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第4章 更なる戦い
第415話 ゲーム会場へようこそ55
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ーあの娘、どこへ向かっておるのだ?ー
戸隠は、可能な限り気配を殺しながら、つい今しがた、丸太小屋の前を通り過ぎた少女の後を追う。
戸隠の見立てなら、実力そのものは大したことはないだろう。もし、この少女ー桐原真澄が別チームの人間であれば、即座に人数減らしーつまりは襲撃してその首級を挙げているところだ。あの丸太小屋に置いてきた生首と同じ運命をたどってもらうところだろう。
だが、桐原は同じチームに属しているはずー少なくとも、このゲームをクリアするまでは味方ということになる。迂闊には手を出せない。
ただ、共闘を持ち掛けるにはまだ早いとも思われた。今しばらく様子を見てからでも遅くはないだろう。
湖からだいぶ離れ、近くの森林の方へと向かっていく桐原。
「林の中か・・・あまりお勧めはせんがな」
まず一つに、視界の悪さが上げられる。目の前の森は鬱蒼としており、とにかく先を見通すのも困難だ。わずかな獣道をかき分けて中を進むしかないのだ。
こういった場所には何が潜んでいるかもわからない。森の中には、魔物と呼ばれる者達が潜んでいる可能性もあるーいや、実際に潜んでいるだろう。戸隠は、肌で異形の者達の気配を感じ取っていたのだ。
「人が相手ならともかく、人外のものとなると、厄介だな」
生前から、様々な殺しの作法を叩き込まれてきた戸隠であったが、あくまでも人間対象である。人外の者どもがどのくらい厄介なのかはわからないが、どこまで対処できるか分かったものではない。
「・・・同じチームのよしみで、森に入るのを止めてやるべきか・・・」
もちろん、平野だから安全ということではなかろうが、何が潜んでいるのかわからない森よりはましである。
ー仕方がないー
桐原に声をかけようと、その背後に近寄った時、
「・・・!?」
桐原の首めがけて、短刀が飛んでくるのが見えた。
「危ないっ!!」
戸隠が叫び、桐原に覆いかぶさる。
「・・・えっ!?」
突然誰ともわからぬ相手にのしかかられて、困惑を隠せない桐原。
短刀は、戸隠や桐原のいた場所を超えて少し先の樹の幹に突き刺さった。
ー馬鹿な・・・某が敵の気配にきがつかないとはー
自分の迂闊さを呪う一方で、短刀が放たれたであろう場所を睨む。
しかしー
「どういうことだ・・・」
戸隠がいくら目を凝らしても、その方向には誰もいなかったのだ。
「・・・短刀だけが、飛んできただと・・・?」
考えられるとしたら、何かの罠だろうか。この少女は、何かの罠に触れることでそれが作動し、短刀が飛んできたとかー
しかし、罠を仕掛けるにしろ、全くの虚空である。これでは仕掛けようもないではないか。
「う、うーん」
押し倒された形の桐原がうめき声を上げる。それに気が付いた戸隠は、
「すまぬ・・・だが、もうしばらく姿勢を低くしておれ」
少女ー桐原はきょとんとした表情で戸隠のことを見つめていたが、すぐに状況を理解したのか、
「ええ」
軽く頷き、戸隠の言に従った。
戸隠は、可能な限り気配を殺しながら、つい今しがた、丸太小屋の前を通り過ぎた少女の後を追う。
戸隠の見立てなら、実力そのものは大したことはないだろう。もし、この少女ー桐原真澄が別チームの人間であれば、即座に人数減らしーつまりは襲撃してその首級を挙げているところだ。あの丸太小屋に置いてきた生首と同じ運命をたどってもらうところだろう。
だが、桐原は同じチームに属しているはずー少なくとも、このゲームをクリアするまでは味方ということになる。迂闊には手を出せない。
ただ、共闘を持ち掛けるにはまだ早いとも思われた。今しばらく様子を見てからでも遅くはないだろう。
湖からだいぶ離れ、近くの森林の方へと向かっていく桐原。
「林の中か・・・あまりお勧めはせんがな」
まず一つに、視界の悪さが上げられる。目の前の森は鬱蒼としており、とにかく先を見通すのも困難だ。わずかな獣道をかき分けて中を進むしかないのだ。
こういった場所には何が潜んでいるかもわからない。森の中には、魔物と呼ばれる者達が潜んでいる可能性もあるーいや、実際に潜んでいるだろう。戸隠は、肌で異形の者達の気配を感じ取っていたのだ。
「人が相手ならともかく、人外のものとなると、厄介だな」
生前から、様々な殺しの作法を叩き込まれてきた戸隠であったが、あくまでも人間対象である。人外の者どもがどのくらい厄介なのかはわからないが、どこまで対処できるか分かったものではない。
「・・・同じチームのよしみで、森に入るのを止めてやるべきか・・・」
もちろん、平野だから安全ということではなかろうが、何が潜んでいるのかわからない森よりはましである。
ー仕方がないー
桐原に声をかけようと、その背後に近寄った時、
「・・・!?」
桐原の首めがけて、短刀が飛んでくるのが見えた。
「危ないっ!!」
戸隠が叫び、桐原に覆いかぶさる。
「・・・えっ!?」
突然誰ともわからぬ相手にのしかかられて、困惑を隠せない桐原。
短刀は、戸隠や桐原のいた場所を超えて少し先の樹の幹に突き刺さった。
ー馬鹿な・・・某が敵の気配にきがつかないとはー
自分の迂闊さを呪う一方で、短刀が放たれたであろう場所を睨む。
しかしー
「どういうことだ・・・」
戸隠がいくら目を凝らしても、その方向には誰もいなかったのだ。
「・・・短刀だけが、飛んできただと・・・?」
考えられるとしたら、何かの罠だろうか。この少女は、何かの罠に触れることでそれが作動し、短刀が飛んできたとかー
しかし、罠を仕掛けるにしろ、全くの虚空である。これでは仕掛けようもないではないか。
「う、うーん」
押し倒された形の桐原がうめき声を上げる。それに気が付いた戸隠は、
「すまぬ・・・だが、もうしばらく姿勢を低くしておれ」
少女ー桐原はきょとんとした表情で戸隠のことを見つめていたが、すぐに状況を理解したのか、
「ええ」
軽く頷き、戸隠の言に従った。
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