寒村だ。プレイヤーによっては気付かないまま通り過ぎてしまうかもしれないくらいの過疎村である。
荒谷は、腰のベルトに挿していたもう一本の短刀をテーブルの上に置いて、しばらくの間それを見つめていた。
「・・・こんな武器じゃあ、あいつはやれないな」
擬体化装備なら、あの熟練者とも戦えるだろうが、力の消耗は避けたいところだった。何せ、まだ他のメンバーと接触すらしていないのだ。
さらには、この辺りのフィールドに魔物が出没しているのも確認している。消耗を避けるため、魔物に見つからぬようこの「ステルスコート」を装備して外を確認した。その数、ざっと10体くらいだろうか。
擬体化装備を使えば勝てぬ連中ではないが、極力消耗は避けたかった。そのため、この「ステルスコート」を手に入れることができたのは僥倖と言うほかなかった。
ちなみに、この「ステルスコート」は近くの洞窟の宝箱から見つけたーこの辺りは、RPGと同じ作りとも言えるだろう。
補助アイテム「ステルスコート」を使用した少女が、舌打ちしながら撤退を図る。森の前をうろついていた少女を仕留めようとしたところ、別の少女が彼女に覆いかぶさり、仕留め損ねたからだ。
「・・・ここは一旦退くか」
まだ、姿を見られてはいないだろうが、もう一人の少女は不思議なことに、こちら側の動きが読めるらしい。なぜ見えていないはずなのに、動きが読まれているのかはよくわからないがー
「あの身のこなしからすれば・・・熟練者クラスか」
あの身のこなしからすれば、あの少女は見かけによらずなかなかの使い手だ。これ以上下手に手出ししてこちらも痛い目を見るのだけは避けなければー
おそらく、庇った方の少女はこのゲームばかりではなく、大会中既に何度も戦いを経験しているだろう。聞いた話では、達人クラスの使い手なら、視覚に頼らずとも気配やわずかな空気の流れだけで相手の位置や動きを知ることができるという。
「・・・他の仲間と合流する前に、一人くらいは仕留めたいと思っていたのだが」
あのくらいの熟練者が敵チームにいるとなれば、例え透明化アイテムを持っていたとしても、襲撃は容易ではない。
少女ー荒谷真紀は周囲には目もくれず、とにかくその場から離れることを優先した。常人とは比べ物にならないくらいのスピードで疾走し、湖からだいぶ離れた場所ー小さな農村らしきところまで戻ってきて、ようやく一息を着いた。
「ふう・・・」
どうやら、追ってはこないようだ。
万が一、あの熟練者が追いかけて来た場合、例え全力疾走であったとしても、とてもではないが逃げ切れる自信はなかった。相手の技量や力量を見抜く力は荒谷にはある。
「やれやれ・・・あんな奴がこのゲームに参加しているとはな・・・」
補助アイテム「ステルスコート」を一旦は脱ぎ、近くの民家に身を寄せる荒谷。木造の建物の中には誰もおらず、簡易ベッドや台所、あとはテーブルがあるくらいだった。ファンタジー物の農家の家をそのまま再現したような作りで、お世辞にも広いとも豪華ともいえない。本当に一時的に体を休めるくらいしかすることはない場所だ。
相手が追ってこなかったため、恐らくこの場所のことは知られていない。元より、水車小屋以外は何もないのどかな寒村だ。プレイヤーによっては気付かないまま通り過ぎてしまうかもしれないくらいの過疎村である。
荒谷は、腰のベルトに挿していたもう一本の短刀をテーブルの上に置いて、しばらくの間それを見つめていた。
「・・・こんな武器じゃあ、あいつはやれないな」
擬体化装備なら、あの熟練者とも戦えるだろうが、力の消耗は避けたいところだった。何せ、まだ他のメンバーと接触すらしていないのだ。
さらには、この辺りのフィールドに魔物が出没しているのも確認している。消耗を避けるため、魔物に見つからぬようこの「ステルスコート」を装備して外を確認した。その数、ざっと10体くらいだろうか。
擬体化装備を使えば勝てぬ連中ではないが、極力消耗は避けたかった。そのため、この「ステルスコート」を手に入れることができたのは僥倖と言うほかなかった。
ちなみに、この「ステルスコート」は近くの洞窟の宝箱から見つけたーこの辺りは、RPGと同じ作りとも言えるだろう。
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