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第4章 更なる戦い
第405話 ゲーム会場へようこそ45
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「つまりは、このトラップを有効活用して、魔物を弱らせてから仕留めたってことか・・・」
明子は、腕組みをしながら、光を放つタイルの列に近寄る。
タイルには、様々な模様が描かれている。最初は古代エジプトの絵文字みたいなものかと思ったが、それよりもわかりやすい絵が描かれているタイルもある。
「ん・・・何だこりゃ」
明子が突如素っ頓狂な声を出したので、優菜と美羽がつられて、明子が見ているタイルを覗き込んだ。
「これは・・・ホテルとかそういう建物でよく見かける・・・」
「非常出口のマーク・・・ですよね」
半ば驚き、半ば呆れ気味に優菜たちが呟いた。
ホテルなどの人が多く収容できる施設には欠かすことのできないマークである。
古代の壁画に描かれているような絵文字風のもあれば、このような現代の表示やマークみたいな記号も使われている。あまりにも規則性がなく、ただ絵文字や表示、マークをタイルに描いているようにも思えた。
「このマークをそのまま解釈するなら、この森から出られる・・・とか?」
非常出口のマークと素直に解釈すればそうなる・・・が。
「そう見せかけた何か別のトラップかもしれませんよ」
美羽は、その細い顎に手を当てて思案しながら、タイルの絵を見つめる。
「例えば、森から出られる、と見せかけて、実は森の他の場所に飛ばされる・・・とか」
ただでさえ全体像が把握できない広大な森の中である。迂闊に踏んで別な場所に飛ばされでもしたら手に負えないだろう。
「・・・さすがに、踏むのはまずいわよね。もちろん、他のタイルも」
非常出口マークの両隣りのタイルにはそれぞれ洪水を思わせる絵や鳥が何かを咥えて飛んでいるように見える絵が描かれていた。当然ながら、見た目だけでは実際の効果はわからない。
「・・・踏んだ途端に水に流されたり鳥にフンを落とされりしたらたまったもんじゃないわよね」
意味不明な絵は、タイルが続く限り描かれている。それが、タイルが放つ光の加減で、薄暗がりの森の深淵まで続いているのがわかる。
「この雷の絵だけが光を失っている・・・ってことは、このタイルの絵の効果が使えるのは、1度きりなのかな」
先ほど推測したとおり、魔物の体に雷が落ちたのなら、それはおそらく魔物がこの絵を踏んでしまったからだろう。そして、効果が発動したのは、周囲の状況から鑑みるに、恐らくは一度だけ。それだけでも、この魔物には大きなダメージを与えたということだろうかーともかく、この雷が魔物にとっては致命的なダメージに繋がったようである。
明子は、腕組みをしながら、光を放つタイルの列に近寄る。
タイルには、様々な模様が描かれている。最初は古代エジプトの絵文字みたいなものかと思ったが、それよりもわかりやすい絵が描かれているタイルもある。
「ん・・・何だこりゃ」
明子が突如素っ頓狂な声を出したので、優菜と美羽がつられて、明子が見ているタイルを覗き込んだ。
「これは・・・ホテルとかそういう建物でよく見かける・・・」
「非常出口のマーク・・・ですよね」
半ば驚き、半ば呆れ気味に優菜たちが呟いた。
ホテルなどの人が多く収容できる施設には欠かすことのできないマークである。
古代の壁画に描かれているような絵文字風のもあれば、このような現代の表示やマークみたいな記号も使われている。あまりにも規則性がなく、ただ絵文字や表示、マークをタイルに描いているようにも思えた。
「このマークをそのまま解釈するなら、この森から出られる・・・とか?」
非常出口のマークと素直に解釈すればそうなる・・・が。
「そう見せかけた何か別のトラップかもしれませんよ」
美羽は、その細い顎に手を当てて思案しながら、タイルの絵を見つめる。
「例えば、森から出られる、と見せかけて、実は森の他の場所に飛ばされる・・・とか」
ただでさえ全体像が把握できない広大な森の中である。迂闊に踏んで別な場所に飛ばされでもしたら手に負えないだろう。
「・・・さすがに、踏むのはまずいわよね。もちろん、他のタイルも」
非常出口マークの両隣りのタイルにはそれぞれ洪水を思わせる絵や鳥が何かを咥えて飛んでいるように見える絵が描かれていた。当然ながら、見た目だけでは実際の効果はわからない。
「・・・踏んだ途端に水に流されたり鳥にフンを落とされりしたらたまったもんじゃないわよね」
意味不明な絵は、タイルが続く限り描かれている。それが、タイルが放つ光の加減で、薄暗がりの森の深淵まで続いているのがわかる。
「この雷の絵だけが光を失っている・・・ってことは、このタイルの絵の効果が使えるのは、1度きりなのかな」
先ほど推測したとおり、魔物の体に雷が落ちたのなら、それはおそらく魔物がこの絵を踏んでしまったからだろう。そして、効果が発動したのは、周囲の状況から鑑みるに、恐らくは一度だけ。それだけでも、この魔物には大きなダメージを与えたということだろうかーともかく、この雷が魔物にとっては致命的なダメージに繋がったようである。
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