百合斬首~晒しな日記~

ミケとポン太

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第4章 更なる戦い

第384話 ゲーム会場へようこそ24

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 ー逃げてばかりじゃ、穂乃果には会えない!!ー
 茂みの中から突然現れた3匹の魔物を前に、ついに覚悟を決めた明子。自身の擬体化武器であるツメを構え、目の前の黒々とした怪物を睨みつけた。
 優菜や美羽も、油断なく身構える。
 触覚のようなものが生えている以外は、何らかの小動物に黒い瘴気がまとわりついたような容姿の魔物たちだった。先ほど、優菜が一刀両断にしてやった個体とほぼ変わらない相手だ。当然ながら、優菜や美羽にとっては全く問題にはならないだろう。
 だがー
 黒い魔物の1体が、明子めがけて突進してくる。猪突猛進という言葉がふさわしいくらいに、一直線に襲い掛かってきた。
「うおっとっ!!」
 危なげなく突進を回避する明子。動き自体は大変見切りやすい相手なのだが、初陣となる明子にとってはかわすのさえ一苦労だった。
「そいつはあんまり強くないわよ。最初の腕試しにはちょうどいいくらいね」
 残り2体の魔物のうち、左側にいる個体めがけて、優菜は斧を振るった。
「・・・ぎゃぎぃぃ」
 不快で耳障りな断末魔の悲鳴を上げて、黒い魔物は瘴気を周囲にまき散らしながら消滅していく。先ほど倒した個体と同じだ。倒された魔物は、一切の痕跡すら残さず消滅する運命なのだ。
「綺麗に消えてくださる分には、ゴミよりもましかもしれませんね」
 その隣では、美羽が黒い魔物の背中をレイピアで突き刺していた。突進してきた魔物を跳躍してかわすとともに、その背にめがけて一撃をくわえたのだ。レイピアは、斬るよりも突くことを専門としている武器である。串刺しにされた魔物は、これまた聞く者を不快にさせる断末魔の叫びをあげて絶命し、消滅していく。
 魔物たちが断末魔の悲鳴を上げるたびに、明子は顔をしかめていた。その声があまりにも聞くに堪えないものだからだ。例えて言うのなら、黒板を金属でひっかいた時に発するアレに近いものだった。
 優菜も美羽も、魔物を倒すたびに顔を渋くしているのも、この悲鳴を聞かされるからであろう。
 とはいえ、倒さなければこちらがやられてしまう。戦いは避けられないのだ。
「頑張って、明子」
「落ち着いてやれば大丈夫ですよ」
 既に2匹を仕留めた優菜、美羽が、初陣の明子に対して声援を送っている。
 先ほど、渾身の体当たりをかわされた残りの魔物が、今度こそ明子を仕留めるべく、再び狙いを定めて突撃してくる。
 ー動きは単純。だけど、パワーはそこそこあるのかもー
 突進を得意とするタイプの魔物なら、恐らくそれなりにパワーはあるだろう。真正面からぶつかるのは、決して得策とは言えない。
「それなら!!」
 明子は、再び魔物の突進を回避すると、魔物が急制動を懸けた頃合を狙って、
「喰らえっ!!」
 彼女にとって初の一撃を繰り出した。
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